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VFXクリエイターとは?求められるスキルやスキルを学習する方法など紹介
TIPS 2021.6.03

VFXクリエイターとは?求められるスキルやスキルを学習する方法など紹介

ITの発展と共に、映画やゲーム、プロジェクションマッピングなどの映像技術も日々進歩を遂げています。ここでは、ますます需要の高まりを見せる「VFXクリエイター」について、その仕事内容や必要なスキル、VFX技術を学ぶ方法などをご紹介していきます。

VFXクリエイターとは

「VFX」とは「Visual Effects」の略で、「視覚効果」を意味しています。VFXクリエイターとは、現実に存在するものと架空の映像を合成し、あたかも現実に存在しているかのような映像を作り出す職業です。たとえば、映画にあるような実写では難しい大規模な爆発シーンや、ゲームなどの画面に現れる魔法の光の演出などは、VFXクリエイターが作り出しています。

映画やゲームを始めとするさまざまな分野でVFXは使われており、映像制作の現場にVFXクリエイターは欠かせない存在となっています。

仕事内容

VFXクリエイターの仕事は、クライアントやディレクターの指示のもと、映像に効果をつけていくのが基本的な進め方です。細かい指示の記載された依頼書を渡され、その依頼に沿って効果をつけていきます。質の高い映像作品を創出するためには、依頼主やディレクターとVFXの意図や内容を打ち合わせて、お互いの考えや意見の擦り合わせをすることが重要です。

映像制作では、「3dsMAX」「Maya」「After Effects」「Photoshop」といった映像ソフトを駆使しながら、収録された映像に効果をつけていきます。基本的には依頼書に沿って効果をつけますが、より迫力や臨場感のある映像を作ることができるかどうかは、VFXクリエイターの力量にかかっています。したがって、「エフェクト」に関する知識や、基となる映像に対する知識、現象に対する柔軟なイメージを働かせることが重要です。

制作現場によっては、VFXクリエイターが、キャラクターや背景そのものを作り上げる、「CG制作」を担当する場合もあります。VFXクリエイターとしての仕事の幅を広げておくためには、CG技術全般に対する高い知識と技術を備えていることが求められます。

平均年収

日本のVFX制作会社は大手から中小まで数多く存在し、VFXクリエイターの初任給の平均年収額は、300万円前後が相場です。その後、給与は徐々に増えていくものの、年収300~400万円付近のクリエイターがほとんどといわれています。

TV・CM・PV・映画会社などのVFXクリエイターは、毎月の手取りが20万円代、ゲームやパチンコ業界のVFXクリエイターの収入はそれよりも若干高くなっています。また、雇用環境の恵まれた大手映像制作会社の場合は、勤続年数に応じて安定的に給与が上がる傾向があります。なかには、基本給が低い代わりに、制作した作品数に応じた歩合制を採用している会社も数多くあります。

CGとの違い

CGとは、「コンピューターグラフィック」のことを指し、コンピューターで制作された映像のことを言います。映像の場合には、CGのことを具体的に「3DCGアニメーション」とも呼び、3DCGアニメーションはアニメーション映画やグラフィックの綺麗なゲームなどに使われています。VFXは、3DCGアニメーションを使って映像を作成した上に、実在の映像を組み合わせて加工する技術です。

VFXは、コンピューターを使って映像を加工するという点ではCGと共通していますが、CGが一からすべて背景やキャラクターを作り上げるフルアニメーションであるのに対し、実際の映像との合成で映像制作をするのがVFXです。しかし、現在、VFXとCGの定義の境目は曖昧になりつつあります。これは、それぞれに技術を組み合わせて使用することが多くなったこと、実際の映像と精緻なグラフィックの見分けが困難なほど技術が進歩していることなどが大きな要因です。

