副業の確定申告についてご紹介!必要書類や手続きの流れ、注意点なども解説
近年、働き方改革の影響から社員の副業を容認する企業が増加傾向にあります。それに伴い副業を始める方も増加しているため、副業をするにあたって注意が必要な確定申告について詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、副業の確定申告に必要な手続きの流れや注意点について詳しくご紹介します。
副業とは
本業の補助的な印象がある副業ですが、具体的にどのような働き方を指すのでしょうか。以下では副業の定義や始め方、関係する所得の種類についてご紹介します。
定義
- 副業
アルバイトや内職など、空き時間に行う働き方を指します。収入は少額ですが、基本的には本業よりも労力・作業時間を必要としません。特に、空き時間を効率的に使いやすいWEBライティングや株式投資などが人気です。 - 複業
2つ以上の企業に勤める形をとり、複数箇所から給与を受け取る働き方です。本業を決定せずにすべての仕事にプロとして取り組みます。副業と同様にWEBライティング・株式投資が人気です。 - 兼業
企業に雇用されながら、起業をして自身の事業を確立させる働き方で、本業の区別をしません。人気の兼業としては主に、費やす時間や労力が少ないことから株式投資が挙げられます。 - パラレルキャリア
パラレルキャリアは本業と並行しながら今後のキャリアを築いていく活動を指します。複業や兼業への過程の形となるため、収入がゼロのケースがほとんどです。主にシステムエンジニアなどがパラレルキャリアの活動として選択されています。
副業は、生活の基盤となる本業以外で収入を得る働き方です。本業以外で収入を得る方法には、副業を含めた以下の3つがあります。
副業の始め方
副業を始めるためにまず必要なことは、勤め先の就業規則を調べ、副業の許可の是非について確認する作業です。会社によって規則はさまざまで、違反時には解雇・懲戒などのペナルティを課される場合があります。
副業の可否が確認できたら、モチベーション維持のために目標を決定しましょう。目標がない場合、本業の都合・体調不良などで挫折してしまう可能性があります。
次に、空き時間の確保をしましょう。副業はプライベートの時間を使って従事するため、無理なく継続できる範囲で副業に活用する時間配分をします。
その後、従事する副業の形態を以下の4つから選びます。
- 時間労働型
労働時間分の収入を得る形態で、アルバイト・代行業がこれにあたります。全体的に単価が安いため、単純に本業以外の収入を稼ぎたい方向けになります。 - 成果報酬型
自身のもつ技術や知識を活用し、成果に応じた報酬を獲得する形態を指します。WEBライティング・プログラミングなどがこれにあたり、キャリアアップを兼ねて行う場合がほとんどです。 - ビジネスオーダー型
自身のハンドメイド作品などを販売する、趣味の延長線上で取り組める形態です。
YouTubeやブログを活用したものも含まれており、成果に応じて起業に発展できる場合もあります。 - 投資型
資金次第で簡単に始められる形態で、株式や不動産投資、暗号通貨やFXなどがこれにあたります。しかし、運用方法を誤ってしまうと資産を減らしてしまうリスクが伴うため、専門知識や事前準備が欠かせない特徴があります。
最後に、副業について家族の同意を得ましょう。家族や同居人に負担や迷惑をかけないためにも、副業を始める経緯や今後の見通しについて相談をしたうえで理解してもらう必要があります。
知っておくべき3つの所得
副業に従事するにあたり、以下の3つの所得について知る必要があります。
- 給与所得
会社員やアルバイト従業員が勤務先から受け取った給与から、給与所得控除額を差し引いたものです。必要経費を計上できないため、1年間の給与所得控除額を給与収入から差し引くことになります。 - 事業所得
サービス業や商工業などの収入から必要経費を差し引いたものです。事業所得を得た場合、給与から赤字分を差し引けるなどのメリットがあります。 - 雑所得
公的年金や著述家以外の人が受け取る印税などの収入から、必要経費などを差し引いたものです。会社員の副業による所得は先ほど触れた事業所得として認められるハードルが高く、雑所得として分類されることが多くなります。
副業の確定申告について
副業における確定申告の条件は職種やケースによって異なるため、自身が以下で紹介する条件のどれに当てはまるのか、理解して実施する必要があります。
