指名検索のメリットと、指名検索を増やす方法
はじめに
サイト集客でSEOに注力するなら「指名検索」への対応は必須と言えるでしょう。
実際に多くの企業や店舗、その他サービス業全般に言えることですが、SEOに敏感な会社はもれなく指名検索に注目しています。
ただ、指名検索には注目しつつも実際に施策を行い、その効果に手ごたえを感じている企業は少ないようで、施策に関する相談を受けることもしばしばあります。
そこでこちらでは、指名検索の概要と指名検索によるSEO施策を成功させるためのコツを紹介していきたいと思います。
指名検索とはなにか
指名検索は商品名やサービス名、ブランド名、企業名などをキーワードにした検索のことです。
「ヒートテック」「パルシステム」「シャネル」「ヤマト運輸」などユーザーが指名検索を行う際は、すでにそのブランドやサービスを頭に思い浮かべている状態です。「○○」という特定のサイトを訪れたい、「××」というサービスを利用したい、「▲▲」という店舗を調べたいなどという意思とともに行う行動と言えるでしょう。
実際に多くの人は購買意欲や利用意欲が高まっているとき、通常の「ブランド 指輪」といった一般的なキーワードではなく、指名検索を行うはずです。シャネルの新作バッグを見たい!という欲求があれば、販売店ではなく「シャネル」と検索します。
こうした検索行動を「指名検索」と呼びます。
指名検索を増やすメリット
最近では会社名、サイト名、商品名、ブランドといった固有名詞の検索回数がSEO上とても重要な要素になっています。
というのも、コンテンツも充実していて被リンクもかなり多そうなサイトにも関わらず、検索順位が下がっていくという明確なトレンドが出ているからです。
被リンクとコンテンツの質が重視され、評価が決まるというここ7、8年ほどのトレンドに対して一昨年、昨年あたりから指名検索の回数なども重視されているのでは?という傾向が見て取れます。最近のアルゴリズムの変更で、そのトレンドがかなり加速した印象を受けます。
このことで、いままでは上位表示されていたリンクよし、コンテンツよしのサイトでも、そのサイト自体の認知度が低い=指名検索されない=と、上位表示されなくなっています。もしかしたらリンク自体の価値はまだ認識されているのかもしれませんが、指名検索回数の多いほうをより上にみるというアルゴリズムに変わっているのかもしれません。
いずれにしても一般的に指名検索での流入ユーザーは、コンバージョンレートが高く、平均PV数やサイト内の滞在時間も多いという傾向が出ています。
つまり指名検索を増やせば、売上のアップにつながるというわけです。
検索アルゴリズムへの適応
指名検索では一般名詞を使用した検索とは違い、検索アルゴリズムの影響を受けにくくなります。
検索エンジンのアルゴリズムとは、検索順位を変動させる検索エンジン側の「さじ加減」ですが、ユーザーの検索意図が明確な固有名詞を検索ワードであれば、アルゴリズムの変化の影響を受けてその検索順位が大きく左右されることはまずないでしょう。
たとえば「服 購入」といった一般名詞をつなげたキーワードでの検索には、キーワードに関するさまざまな要因が絡み、さらにアルゴリズムによって順位が決定されます。しかし「ベルーナ」などの固有名詞を使った指名検索では、固有名詞の公式サイトが上の順位に来る可能性がかなり高くなります。検索アルゴリズムとは関係なく、固有名詞が頻繁に使われているサイトを上位表示するのは検索エンジンのそもそもの機能なので、むしろ上位に来なかったらおかしいわけです。
指名検索のメリットの一つはここにあります。
購買につながるユーザーの獲得
自分の行動を思い出してほしいのですが、検索エンジンを利用し固有名詞を入れて検索する場合は、その核心的なところに早くたどり着きたいという意図を持っているはずです。検索する意図が、はっきりと頭の中で整理されている状態ではないでしょうか。
つまり、指名検索で訪れるユーザーの多くは「利用したい」という意欲が高まっています。そのため一般名詞での検索で入ってくるユーザーよりもコンバージョンにつながりやすく、CVRも高い傾向にあるといわれています。
よって指名検索で訪れるユーザーを増やせれば、成果につながるユーザーをより多く獲得でき、そのWebサイトにおける収益向上が期待できるということです。Webでの物販を行っていなくても、サイト上で十分な情報提供ができれば、来店から商品やサービスの購入につなげることができるでしょう。
指名検索を増やす方法
では指名検索を増やすにはどのようにすればよいのでしょうか。
新しいワードで指名検索でのユーザーを増やす際は、検索語句の設計がポイントになってきます。具体的には企業名、商品名、サービス名などのネーミングです。
条件としては記憶しやすいもの、長すぎずインパクトのあるもの、すでにある商品やサービス名などとかぶらないことです。似たようなワードの場合、検索エンジンが正しく判別できずに混同されてしまう可能性もあります。被りのないオリジナリティのあるワードを作りましょう。
