現役UI/UXデザイナーに聞く面接対策!採用したいUI/UXデザイナーはどんな人?
前回の記事 「今注目のWebクリエイティブ職種!UI/UXデザイナーになるためには?」では、現役のUI/UXデザイナーのインタビューし、UI/UXデザイナーに必要なスキルやその習得方法を具体的に解説しました。
今回は、より実践的にUI/UXデザイナーを募集している企業に応募するにあたって 面接対策や採用されるUI/UXデザイナーの人物像に迫っていきます。
Q.企業が求めるUI/UXデザイナーとは?
A.論理的思考をもとにデザインを構築できるデザイナー
前回の記事でもお話しましたが、UI/UXデザイナーが最低限持ち合わせていなければいけないスキルが、 論理的思考に基づいたデザイン思考力です。感性やセンスだけにまかせて作られたデザインはデザイナー本位のデザインであり、UI/UXデザインの根本であるユーザー本位のデザインとはかけ離れたものです。
決して、グラフィックデザイナーではUI/UXデザイナーになれないという話ではありません。グラフィックデザインで培った美的センスを機能的にUI/UXに活かす事ができれば、ユーザーにより良い体験を提供できるはずです。
UI/UXデザイナーの採用面接ではロジカルな質問を用意しているケースが多いです。具体的には、採用候補者が
・特定の課題に対して、論理的思考で問題解決を行えるか
・その際に自分の言葉で、わかりやすい説明ができるか
・感性に任せるのではなく、ユーザーの行動を考慮した上で、良いデザインを考えられるか
を確認する傾向にあります。
では、上記の判断を行う上で、より具体的には何をみていくのでしょうか。新卒と中途、それぞれの面接時の採用基準を考えていきましょう。
Q.新卒採用の場合の採用基準は?
A.「UI/UXデザインに対する興味」と「作品のポートフォリオ」
まずは新卒採用において、面接官が重視するポイントを見ていきましょう!
まず一つ目は、 「UI/UXデザインに対する興味」です。当たり前ですが、どんな職種でも企業は熱意をもって仕事に向かう人材を採用したいはずですよね。特に、UI/UXデザインの仕事は常に新しい技術をキャッチアップしていく必要があるため、デザイナーは高いモチベーションを持ちつづける必要があります。
特にUI/UXデザインの実務経験がない 新卒採用に関してはUI/UXデザインがどれだけ好きかをより重視して採用する傾向にあります。自分の好きなアプリやコンテンツのどの機能に魅力を感じて、何故好きなのかを自分の言葉で論理的に説明できるようにしておきましょう。積極的に様々なターゲット層に向けてデザインされたアプリ、WebサービスのUI/UXに触れておく事をオススメします。熱意をもって語ることで、面接官との距離を近づけるように、しっかり準備しておきましょう。
次に挙げられるものが 「ポートフォリオ」についてです。新卒採用であっても、自分がUI/UXのデザインを行ったWebサービス、アプリのポートフォリオはその人の 実力を証明するアイテムといえます。一方で新卒の場合は、ポートフォリオの完成度は高く問われない傾向にあります。実際にはローンチされなかったサービス、架空のサービスのポートフォリオでも構わないという企業も多いです。
なによりも大事なことは、
・何故このサービスのUI/UXがこのデザインになる必要があったのか?
・誰にどのように使ってもらいたくて、そのためにどう工夫したのか?
・このサービスからユーザーに何を感じ取ってほしいか?
など、何を意識してデザインしたかを論理的に語れることです。
まずはこれらを意識してポートフォリオの制作に取り組んでみましょう。制作実績の乏しい方は、リデザインにチャレンジしてみてもいいかもしれません。既存のサービスのデザインに対して自分なりの改善案を足してみましょう。あくまでもロジカルに内容を説明できている事が重要です。
Q.中途採用者の場合の採用基準は?
A.「UI/UXデザイン経験があること」もしくは「グラフィックデザイン経験があり、かつUI/UXへの興味と高いコミュニケーション能力を兼ね備えること」
続いて中途採用の場合の採用基準です。
まずは、UI/UXデザイン経験者の場合からお話ししていきましょう。現状としてUI/UXデザイナーの人材の母数がとても少ない上に、今後もますますUI/UXデザイナーが求められる場面は増えていくとされています。現在在籍している会社である程度の実績を出していれば、受け入れてくれる会社は多く転職はしやすいといえます。大手メーカーでUI/UXデザイナー経験を積んで、スタートアップ企業でサービスの立ち上げに関わるというケースも多いようです。
では、UI/UXデザインの経験がない方はどうすればいいでしょうか。中途採用の場合は、グラフィックデザインの経験者の中から、UI/UXデザインのスキルを習得する素養のある人を選ぶ傾向にあるようです。
具体的には、
・グラフィックデザインの実績
・UI/UXデザインに関する興味、知識、スキル
・クライアントワークのコミュニケーション(ロジカルなコミュニケーション)
を重点的に見られます。グラフィックデザインの実務経験の中で、ユーザーへの訴求力があるデザインセンスを持っているかを問います。特に、アートディレクター経験者はプロジェクト管理などの経験が優遇される傾向にあります。また、デザインの企画、ディレクション経験はUI/UXデザイナーの職務に通ずる部分があり、UI/UXデザイナーの業務への立ち上がりも早いとみられます。
UI/UXの知識、スキルを身につける事ができるかどうかは、本人のやる気次第なところが大きいと言わざるを得ません。UI/UXデザインは環境に左右される事が多く、日々アップデートされる情報を取り入れ、時には昨日まで使っていた考えを捨てなければならないという選択を迫られる可能性があります。そのため、中途の場合も新卒と同様に高い興味を問われます。
またコミュニケーション能力も重要なスキルです。UI/UXデザイナーはユーザーの為の必要なサービス開発をエンジニアやWebデザイナー、いくつもの職種をまたいでマネジメントする必要があります。仮想ユーザーを設定し、サービスを通してのコミュニケーションも意識しなくてなりません。ユーザーの潜在ニーズをリサーチし、本質を引き出し、必要なタスクを洗い出しエンジニア、Webデザイナーに誤解なく伝達するスキルがUI/UXデザイナーには求められています。
自信をもってUI/UXデザイナーとして面接に挑みましょう!
現役UI/UXデザイナーに伺った面接対策をご紹介しました。新卒でも中途でも共通して、大事なポイントは UI/UXデザインに対して興味、関心があり、UI/UXデザインが好きだという点でしたね。「ユーザーに最高の体験を提供したい!」、「なによりUI/UXデザインが好きだ」という点を積極的にアピールすれば、採用担当者も心を開いてくれるかもしれません。本稿を読んでUI/UXデザイナーへの就職・転職の参考にしてもらえれば幸いです。
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