確定申告が必要になる金額
副業での収入が20万円以上になる場合に確定申告が必要です。
アルバイト・パートの場合、1年間の副業収入20万円以下であれば確定申告の必要はありません。アルバイト・パート以外の雇用形態で副業をする場合は、売上から経費を差し引いた「所得」が20万円以下であれば確定申告は不要です。また、アルバイト・パートとそれ以外の副業を兼業している場合は、それぞれの収入と所得を合わせて20万円以下の場合、確定申告は必要ありません。
20万円以下でも確定申告が必要なケース
医療控除や寄付金控除などを受ける場合は確定申告が必要です。このとき、所得税と合わせて「地方税」である住民税も確定申告の対象になります。
また、20万円以下の場合で確定申告をすると、源泉徴収分が還付される場合があります。
確定申告の流れ
確定申告の仕組みは非常に複雑なもののように感じるかもしれませんが、要点さえ押さえていれば手続きの流れ自体はシンプルです。以下では確定申告の具体的な流れをご紹介します。
必要書類
確定申告に必要なのは本人確認書類・印鑑・銀行の口座番号がわかるもの・所得を明らかにできる書類・支出を明らかにできる書類・控除を受けるための証明書類です。
確定申告の手続き
まずは、会計ソフトなどを用いて1年間の取引を記帳しましょう。次に必要な書類を用意し、確定申告書の用意に取り掛かります。最後に管轄の税務署に書類とともに申告を行って完了です。
青色申告と白色申告の違い
青色申告は帳簿が複雑ですが信頼性が高く、特典が設けられていることから政府にも推奨されています。青色申告の特典は以下が挙げられます。
- 青色申告特別控除を受けられる
必要条件を満たしたうえで青色申告を利用した場合、内容に応じて所得控除を得られるため、所得税を抑えることができます。 - 青色事業専従者給与
15歳以上の親族が1年のうち6ヶ月を超える期間で事業に従事していた場合、支払う給与を全額必要経費に算入することが可能です。 - 純損失の繰越控除、繰越還付を受けられる
ある年の所得が赤字の場合、マイナス分を翌年以降に3年間にわたって黒字分から控除することが可能です。また、前年分を繰り戻して所得税を還付することもできます。
対して白色申告は、一から簿記を習得する必要がないため、記帳の敷居は低くなっています。ただし、帳簿が簡易的になる反面、青色申告のような特典は設けられていません。
最近はデジタルツール・クラウドサービスによる会計が可能になり、青色申告のハードルも下がっているため、特典のない白色申告はほとんどメリットがありません。
副業の確定申告での注意点
ここでは、副業での確定申告を理解するにあたっての注意点について解説します。
確定申告の期間に注意する
確定申告は、毎年1月1日から12月31日までに生じた所得を、翌年の2月16日から3月15日までの間に申告する必要があります。この期間を過ぎた場合、無申告加算税が課されてしまいます。
無申告加算税は本来の納税額が50万円までであれば15%、50万円を超える場合は20%が課されてしまいます。しかし、税務署の調査が行われる前に自主的に申告した場合の無申告加算税は5%です。
確定申告によって副業が会社にばれてしまう可能性がある
確定申告を行うと住民税額が会社に通知されるため、会社に副業をしていることが発覚してしまう可能性があります。申告書に記載する住民税の徴収方法を、「自分で納付」にチェックをすれば会社に通知はされません。しかし、サラリーマンの副業は違法ではないものの、就業規則に背いている場合はトラブルに発展する恐れがあるため、事前に相談しておくのが望ましいでしょう。
確定申告を怠った場合のペナルティとは
期限までに確定申告を行わなかった場合、無申告加算税や延滞税を支払わなければなりません。また、公的に収入を証明するものがない状態となるため、社会的信用が必要なローンの審査などが不利になります。
虚偽の申告や隠蔽など、あまりに悪質な場合は刑事罰の対象となるため注意しましょう。
まとめ
今回の記事では、副業の概要・確定申告の流れや注意点について紹介しました。
副業を始めるには所得についての知識が必要となり、同時に確定申告についても理解しなくてはなりません。
本記事が副業における確定申告への理解を深めるきっかけになれば幸いです。
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