採用動画にYouTubeが活用されている背景とは?メリットなども解説
近年、コロナ禍により対面での説明会や相談会の開催が難しく、紙面よりも伝わりやすいといった理由から、YouTubeを活用した採用動画を制作・配信する企業が増加しています。この記事では採用動画にYouTubeが活用される背景や、メリットなどについて解説していきます。
採用に動画を活用するメリット
そもそも採用動画を活用するメリットは何があるのでしょうか。主なメリットを3つご紹介します。
言葉や文章だけでは伝わらないことまで表現できる
採用動画は、求人票や会社説明文だけでは表現できない魅力を伝えてくれます。
一般的に、求職活動の段階で職場の雰囲気や風土・会社固有の強みなどを把握するのは困難です。そのため、あらかじめ採用動画を作成しておくことで、会社のリアルな動きを求職者に掲示できます。
求職者は働くイメージがしやすい
採用動画は、社員同士の会話や声のトーン・会社の内装まで、職場のリアルを伝えることが可能です。そのため、採用された場合、どのような職場環境で働くのかがイメージしやすくなります。
求職者の興味を引く動画を作成すれば、応募意欲を促進したり、内定後の承諾率の高めたりと、企業にもメリットがあります。
ミスマッチのリスクを軽減できる
求職者が思い描く職場環境と、実際の雰囲気にギャップを感じないことが重要です。例えば、採用動画で社員一丸となって取り組むプロジェクトを紹介しておけば、できるだけ個人でそれぞれのタスクをこなしたいと考えている求職者は動画の段階でこの企業を選択肢から外します。
また、繁忙期に残業時間が長めになってしまうことを事前に動画で触れておけば、家事や育児の関係で定時帰社を優先したい求職者よのミスマッチを回避できます。
採用動画を活用する上での注意点
ここでは、採用動画の活用に関する3つの注意点をご紹介します。
動画作成までに時間と手間がかかる
採用動画作成の主な作業は、画像などの素材集めから始まり、カット編集・テロップや静止画、BGMなどの素材入れです。素材入れの後、動画の書き出しと、動画画面を縮小するサムネイルの工程を経て、ようやく完成します。採用動画の作成には、ある程度工数がかかることをあらかじめ把握しておきましょう。
動画が長すぎると視聴率が上がらない
長すぎる会社のPR文が読まれないように、長すぎる採用動画は最後まで見てもらえなかったり、最初から敬遠されたりする可能性があります。
また、必ずしも会社に興味を持っている方が視聴するとも限らないため、長時間の採用動画にメリットはありません。スキマ時間でも視聴できる採用動画を作成しましょう。
あくまでも求職者目線で撮影する
例えば、仲の良さを伝えたいからと雑談の風景をふんだんに使用した動画を撮影したとします。企業側が伝えたいことであったとしても、求職者には「雰囲気が軽そう」と映るかもしれません。また、社内プロジェクトに関する詳細な説明を動画にしても、求職者はまず企業そのものについて知らないため、イメージが沸きません。採用動画の作成は、企業側の目線になりやすい表現や題材は避け、あくまでも求職者の目線で作成しましょう。
採用動画にYouTubeが活用されている背景
コロナ禍により対面での会社説明会や面接が難しい中、採用活動をオンライン化する動きが活発になっています。このことから、多くの企業でYouTubeを活用した採用動画制作が提案され、実践されています。また、ほとんどのスマホユーザーが活用しているYouTubeをベースにしているため、就職活動を控えた学生などの若い世代を中心にニーズがある施策と言えるでしょう。
効率的にYouTubeで採用動画を活用するポイント
ここでは、採用動画をYouTube上で効率的に活用するためのポイントを解説します。
構成や目的を明確化させる
例えば、事業内容を紹介したい場合、社員の1日に密着した動画を使用したり、人材を紹介したい場合は、社員へのインタビューを配信したりと、企業が求職者に何を求めているかを明確にした上で作成しましょう。また、コロナ禍における時短勤務や在宅勤務の需要など、イレギュラーな内容を加味し、時流に合わせた取り組みをアピールすることも大切です。
SNSを活用する
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを通じて採用動画を拡散すれば、就職活動の中心になる世代へのアプローチが可能です。情報の拡散など、SNSならではの機能を活用することで、企業の採用活動自体を拡める効果も見込めます。また、SNSは無料で利用できるため、コストがかからないというメリットがあります。
動画は定期的にアップデートする
例えば、インタビュー動画などは需要が高い採用動画ですが、時間が経てば当然内容が古くなってしまいます。YouTubeのインタビュー動画がきっかけでその会社に応募したのに、実際はその社員がすでに退職しているというケースも考えられます。
また、自社の設備やルールなどを紹介する採用動画も注意が必要です。動画内容が現在の会社の様子とかけ離れていないかを常にチェックし、求職者が動画を見て感じた気持ちと現実にギャップがないよう、定期的に動画をアップデートする必要があります。
採用動画にYouTubeを活用している企業の事例
ここでは、YouTubeを活用して採用動画を制作・配信している企業の事例を4つご紹介します。
株式会社コネクシオ
携帯電話・モバイル通信サービスの販売代理店事業を行う「株式会社コネクシオ」は、全国で約200人~300人の採用を目指して採用動画の制作と配信を行いました。YouTube採用企画で特に力を入れたことは、時短勤務を選ぶ子育て世代の母親や新卒3年目の社員といった、さまざまな目線を持った社員の1日密着動画の公開でした。YouTubeによる採用動画を導入したことで、全国各地の採用担当者の質を保ち、採用レベルの均一化に成功しています。
株式会社ロフト
生活雑貨を扱うチェーンストアとして有名な「株式会社ロフト」では、学生の質問に答えていく「座談会形式」の動画を作成しました。ほとんどの求職者が知りたいであろう入社後の失敗や反省などを、終始和やかな雰囲気でチーフ5人から聞き出す形式です。9分間という長い構成ですが、現場で与えられる裁量権の大きさや実際の仕事内容、店舗や会社全体の情報など、求職者のニーズに沿った内容に仕上がっています。
三朋企業株式会社
群馬県に本社を置き、北関東最大級のダクト工事実績を持つ「三朋企業株式会社」の採用動画は、北関東で6人~10人の採用を目的として制作されました。同社で作成された採用動画は、建設業特有の「ハードで危険なイメージ」を払拭することをコンセプトに、まるで映画の予告編のような内容で作成。その結果、女子学生を含む学生からの応募があり、ホームページの閲覧数をこれまでの約5倍にまで増やすことに成功しています。
水上印刷株式会社
印刷業だけでなく、アウトソーシング事業やシステム開発なども行っている水上印刷株式会社は、会社についての説明動画を採用動画として作成し、YouTubeにアップしています。作成された採用動画は、営業用・顧客への紹介用など、採用以外でのさまざまな場面で活用されています。
動画は社員のインタビューを始め、求職者の目線に近い若手社員同士の座談会の様子などを中心とした構成です。同社は大学のキャリアセンターへ動画を持ち込むことがあるため、大学からも高い評価を得ています。
まとめ
採用動画のメリットには、言葉では伝わりづらい事業内容や空気感の伝達・ミスマッチの回避などがあります。動画は5分程度の時間を目安に作成し、求職者に寄り添った内容を意識して作成・配信しましょう。コロナ禍で対面の採用活動が滞っている中、若年層の閲覧数が多いYouTubeを使った採用動画のニーズが増え続けています。また、YouTubeにSNSの拡散力を加えることでより高い効果が期待できます。今回紹介した各3社の事例なども参考に、YouTubeでの採用動画の導入を検討しましょう。
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