プレスリリースの書き方とは? 構成と書き方のコツも解説!
プレスリリースとは、報道機関(メディア)に対する情報の提供・告知・発表のことです。新しい商品やサービス、もしくはイベントの開催などを世の中に発信するため、文章を発表します。 インターネット普及以前のプレスリリースは、ファクシミリ通信や郵便、文書の直接配布、記者会見によって行われていました。そのためプレスリリースの多くは報道機関を対象にしたものでしたが、インターネットが普及し、スマートフォンやSNSが発達したことによって一般の人もプレスリリースを目にする機会が増えました。 そんなプレスリリースはどのような文章で、どのような手順で執筆されているのでしょうか? この記事では、「ニュースになる」プレスリリースを書くための、基本的な文章構成や書き方のコツとともに詳細に解説します。
プレスリリースを書く目的とは?
例えば、企業が新商品を発売しても、人々がそのことを知らなければ商品は売れません。現代にはテレビやインターネット、SNSなどさまざまな宣伝ツールがありますが、それらメディア上で取り上げられなければ、せっかくの良い商品もいつまでも人々に知られることはありません。 もちろん宣伝をしなくても口コミだけで広がる人気商品もありますが、多くの流行にはメディアが関わっています。商品が認知され、市場に受け入れられる過程では、メディアの力が重要です。私たちが日ごろよく目にする新商品などのニュースは、ほとんどの場合プレスリリースが情報源になっています。 メディア側に「この商品は売れるから、ニュースとして取り上げよう!」と思わせることは、その後の商品宣伝の是非に大いにかかわってくるのです。プレスリリースは「自社の情報を世の中に広く知らしめる」だけでなく「ステークホルダーとの関係をつくる」ためにも大切なことなのです。
プレスリリースの書き方
以上のことからプレスリリースは、メディアに「ニュースとして取り上げたい!」と思わせるようなものでなければいけません。効果的なプレスリリースを書くためには、以下にご紹介する5点を基礎的な構成要素として書くと、興味をひきやすく、分かりやすいものになります。 ここからは、プレスリリースの具体的な書き方のコツについて、詳しく解説します。
タイトルの設定
記事の冒頭に位置するタイトルは、そのプレスリリースの「結論」に該当するものです。タイトルはできる限り分かりやすくして、記事の意図がしっかりと伝わることが重要です。また、タイトルを見ただけで「このプレスリリースを読みたい!」と思われるような、読み手の興味・関心に訴えかけるものが良いです。だからと言って誇張しすぎたり誇大表現を使うのは問題です。タイトルは具体的に且つ端的に書きましょう。なお、形容詞を使った表現よりは、数字やデータを根拠とした表現を使うほうがインパクトや具体性を表わせます。 また、宣伝チラシのようなキャッチコピー的表現を避けるため、「!」や「!?」といった感嘆符・疑問符を使った表現は控え、一目みて分かる分量「30文字程度」を目安にタイトルを設定しましょう。
リード文の執筆
リード文は、プレスリリース本文の内容を大まかにまとめた文章のことです。本文を読めば内容はわかるのだからリード文は手を抜いても問題ないと思われるかもしれませんが、実はタイトルと同じようにとても重要です。リード文は映画で言うならば予告編にあたります。予告編でワクワクして内容が気になれば、本編の映画も見てみようという気になります。リード文の執筆のポイントは、「素早く読める分量」と「分かりやすい内容」になっていることです。「主語(誰が)」と「述語(何をするか)」を明確にした上で、後ほど詳しく紹介する「5W4H」を意識して書きましょう。リード文単体で伝えたい内容やニュース性、商材の魅力などが読み手に分かるように根拠を含めて簡潔に文章にまとめます。リード文の文字数はおよそ250~300文字を目安にすると良いでしょう。 タイトルの直下の文章であるため、読み手の「このまま読み進める価値があるか」の判断を大きく左右し、タイトルとリード文がプレスリリース自体の完成度の80%を担うとも言われています。
本文の執筆
本文は、文章を短く簡潔にまとめる必要はなく、伝えたい情報を全て盛り込むことができる部分です。しかし、情報をあれもこれもと詰め込むだけでは文章が長くなるだけで、読み手を疲れさせ、せっかくの内容も頭に残らないでしょう。本文では情報を整理して、読み手側の目線に立った文章にすることが望まれます。 後ほど紹介する「社会的背景」や「5W4H」などを意識して、メディアの担当者だけでなく、その向こうにいる消費者までを意識した文章になると良いです。
画像の選定・掲載