VFXクリエイターへの道のり

VFXクリエイターになるためのスキルや必要な資格、必要な資質を見ていきましょう。

求められるスキル

求められるスキルには、CGソフトスキル、物理の知識、英語力、コミュニケーション能力などが挙げられます。

まず、制作をする時には、それぞれの分野で使い分けられるCGソフトウェア、Maya、3ds max、After Effects、Houdiniなどの習得が必要です。実写映画でリアルなエフェクトを表す時には、Houdiniというエフェクトに特化したソフトが使われます。また、ゲーム業界ではAfter EffectsやPhotoshopなどの画像加工ソフトをメインに使用します。さらに、非常にリアルなゲームを作る場合には、Houdiniの他、リアルタイムエフェクトを制作するためにUnreal Engineというソフトを使うこともあります。

VFXを作るためには、物理の知識も必要です。これはエフェクト制作の際に、物理演算によるシミュレーションを利用することがあるためです。物理演算とは、物理運動を扱うさまざまな分野で使われるもので、ゲームや映像作品においてリアリティのある動きを実現するために欠かせない知識です。多くの3Dソフトウェアには、物理シミュレーション機能が備わっています。「どの機能がどういった動きをするのか」や「このパラメーターの意味は何か」などを理解するためには、物理学の知識を持っていた方が良いでしょう。

最後に、VFXクリエイターが使用するさまざまなソフトウェアの公式フォーラムやドキュメントを見る時には、英語が必要になることも少なくありません。また、クライアントやディレクターとの意見交換や話し合いのためには、高いコミュニケーション能力も必要です。

必要な資格

VFXクリエイターになるために必須な資格はありません。しかし、あらゆるCGソフトウェアの習熟と共に、「Photoshopクリエイター能力試験」を受験することはスキルの習得に役立つでしょう。

また、日本語に対応していない海外のソフトウェアを扱う場合や、国際的な活躍を目指す場合には、英語力が必要となってくるので、TOEICを始めとした英語能力試験を受験するのもよいでしょう。

向いている人

VFXクリエイターに向いているのは、以下のような方です。

・絵を描くことが好き
・映画やゲームなどの映像を観るのが好き
・細かい作業や根気の要る作業が好き

VFXの真価は、その映像がまるで現実に起こっているかのように錯覚させることにあります。デッサン力や立体造形力に優れた人も向いているでしょう。

VFXクリエイターの技術を学ぶ方法

VFXクリエイターの技術を習得するためには、どのような方法があるでしょうか。ここでは、通信講座、独学、専門学校のメリット・デメリットを解説します。

通信講座

通信講座で勉強する場合、専門学校への通学よりも費用を安く抑えることができます。また、自分のペースで勉強を進めることができ、仕事や日常生活との両立が比較的スムーズに図れるのがメリットです。

一方、学習を進めるペースや提出物の期日を守るといった自己管理能力が求められます。また、質問の回答を得られるまでにタイムラグがあるため、学習が滞る可能性があります。

独学

独学で勉強することのメリットは、自分の意志次第でいつでも始められる、かつ低コストである点です。

その一方、学習に行き詰まった場合に質問できる場所がなく、モチベーションが下がりやすいデメリットがあります。また、エフェクトを施すためには、映画であれば映像素材、ゲームであれば動かすためのキャラクターの素材が必要です。しかし、独学の場合はこれらの素材を自身ですべて用意する必要があります。

専門学校

専門学校で勉強することのメリットは、疑問点などを直接講師に聞くことができる点です。また、卒業するには一定の単位取得が必要なため、必然的に勉強せざるを得ない環境が整います。さらに、共に学ぶ仲間ができ、そこで培われた人脈が後々、仕事で役立つこともあるでしょう。

一方、学費や通学費などの費用が掛かります。仕事をしている場合は、両立が難しいでしょう。

まとめ

VFXクリエイターになるためには、依頼された仕事を忠実にこなすだけでなく、求められる以上のクオリティを創造できる能力や熱意が必要です。技術を習得する方法には通信講座・独学・専門学校の3つがありますが、自身に合った学習方法でVFXクリエイターを目指しましょう。

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