シナリオライターの仕事内容とは?適性や勉強方法などを紹介!
皆さんは、シナリオライターと呼ばれる業種をご存じでしょうか。映画やテレビドラマ、舞台などの映像関係の業界では、必要不可欠な職種です。ただ、具体的にどんな仕事内容なのか理解されていない方も少なくないでしょう。
今回の記事では、シナリオライターに関する基礎的な知識やシナリオライターになる方法などについてご紹介します。
シナリオライターとは
シナリオライターとは、映画、テレビドラマ、ゲームなどの脚本を書く人のことを指しており、「脚本家」とも呼ばれています。「ラジオ番組、テレビ番組の進行台本を書く放送作家」を脚本家と呼ぶ場合もありますが、「ドラマ、映画、アニメ、漫画の脚本を書く人」を指すのが一般的です。ここでは、脚本家の仕事内容や業界用語、シナリオライターに関連する業種や平均年収について解説していきます。
仕事内容
シナリオライターの主な仕事としては、脚本の打ち合わせ、執筆、修正が挙げられます。小説、漫画などの原作を基にした脚本作成や、スポンサーやプロデューサーによる企画書の作成など、あらかじめ内容が決まっている場合は脚本の打ち合わせからスタートすることが一般的です。
一方で、企画段階から打ち合わせに参加しているシナリオライターや、オリジナルストーリーから企画書を作成するシナリオライターもいます。
資料収集や調査、取材などから得た情報で知識を深めることも仕事の1つです。仕上げた脚本は監督やプロデューサー、スポンサーに提出しますが、方向性や意向に対応して修正する場合もあります。
活躍の場
シナリオライターは、それぞれの分野によって表現方法や求められる能力に違いがあります。ここでは、シナリオライターが活躍する代表的な5つの分野をご紹介します。
・ゲーム
ゲームシナリオの特徴は、画面に表示されるキャラクターイラストに合わせた効果音や選択肢などの指定があることです。効果音をオフにしてプレイする場合もあるため、画面上に表示されるセリフ、効果音に関する描写は読みやすい文章である必要があります。また、ゲームシナリオには選択肢があるため、どのような選択肢にするかを構想するのはもちろん、選択した先の展開を含めたストーリー全体をしっかりと把握する能力が求められます。
・アニメ
アニメシナリオの特徴は、放送される1話ごとにシナリオを制作するということです。1話ごとの制作とはいえ、ワンクール全体の流れと、1話ごとの話の流れを両方把握しておく必要があります。また、漫画やゲームなどの原作がある場合には、1話の尺に収まるように情報量を調整する必要があるため、原作の内容を取捨選択する能力が求められます。
・舞台
舞台シナリオの特徴は、ゲームやアニメとは異なり作中に編集やテロップなどを入れられないことです。セリフや演出が不自然にならないように、物語の情景や登場人物の情報、俳優の動きや表情、照明や音響なども細かく指定する必要があります。舞台シナリオは、観客の反響をみて書き直しを行う可能性もあるため、臨機応変に対応できる能力が求められます。
・テレビドラマ/実写映画
ドラマ、映画のシナリオの特徴は、画面を通して視聴者に伝える点です。ドラマでは、1話ごとの視聴率によって今後の展開を変更していくこともあるので、構成力が重要になります。また、作品によっては、小説やマンガの原作からシナリオを執筆する場合と、一からシナリオを執筆する場合があります。一からシナリオを執筆する場合は、構成力も大切ですが、情報収集や現地調査、関係各所への取材などを通じて裏付けを取る行動力も必要です。
・ラジオドラマ
ラジオシナリオの特徴は、情景、登場人物の動きなどを音だけで表現することです。映像情報がないラジオドラマでは、登場人物のセリフや効果音、ナレーションを活用して場面や状況を説明することがほとんどです。そのため、ラジオシナリオの執筆には、音で表現できるものだけでいかに情報を伝えられるかという技術が求められます。
平均年収
シナリオライターの年収は仕事内容によって幅が広く、平均的には250万円~500万円程度と言われています。有名になれば高収入を得られる可能性もありますが、駆け出しの場合はシナリオライターのみの収入で生計を立てることは難しいでしょう。しかし、ゲーム会社と契約または所属してディレクターやプランナーを兼任することにより、ある程度の収入が見込めるケースもあります。
シナリオライターに関連する業種
シナリオライターに関連する職種には、放送作家や小説家などがあります。シナリオライターは主に映画やドラマ、アニメやゲームなどの脚本を書くことに対して、放送作家は主に情報番組やバラエティ番組などの台本を手掛けています。仕事内容に違いはありますが、映像コンテンツの立ち上げに携わっている点は共通しているといえるでしょう。また、シナリオライターは小説を基に脚本を書くことも多いため、小説家も関連している職種といえます。
よく使われる専門用語
シナリオライターには、よく使う専門用語があります。ここでは代表的な2つの専門用語をご紹介します。
・N
Nとは、脚本の「ストーリーの概要、登場人物の心理描写など」をナレーションで表現する箇所に書き入れる「ナレーションの略称」です。
・ト書き
ト書きとは、「登場人物の行動、情景描写など」を細かく指定する際に使う「補足文章」のことです。
シナリオライターに向いている人や求められる資格について
シナリオライターの仕事をしていくうえで求められるスキルや資格、適正について解説します。
向いている人材
シナリオライターの仕事は「脚本を書くこと」であるため、ある程度の文章力が必要です。また、さまざまなシーンや登場人物の心情、情景をリアルに想像できる柔軟な発想力や、ストーリー全体を見通しそれぞれのシーンが魅力的になるようなプロットを作り出す構成力も求められます。
黙々と執筆作業をするのみならず、監督やプロデューサーなどから何度も書き直しの依頼がくる可能性もあるため忍耐力も必要です。
求められる資格
シナリオライターを目指す場合、取得しなければならない資格は特にありませんが、脚本の質を高めることに有効な資格はあります。
例えば、日本語を正しく理解し使えるようになる「日本語検定」や、読み書き伝える力を高める「文章読解・作成能力検定」などを取得することで文章力の向上を図れます。また、「映画検定」を取得することにより、映画の歴史や業界の知識などをより深めることも脚本を書くうえで役に立ちます。
シナリオライターになる方法
シナリオライターになるには、いくつかの方法があります。ここでは実践から始める方法とスクールなどに通う方法を紹介します。
公募コンクールに応募する
シナリオライターを目指すのであれば、テレビ局などが公募している脚本賞やコンクールに応募してみましょう。入選や高評価を得られれば、シナリオライターとしてデビューできる可能性があります。
制作会社に作品を持ち込む
シナリオライターには「持ち込み」からデビューできる可能性もあります。しかし、持ち込みを受け付けている制作会社自体が少ないため、持ち込みを受け付けている会社や条件については事前に確認しましょう。
シナリオライターの養成スクールに通う
シナリオライターの経験が全くない場合は、基礎から学べるシナリオスクールや養成講座を受講しましょう。カルチャースクール程度のとこともあれば、映画会社やテレビ局に太いパイプをもっているスクールもあります。
まとめ
シナリオライターは、実力によっては活躍の場を広げることが可能な職種です。「文章を書くことが好き、発想力に自信がある」「テレビ局や映画会社で働きたい」という方は、シナリオライターを目指してみてはいかがでしょうか。
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