画像を掲載することで情報量を充実させることができます。文字だけでは伝わりにくい情報でも、画像を使えば読み手がイメージしやすいため、プレスリリースには最低でも1枚は画像を掲載することが望ましいとされています。なお、写真を掲載する箇所は、タイトル直下付近が最も効果的です。画像は「報道で使いやすい写真」且つ「画になる写真」を選ぶことが重要です。良い写真は各メディアの担当者がニュースとして採り上げるかどうかの判断材料にもなります。
問い合わせ先の明記
プレスリリースの内容に興味を持ったメディアの担当者がいつでも問い合わせできるように、企業情報や問い合わせ先(会社名・住所・メールアドレス・電話番号・担当者の氏名)は必ず記載します。プレスリリースが記者の心に残ったとしても、適切な問い合わせ先がないとその先の取材に進むことができず、ニュースになる機会を逃してしまいます。また、問い合わせ先の電話番号は固定電話だけでなく、携帯電話番号も明記しておくと親切です。企業情報やお問い合わせ先については、最後にまとめておくか別紙に添付する形を取りましょう。
良いプレスリリースを書くための3つのコツ
メディアの目に留まるような良いプレスリリースを書くためには、いくつかのコツがあります。そのなかでもおさえておくと効果的なものを3つご紹介します。
社会的背景を盛り込む
商品情報やイベント情報をそのまま羅列しているだけでは宣伝チラシと変わりありません。その製品が誕生したいきさつや社会的背景などにも言及し、宣伝とは違う「ニュースの素」となることを意識して充実した内容になるようにしましょう。 各メディアには毎日多数のプレスリリース情報が届いています。担当者はその中から視聴者に好まれる記事や報道の必要性のある記事を探し出します。メディアに取り上げられニュースになるためには、「この商品・サービス・イベントは大きな社会的必要性があって生まれた」ということについてアピールが重要です。本文中に社会的背景や多くの人が必要としている理由などをを盛り込むことで、商品・サービス・イベントなどが持つ「社会的意義」が伝わるはずです。
「5W4H」を意識して書く
伝えたい情報を効果的に伝えるためのポイントとして、「5W1H」というものがあります。 Who「誰が」When「いつ」、Where「どこで」、What「何を」、Why「なぜ」、How「どのように」 というものです。 プレスリリースにおいては、これが「5W4H」となります。 量や金額をより詳しく記載する必要があるので記載すべきHow~が増えているのです。
- What「何を」…メインとなる話題
- When「いつ」…商品の販売日や、サービスの開始日時
- Where「どこで」…商品の販売場所、イベントの開催場所など
- Who「誰が」…商品・サービスの販売元となる企業、もしくは団体名
- Why「なぜ」…販売の経緯や社会的背景など
- How「どのように」…商品・サービス、イベントの具体的な概要
- How many「どれだけ」…商品・サービスの量(内容量など)
- How much「いくら」…商品・サービスの販売価格、イベントの参加費用
- How long「どれくらい」…商品・サービスの販売期間、イベントの実施期間
文章では抽象的な表現を控え、5W4Hのポイントをおさえることで、イメージがより鮮明になります。大元の情報源であるプレスリリースには不足情報や曖昧な情報があるのはあまり良いものではありません。発売時期などが未定な時はその旨もきちんと記しましょう。情報をきちんと届ける姿勢は商品だけなく会社としてのイメージアップにも繋がります。情報がすぐ分かる構成になっているほど、忙しくプレスリリースを流し読みしているメディアの担当者の目にも留まりやすいようです。
報道でも使いやすい画像を選ぶ
プレスリリースに掲載した画像は各種メディアで使用されるため、映像・紙面・Webなどあらゆる媒体での使用可能な画像サイズ・解像度・ビジュアルであることが求められます。とりわけビジュアルにおいては、各種メディアが報道する際にイメージを決める要素になるため、画像は消費者の心をつかめるかどうかにも関わってきます。なお、プレスリリース上にメディアが使いやすい画像を掲載することが難しい場合は、掲載した画像とは別の画像をいくつか用意し、ダウンロード可能な状態にすることでユーザービリティの確保に繋がります。
まとめ
この記事では、プレスリリースの基礎となる構成について触れ、その書き方と書き方のコツについてご紹介しました。何気なく読んでいたプレスリリースには、自分たちの商品やサービスを世界に届けたいという想いがこめられています。ご紹介した内容のほかにも、文章の構成や書き方を研究して「ニュースになる」プレスリリースを書いてみてください。
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