イラストレーターに関するブラウザ検索ニーズに、
「イラストレーター 供給過多」
「イラストレーター 仕事がない」
「イラストレーター 多すぎる」
というのがあります。
実際にイラストレーターが供給過多であることを示すデータを見つけることはできませんでしたが、興味深い数字があります。
クリエイターがブースを出し、企業との商談を行う「クリエイターEXPO」というイベントがあります。
2020年はイラストレーターの出展数は211ブース、一方で、作家・ライターは19ブースでした。また、2019年は、イラストレーターの出展数は289ブース、作家・ライターはたったの19名。
当イベントのブースは、デザイナー、漫画家、サウドクリエイターなどよりも、イラストレーターのブースが圧倒的に多く、イラストレーターのブースは1年前からの販売で即完状態となります。
上記のような現実の他にも、どうやらイラストレーターの供給過多を肌で感じている人は少なくないようです。
では、ここで問題ですが、ライバルが多いイラストレーターの中から、大きく前に抜きんで行くにはどうすれば良いでしょうか?
そこで今回は、食えるイラストレーターになる方法を掘り下げていきたいと思います。
そもそも食えないイラストレーターとは?
特徴1:薄利多売で稼ぎを上げることに対して、スピード勝負のマインドになっている
食えるイラストレーターになるには、食えないイラストレーターにならないようになれば良いわけです。
ですから、まず食えないイラストレーターに陥ってしまう人は、どのような状況になるかを考えてみましょう。
2018年12月~2019年1月に掛けて株式会社 MUGENUPが2661人のイラストレーター行ったアンケートによると、イラストレーターの不安では、「どうすれば、作業スピードを上げ効率よく制作ができるのか 」が52.1%と第1位、「どうすれば、新規案件のお仕事を獲得できるのか?」が38.4%と、第2位となっています。
このアンケートで驚きだったのは、イラストレーターの不安に「制作スピード」がぶっちぎりの上位を占めているというものです。
そして、新規案件獲得への不安も見られます。
これらの2つの不安が重なるケースをイメージすると、薄利多売の仕事ばかりを受けて、自分で適度なスピード感で作業できる価格帯で新規開拓できず、とにかくスピードにこだわって稼ぎを増やしていこうマインドになっている、ということが浮かんできます。
特徴2:自身のイラストクリエイティブでクライアントを成功へ導くというマインドが足りない
単にイラストが描けるだけである場合、そのイラスト制作能力は、かなり受け身なものになっています。
例えば、顧客のニーズとマーケットを刷り合わせてアイデアを出したり、デザイン思考を組み合わせてイラストを提案したりするディレクション能力があれば、イラストレーターとしての食い扶持は自然に増えます。
イラストを受け身になって描くだけなのか、自身のイラストクリエイティブを通じてクライアントを成功へ導くのか、この2つには大きな差があります。
もちろん、単に絵を描くことが好きで、絵を描くことだけにコミットしたいということは悪くありません。
しかしながら、自身のイラストクリエイティブでクライアントを成功へ導くというマインドで実績を積み上げれば、「●●さんの自由で描きたいイラストを描いて下さい」というオファーも次第に増えてくるでしょう。
イラストレーターの度量を大きくすることが、巡りめぐって、自分の自由なスタイルの実現に繋がっていくのです。
食えるイラストレーターになる方法
方法1:クリエイティブをクロススキルさせる
商業的な側面で言えば、イラストというのは、多くの場合何かのクリエイティブスキルと統合的にアウトプットされて価値を持つことが多いです。
セリフ、ストーリー、デザインなどと組み合わされて価値を持ちます。
ですから、ライティングができるイラストレーターさんは、それだけ大きな価値を持ちます。
イラストが掛けてライティングできる人にコラムをお願いするとなると、両方ができる人に頼むしかありません。それは明らかにハイスキルな仕事だと認知できるため、ギャラも高まります。
所感なのですが、クリエイティブに詳しくない企業がよく驚かれるのが、「イラストレーターがデザインをできない」という事実です。イラストレーターとデザイナーはまったく別ものなのですが、素人からすれば、イラストレーターはデザイン能力を備えているとイメージしている人が多いように艦居ます。
例えば、名刺を発注したい、Webサイトを作ってほしい、リーフレットを制作したい、こういったケースで当然「イラストを使ったものが作りたい」というニーズは多いわけです。
発注慣れしてない企業からすれば、誰か一人の制作者に丸投げするのが楽なのです。制作発注で常に代理店を介すような企業でなければ、経営者や担当者の中には、ディレクターが間に入ることが逆にややこしく感じるケースもかなり存在します。
だからこそ、イラストレーターとデザインスキルの掛け算はかなり強力になると言えます。
方法3:多様な案件の中でマーケティング感覚を上積みする
クリエイティブスキルを掛け算していけば、より多様な案件に触れることができます。
例えば、ランディングページの制作案件の中に、イラストを使ったセクションを作り、説明するというものです。
ライティングやデザインのスキルがあれば、ディレクターと打ち合わせに同行するなどということも生まれるでしょう。
その際に、ラインディングページがどうやったら売れるのか、過去にはどのようなことをして成功した例があるのか、そういったことを聞いていくのです。
多様な案件の中で、マーケティングにおける手法例や成功例、はたまた失敗例などを吸収していくと、自身のマーケティング感覚が自然に身についていきます。
実際の声を聴くことで、肌感覚としてのマーケティングセンスがより適切に身につくのです。
すると、クライアントと接した際に、あなたは自然に提案やアイデアを出しやすいマインドになっていきます。その結果、あなたが自身のビジネスパフォーマンスを総合的に高めるようなチャレンジングな仕事をする機会も増えていくでしょう。
最後に:相手や他の分野の感性や感覚を楽しめるイラストレーターになろう
供給がどんなに増えようが、需要を満たす大きな力があれば、常に稼ぎ続けることができる
以上、イラストレーターが供給過多時代を生き抜く方法について、本サイトなりに提案をしてきました。
今回の記事で分かったことは、イラストレーターが自身のイラストクリエイティブの価値を高めるには、単にイラストを描く能力を高めるよりも、イラストが価値を持つ際に付随するその他のスキルをセットするということです。
アイデアプランニング、ヒアリング、ディレクション、ライティング、デザイン、マーケティング、エンジニアリングetc…
稼ぐためにやり切れることは無限大ですね。
イラストだけを描かないキャリアパスを描くことが、回りまわって自分の好きなスタイルで好きなテイストのイラストを描くことに繋がっていきます。ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください。