クリエイターが起業するタイミング:適切な独立時期とは?
デザイナーにしかり、エンジニアにしかり、ライターにしかり、一人で生産的かつ専門的なアウトプットをできるビジネスパーソンは、独り立ちしやすいので、「起業をする」「フリーランスになる」キャリアパスを思い描くことはあるでしょう。
Webを辿れば、起業しているクリエイターの生の情報もたくさん触れることができます。
まだ起業をしたことがない人からすれば、起業という感覚を原体験しているわけじゃないので、センスを磨きようがありません。いくら机上でフリーランスマインドを学んだところで、現実でそのマインドを発揮できるわけでもありません。
そこで、今回は「クリエイターが起業するべきベストタイミング」について掘り下げて解説していきたいと思います。
タイミング1:余裕を持って差別化を図れるタイミング
自然に個別的な価値が出せれば、起業はうまく流動する
クリエイターの起業は意外にもシンプルで力があれば稼げます。起業における「力」とは、「提供できる価値」に他なりません。
提供できる価値に対して、単価を大きくするか、相応で打ち出すか、もしくは低単価で大盤振る舞いするかは、当人次第ですが、どちらにしても、提供できる価値がオンリーワンとナンバーワンに向かっていることが、起業家の力と言えるでしょう。
今ではSNSなどでセルフブランディングをすることで、価値以上の評価を得たり、情報弱者向けに売り切ることも可能ですが、クリエイターの本当の起業の成功は稼ぎもそうですが、クリエイティブすることの自尊心を高めるということもあるでしょう。
真っ当に稼がないかぎり、クリエイターの自尊心は絶対に高まりません。稼ぎだけが大きくなったところで、どこかにクリエイティブすることの引け目を感じ、それをプロフェッショナルな人から見透かされてしまいます。
クリエイターとして自然に個別的な価値が出せていれば、誰かが起業を進めたり、個人として案件をくれたり、キーパーソンを紹介してくれたり、そういったことが自然に起こります。
タイミング2:インプットとアウトプットで名刺となるポートフォリオができたタイミング
人とモノを触れ合わせて、起業を自分になじませる
起業の際にクリエイターが困るのが「集客」です。常にクライアントを掴むことができずに、クラウドソーシングなどで安請けして疲弊してしまうパターンは少なくありません。
これは単純に集客セレンディピティを起こすほどに出会いを開拓していない証です。
また、人に出会った時に、自身が何をインプットして、何をアウトプットしているのかをキャッチーに伝えきれていないとも言えるでしょう。
多くのクリエイターは自分を売り込む際に「ポートフォリオ」となるもので相手を魅せていくはずです。
その際に大事なのが、タイミング1でもお伝えした「提供できる価値」へのイメージを相手に湧かせることです。
上手い絵を相手に魅せ付けるのではなく、「この絵を描けるアウトプット能力で目の前の相手だったらこういう未来を創造できる」ということを自然に想像させるのです。
一度、この思考を相手が持ってくれれば、こちらが見せるアウトプットの度に、「これが作れるんだったら、うちの会社だったら、こういうのにいい!」だとか「そういえば、知り合いの会社の案件とかはあなたに最適化も!」という風に話が広がっていきます。
こうした小さな会話を積み重ねて人に会い続けるだけで、起業後の成功の火種はとても大きくなっていきます。
自分のクリエイティブで相手の未来をどう変えることができるかというのは、ある種、クリエイティブコンサルティング的な思考で、相手も自分の未来が本当に変わることが予期できると、とてもワクワクするわけです。
タイミング3:リスク要因をなるべく排除ができたタイミング
リスクがなければ起業は失敗しない
クリエイターの起業は、自分のクリエイティブスキルをクライアントへ売ることができるため、クライアントワークに徹するものであれば、ほとんど経費が掛かりません。
そのため、一人で大きな事務所も抱えることなく取り組めば、潰れない起業が実現できます。
ですから、起業のリスクを徹底的に排除することができれば、起業を軌道に乗せる確率がどんどん高くなります。
リスクは人によって異なりますが、「1年間売り上げゼロだった場合でも生活できる貯金」は、リスクを減らすものとなってくれるでしょう。
その程度の貯金があれば、融資も得やすくなります。すると、キャッシュフローはかなり強固になります。
補助金を申請して、先に使う余裕が出てきます。
質の高い素材や機材に投資ができますし、それが他社や他者を差別化する価値に繋がります。
最後に:弾き出されるように起業しよう
良くも悪くも起業で成功する人は弾き出されている
以上、クリエイターが起業するタイミングについて掘り下げてきました。
「言われてみれば、当たり前」だと感じた人が多いと思います。しかし、クリエイターが独りの身に置かれた際、その当たり前を見誤るのです。
当たり前に徹するというのは、一人で自由な場に置かれた際はとても難易度が上がってきます。
起業エピソードは起業家によってさまざまですが、私たちの所感では、起業が上手く生き続ける人というのは、起業が自然に馴染んでいます。
人間味も、リズムも、パフォーマンスも、見た目も、フリーランスとして自然に馴染んでいるのです。
それは起業という方向性へ自然に弾きだれたことを意味します。
感覚的には、起業への不自然さを壊していくことができれば、もうフリーランスとして歩み出しても大丈夫だということになるでしょう。
起業しようか悩んでいるクリエイターの方はぜひ参考にしてみて下さい。
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