ユニークな名前をつけるのと、商品やサービスの中身も重要なポイントです。話題性のある商品やコンテンツを作り、SNSなど様々なメディアで紹介されるとより効果的です。指名検索ワードがどんどん拡散していけば、指名検索で流入してくるユーザーの増加が大いに期待できます。
既存の商品やサービスでの指名検索を増やす場合は、広告での露出やTwitter、Instagram、FacebookなどのSNSを利用した認知度向上施策が重要になります。これらのサイトを通じてユーザーに知ってもらうことで、指名検索回数の増加が見込めます。
広告を使う
テレビやラジオ、新聞などのマスメディア広告とディスプレイ広告、リスティング広告などのインターネット広告の2パターンあります。
マスメディア広告のほうは、不特定多数の方に対して一度に多くの広告ができます。認知度向上に効果的で、指名検索の回数を確実に増やせるはずです。
インターネット広告の場合、そもそもキーワードに連動するタイプのリスティング広告などではなく、画像や映像を利用したタイプのディスプレイ広告が最適です。こちらも購入確度の高いユーザーではなく、マス広告と同様に不特定多数のユーザーに対して広告によるアプローチを狙う意図があります。また不特定多数への配信を行う場合、ユーザーの絞り込みは行わなわないため、広告費用が安く済みます。
あと広告ではないのですが、プレスリリースの活用も一つの手です。
プレスリリースならマス広告よりも断然費用が安く済むうえ、不特定多数のユーザーに対してアプローチできるメリットを享受できます。
また広告費用がない時は広報を行い、ネットメディアに取り上げてもらうのもありです。もしメディアに取材記事が掲載されれば、高い広告効果が期待できます。
SNSを使う
Twitter、Instagram、FacebookといったSNSを利用した認知度アップから指名検索の増加につなげていくのも一つの方策です。
その際ただやみくもに商品やサービスの紹介に終始するのではなく、ユーザーやりとりできるアカウントを用意したり、ゲームなどのコンテンツを用意して訪れたユーザーがほかで紹介したくなるようなものが作れると理想的です。SNSを利用するユーザーが商品や会社などをネタにしてくれれば、指名検索をしてサイトを訪れるユーザーが確実に増えます。
またSNSから派生する形で、イベントの開催や展示会への出展、セミナー開催などユーザーとリアルでの交流ができる仕組みを作っていけば、より長期的なマーケテイングも可能になります。
話題性のある商品やサービスの投入
指名検索してもらうには、ユーザーがそれをしたくなるような気持にさせなければなりません。商品がほしい、サービスを利用したい、どんな会社か調べたい、誰かに教えたいなどの気持ちが芽生えなければ、ユーザーは指名検索を行わないでしょう。
もっとも重要なのは、話題性のある商品やサービスを作ることです。
話題性のあるものは、人に勧めたくなる品質だった、自分が使ってみて面白かったなど商品やサービスの質に起因するものが多くなります。
そうした世間に認められるような商品やサービスを作れれば、自然と指名検索は増えるでしょう。SNSでも取り上げられやすくなるので、一石二鳥です。
質はまあまあでも、商品やサービスの誕生にストーリー性があり、その共感を得られればSNSに取り上げてもらいやすくなります。またネーミングが面白かったり、覚えやすかったりすれば、指名検索は増えますので、まずは商品設計を大事にしましょう。
指名検索を確認する方法
指名検索で訪れたユーザーがどのくらいだったのかは、サーチコンソールから調べられます。
流入したすべてのキーワードを確認した後、指名検索のキーワードがどれだけあるのか絞り込みを行いましょう。
そうしたいくつかの指名検索ワードをピックアップしたら、Googleキーワードプランナーで月間検索回数の推移を調べます。指名検索に関する施策前と後でその数が比較できるので、施策の効果を把握するのに役立ちます。指名検索ワードが少ない場合は、Googleトレンドを使って調べてみてもよいのでチェックしてみてください。
まとめ
指名検索はコンバージョンにつながりやすいユーザーを数多く獲得するのに役立ちます。指名検索を増やすにはいろいろとやるべきことは多いですが、まずは露出の増加から挑戦していきましょう。
一つのやり方にこだわらず、広告やSNS、広報活動などできるものから開始して徐々に良くしていくのがベターです。指名検索を増やしたいのは一つの商品やサービスに限らないと思いますので、ポイントをメモしつつ試行錯誤を繰り返していき、長い目でみながら指名検索を増やせると良いですね。
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