スタートアップ企業でありがちな人間関係トラブル
企業活動は、創業期、立ち上げ期から安定感を出せるわけではありません。
最初は先行きが不透明な分、様々な物事が揺れ動きます。
だからこそ、スターアップ企業で、人間関係も不安定な揺れ動きが起こるのも当然です。
そこで今回は、スタートアップで起こりがちな人間関係のトラブルについて、様々なケースを取り上げてみたいと思います。
トラブル1:友人同士で創業して会社が内部崩壊
友人同士で創業し、彼らの仲が険悪になるというのは、スタートアップあるあるでしょう。
これはまったく当たり前で、私的な友人関係と、公的なビジネスパーソンシップは、まったく別ものだからです。
野球をやっていて良い関係を築いたとしても、サッカーで挑戦するなど、競技が変われば、関係も自然に変わっていくでしょう。
友人同士の視点で創業からの夢や導線を描く場合、そもそも、そのイメージの仕方が間違っていません。
友人同士の視点はあくまでもきっかけであり、スタートアップ企業についてイメージする場合は、お互いビジネスパーソンであるという認識を強める必要があります。
個人経営者には、法人と個人の二重人格のようなものがあるように、社会人にも、私人と公人の人格があるわけです。
トラブル2:立ち上げメンバーどうしのノリに気持ち悪さを覚える
友達同士で創業した場合、友人同士のノリをそのまま会社のフィロソフィーに持ち込むスタートアップもあります。
また、立ち上げメンバーの個性が強すぎて、立ち上げメンバーの感性が強く反映された企業体質になっている場合もあるでしょう。
すると、後から入ってきたメンバーは、次第に立ち上げメンバーのノリや気質に嫌悪や居心地の悪さを感じるようになり、人間関係に距離感ができてしまうのです。
トラブル3:経営者のワンマン化によるモチベーション低下
個人事業主や個人経営者としてワンストップで事業を成功した体験をもとに、スタートアップ企業を作るような経営者にありがちなパターンです。
個人事業と違い、社員を雇う企業経営には、人の心を適切に動かす力が求められます。
自分に適性がないと感じる場面では、代役に任せることも重要でしょう。
中途半端にプレイヤーとしての意地があり、中途半端にマネジメントができるようなプライドがあり、社員を強引に扱ってしまうワンマンな行動を取ってしまうと、「どうせ、社長は言っても分からないしなぁ…」と根っこでは諦められてしまう存在になります。
トラブル4:経営者への不信感による影のCEOの誕生
スタートアップ経営者が実は無能な場合、逆に他のデキる社員が他の社員を自然に引っ張り、尊敬され、影のCEOのような存在感になるパターンです。
影のCEO本人が社長に反旗を翻すつもりはなく、社長が無能なため、周囲の社員からの支持に加熱します。
その結果、社長が当人に強く嫉妬する、最終的には会社の軸となっていたにも関わらず追い出してしまう、そういった結果を招くこともあります。
トラブル5:資金調達&リモート化したためにパフォーマンスに緩みが発生
資金調達をしてヘタに余裕が出来てしまったがために、いい意味でのストイックさがなくなり、社員の生産性が下がるというパターンです。
また、社員の生産性評価制度やKPIが明確でない場合、社員が仕事に対してなあなあになり、仕事が雑になってしまいます。
これは資金調達だけでなく、リモート化でも起こりやすいです。スタートアップ企業で、そもそも人間関係が緩いような状況で、リモート化が進むと、自分が企業に所属している感覚があまり得られずに、「別にそこまで気を張ってやらなくても」と、緩慢なパフォーマンスをする習慣が身につくのです。
トラブル6:沸点が低く、方向性が違った際になかなか議論にならない
創業者や上層部の怒りの沸点が低く、指摘や意見に対して、すぐに怒りで返して、なかなか深い議論ならないというケースです。
それでも、創業者が深い指示や意見を出してくるのであれば、それを反映して良いプロダクトやサービスが作れることもありますが、創業者の思考や意見が浅い場合は、事業内容も浅くなってしまいます。
また、怒りの沸点が低い人は、喜びの沸点も浅いため、初対面で出会った人に感激し、すぐに打ち解ける特徴を持っています。
なので、すぐに人は消えては、すぐに人が入るを繰り返し、コミュニティクラッシャーとして、ご近所スタートアップ企業界隈のネタ人物となっていくのです。
トラブル7:創業者の軸が曖昧で、何も進まない
例えば、創業者が「ただ、カッコいいことをしたい!」というようなことだけを想い、実は「事業として取り組みたい興味のある分野などはない」と深層心理で思っているパターンです。
こういう創業者は、「この事業で人生を貫きたいから、この事業に必要なスキルを持った人物を雇う」というジョブ型の採用に徹するはずです。
しかし、軸が曖昧な創業者は「いい人材がいたから、雇う」というメンバーシップ型の雇用をしてしまいます。
結果、事業が固まらないまま、アンバランスなメンバーが集まり、メンバーどうしが連携も取れず、社員が何をすればいいのか路頭に迷うという結果を招いてしまいます。
また、軸のない創業者は、事業内容をコロコロと変え過ぎる傾向にあり、創業者の意向に沿うことに社員が疲れてしまう場合もあります。
最後に:トラブルはチャンス!乗り越えるほどに企業は強くなっていく
以上、スタートアップ企業でありがちな人間関係トラブルについて掘り下げてきました。
今回の記事で紹介した以外にも、スタートアップ企業には多種多様な問題が日々起こっているでしょう。
事業が素晴らしくとも、それを推進させるのは、中の人。そして、中の人どうしの連携が掛け算となり、事業の展開が素晴らしいものになっていくのです。
つまり、トラブルはチャンスです。向き合って対処できれば、以後は、社員どうしの掛け算が発火しやすくなるわけです。
そうやって、どんどんトラブルに前向きになり、本質的に向き合うことができれば、スタートアップ企業の経営は強固になるでしょう。
ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください。
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