採用ブランディングと言えば、お洒落な採用特設サイトを作り、イメージを訴求するようなことを想像しませんか?
しかし、部分的に採用メディアをスタイリッシュに作り込んで発信しただけでは逆効果になる場合があります。その結果、コストだけが積もり積もって、採用は失敗に終わるでしょう。
そこで今回は採用ブランディングのコツ、効果を出す採用ブランディングの秘訣について掘り下げていきたいと思います。
コツ1:採用ニーズに対して訴求する採用ブランディングを行う
採用ブランディングは、あくまでも、自社の採用ニーズに沿って行うこと。
つまりは、「獲得したい人物像」が振り向いてくれるようなブランディングを行うことが大事です。
もっと言ってしまえば、獲得したい人物像以外からは見向きもされなくても良いと覚悟するぐらいが丁度良いのです。
例えば、求めるヒューマンスキルや性格と社風を結び付けて、自社で働いた際にどのような可能性があるのかを伝えるのもそうでしょう。
「こういう性格なら、うちはこういう社風で、こういう活躍ができる」ということをターゲットのみに書くのはブランディングとしてとても良いことです。
ブランディングでは、自社Webサイト、就活サイト、冊子、説明会資料、ノベルティなど、横断的に様々な広報ツールを作っていきます。
その際に、採用ニーズを常に軸に置いていれば、採用ブランディングは全体的にとても一貫性のあるものになります。
コツ2:応募者を特定の場所に回遊させ愛着を強める
採用ブランディングとは、働きたい応募者をうまくエスコートすることでもあります。
応募者が同じ場所に集まれば、その場所のブランディングを強化すれば、ブランディングとしてはスムーズにいきますよね。
また、応募者が何度もリピートして、その場所を訪れたくなるような定期マガジン、情報やコンテンツの更新などがあるとさらに良いと言えるでしょう。
採用特設サイトに自社のアピールをするだけでなく、就職活動全体を支援するようなコンテンツを作ったり、先輩社員がサイト内で相談に回答するものでも良いでしょう。
何度も来訪すれば、会社に対する愛着は高まります。ランディングした目的を果たした後に、より自社について掘り下げてリサーチをしてくれるかもしれません。自社に対する接触がとても多くなり、結果的にブランディングがうまくいくのです。
コツ3:一貫性を持つこと
一貫性を持たせることは、採用ブランディングだけでなく、すべてのブランディングで当たり前中の当たり前です。
しかし、採用ブランディングになると、「自社の内情」とはまるっきり違う張り切り方をしてしまうのです。
採用特設サイトだけ突然変異的な訴求をしていると、それはブランド効果にならず、ただの違和感を与えるのみになってしまいます。
情報や訴求されたものに違和感があると、ただえさえ働いた先でしか実感できないことが多いのに、さらに訳が分からなくなって、「この企業はやめておこう」となるわけです。もしくは、既存の書き込みサイトでネガティブな情報を集めるような作業に力を入れてしまいます。
採用ニーズを意識すれば、一貫性は保たれるはずですが、ブランディングの過程で、「自社の内情」ではなく、「理想の世界」を謳い出してしまうなんてことは珍しくありません。
一貫性という意識は強すぎるぐらいに持ち続けましょう。
コツ4:生の声を生らしく集めること
ブランディングする効果は、採用ターゲットに対して、ワクワク感や期待感を与えることできる点にあります。
実際にどんな仕事でも、光と影がありますよね。派手なことを起こす前には地味な作業もあるわけです。
採用ブランディングというのは、光の部分を応募者が見落とさず理解してもらうことにあると言ってもいいでしょう。
しかし、その過程でよくやりがちなのが、情報をコーティングし過ぎることです。
特に、既存で働く社員の声は、そのまま生の声を届けることがベストです。サイトでデザインを施し過ぎて、文章がポエムになるよりも、シンプルな編集なしのインタビュー動画を掲載したほうが「生の声」として理解しやすいと言えます。
新人社員や中堅社員など、社員の声というのは、応募者にとって何よりもリアルで手に入れたい情報です。生の声自体はブランディングせずに、ブランディングされた媒体に、そのまま入れ込む、そういった感覚が大切です。
また、インタビューとして登場する社員も、やる気にも自社愛にも溢れている社員のみを登場させるよりは、いろんなタイプを登場させるべきです。
コツ5:疑問や疑念を極力減らすこと
集めたブランディング用のメディアやリモートやリアルのイベントなどでは、ターゲットに対して疑問や疑念を残さない点に注意すべきです。
例えば、応募者からよくありがちな質問に対しては、なるべく多く真摯に回答するFAQページを作ると良いでしょう。テキストだけでなく、実際の社員が回答するような動画を添えるとさらに良いでしょう。
イベントでは、単純にプレゼンテーションや説明で終わるのではなく、質問や相談の時間をしっかりと確保することが大切です。
コツ6:採用側の立場に立って言語化する
採用コンテンツを作る際に気を付けるべき点は、採用側の立場に立って言語化するということです。
実際に採用コンテンツを作る際は、外注を取り入れて、外部の人間に俯瞰した立場で見てもらうと言語化がうまくいきます。
仕事に積極的な社員だけを集めてコンテンツを作ると、その社員同士が既に分かっている事を端折って表現してしまうことがあります。
業界の特性や個性が強い場合でしかも未経験者を囲い込む場合などは、特に言語は気を付けたいところです。
コツ7:過去の清算を丁寧に行う
ネットには過去の社員が正直に会社で働いた事実や感想を書くサイトが存在します。
会社で働いた際に、恩義や満足度を感じているのであれば、良い評価をしてくれるでしょう。その会社が良いと判断されることは、自分自身の過去を肯定するからです。
しかし、会社にネガティブな感情が強く残っていると、事実よりもより過激的に低評価を下すかもしれません。その人にとって会社の良い評価が自尊心に繋がらず、むしろ否定したい過去だからです。
こういったことから、ブランディングとは既に様々な整合性を取るべき要素があります。
過去に様々なことがあるのは仕方ないでしょう。
そのため、採用ブランディングでは、改善されていった人事制度や福利厚生などを時系列で説明するなど、「どんどん時代に合わせて良くしたことは事実として明確に伝える」と良いでしょう。
すると、他の書き込みサイトや過去の情報をしっかりと「過去のもの」として捉え、「過去と今は違う」と認識してくれるようになります。
最後に:1つ1つ小さな気遣いが採用ブランディングの威力を大きく変える
以上、採用ブランディングのコツ、効果を出す採用ブランディングの秘訣についてお伝えしてきました。
採用を成功させるブランド作りは、言ってしまえば、1つ1つの小さな部分に疑問を持ち、丁寧に作り込んでいく作業です。
1つ1つの気遣いの集合した際に、採用ブランディングは大きな力を持つようになります。
ブランディングを構成したら、あとはそこへより多くのターゲットが来訪するようなマーケティングも大事になってきますね。
採用ブランディングに心身に向き合えば、情報を構成すること、ターゲットに想定の心地を持ってもらうことに長けていきます。
よりよい採用ブランディングで、より良い人材とたくさん出会っていきたいですね。