新型コロナの影響を含め、これから訪れる先行き不透明なVUCAの時代において、Webライターの職業はどのような需要と将来性があるのでしょうか?
そこで、今回はこれからのWebライターの需要と将来性について掘り下げて解説していきたいと思います。
将来性1:重量級の案件を請け負えるWebライターの将来性は明るい
Webメディアは絞った記事のみを大切に育てる時代へ
Webライターに大量の仕事が舞い込んでいた案件の一つが「ロングテールSEO記事」のライティングです。
スモールキーワードを積み重ねて、「塵も積もれば山となる」ようなPVを稼ぐコンテンツマーケティングのニーズがこれまで多くありました。
しかしながら、時代が進むにつれて、コンテンツとメディアはどんどん増えており、ロングテールSEO記事の費用対効果が悪くなっています。
特に低単価ライターが出せるパフォーマンスが著しく低くなっています。
このことから、これからのWebメディアにおけるコンテンツマーケティングは、
是が非でも、このキーワードで上位表示したいというニーズに対して、数万文字のコンテンツを高品質で作ることができるライターに仕事が集中する
と考えることができます。もしかすると、これまでは1メディア内の1記事のライティングで狙っていたキーワードが、キーワード専用のドメインを作り、そのキーワードに対してとことん掘り下げてライティングすることが必要になってくるかもしれません。
こうなると、ライティングだけでなく、サイトの構成を意識したコンテンツ作りを提案できるライターが必要になります。
もしくは、コンテンツ設計ができるディレクターが、高単価ライターへ転職する流れも考えることができます。
安易なWebライティングの発注が減り、しっかり成果を出すためのWebライティングに企業はコミットしていくでしょう。
将来性2:広告代理店等とのコネクションを持つWebライターの将来性は明るい
資金力に余裕のある企業が独占的にWebライティングに力を注ぐ
SEO記事でのマーケティング施策は、成果が出るまで時間とお金が掛かることから、豊富な予算のある特定企業のみがコミットしていく流れが予測されます。
予算力のある企業からすれば、ライバルにどんどん差を付けることができますし、Webライティングの発注は税金対策としても優れています。
その結果、広告代理店とのコネクションを強めたWebライターの将来性は明るいと言えます。
大手の企業は、源泉徴収の会計処理を嫌がりますし、フリーランスのWebライターと直接契約をすることを避けることもあります。この点は法人化しているライターは有利でしょう。
フリーのWebライターには、広告代理店との関係性も重要になってくるでしょう。
『クリエイターEXPO』のような展示会などで、クリエイターが企業とマッチングできるイベントに積極的に参加していきたいところです。
将来性3:LTVをサポートするWebライティングの将来性は明るい
シナリオメールで結果を出せるWebライターが多くの仕事を手にする
これからますますオンライン完結型のシステムを使った業務のオートメーション化が加速していきます。DX(デジタルトランスフォーメーション)が進めば、CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)で数値をシビアに追うことになります。
このことから、見込み客を獲得するところから、獲得した顧客を再訪させ、再購入を促すといったLTV(顧客生涯価値)を高めていくことになります。
要は、WebライティングもLTV(顧客生涯価値)を高める案件が増えていきます。
【参考記事】LTV(Life Time Value)の意味・重要性を分かりやすく解説
顧客属性ごとにシナリオメールをライティングしたり、購入した商品やサービス別でステップメールをライティングするような案件です。
単に記事を執筆したことがあるWebライターは多くても、シナリオメールやステップメールを作り込んだことのあるWebライターは少ないのではないでしょうか?
何が言いたいかといと、今のうちにシナリオメールやステップメールの制作ポートフォリオを増やすことができれば、Webライターとして未来が明るくなるということです。
自分で商品やサービスを作り、自分のSNSのメディアでLP(シナリオメール登録獲得ページ)へ誘導しテストマーケティングするのも良いでしょう。
正直、無料で登録させるものならページのデザインはシンプルで構いません。ブログの記事内でもメリットを訴求できれば、アイキャッチとなる画像を適宜挿入するだけでも登録を促せます。
自分でリスティング広告を使って、無料登録ページへ誘導して、広告の成果を体感してみるのも良いです。
シナリオメールやステップメールを単に執筆する能力だけでなく、「こうすれば、こういうニーズに対しては、こういう反応が得られる」というのを肌感覚で分かっておくと、クライアントへ自信を持って提案できるようになり、仕事の可能性と将来性はぐっと高まっていきます。
将来性4:Webライティングからデジタルライティングへ
記事に捉われないコンテンツをアウトプットできるWebライターは将来性がかなり明るい
先ほどDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を出しましたが、WebライターもWebのライティングというよりは、デジタル全般に対するライティングへのニーズへシフトしていきます。
例えば、ホワイトペーパー戦略がその最も顕著な例です。ホワイトペーパーとは、無料レポート、無料ノウハウのようなものです。
ホワイトペーパー戦略はマーケティングとしてかなり有用性が高いのですが、企業が自社のリソースで適切な物を作るのは非常に困難です。そして、業界の専門性やリテラシー、自社の知識を理解してライティングできるライターも不足しています。
このように、デジタル戦略を担うために、ライティングとは本来切っても切り離せない要素になっています。
単に記事を書く力ではなく、クライアントのニーズやある分野の専門性への理解力やヒアリング力があり、デジタル戦略に沿ったコンテンツを仕上げる力のあるWebライターへニーズが集中していくことになるでしょう。
将来性5:個人ブランドを持ったWebライターの将来性は明るい
影響力やタレント性を持ったWebライターへ伝える仕事が流れ込む
Webライティングに対する費用対効果の高さを求められるのは言うまでもありません。そのため、Webライターもタレント的な視点で捉えられることが多くなります。
フォロワーや配信リストの多いWebライターは、良いアピール材料になり、将来性は明るいと言えます。
オンラインサロンを含めたコミュニティを持っているWebライターも、コミュニティを持っていることが強みになるでしょう。
個性的なコラムなどのクリエイティブなテキストを求められる案件は、そうした個人ブランドを確立しているライターへ流れていくようになるでしょう。
最後に:Webで書くことで与えられる影響力を高めよう
曖昧に書いて、曖昧に納品するWebライターに将来性はない
以上、Webライターの今後の需要と将来性について掘り下げてきました。SEO上のWebライティングに対するハードルがどんどん上がっているだけでなく、SEO記事の有用性も減ってきている中で、Webライターはより違う手法で、多様な成果を出していく必要があります。
書くことで、企業の価値や成果を高められるWebライターの将来はずっと明るいままなのです。
ぜひ、単なるWeb記事だけのライティングパフォーマンスしか出せていないWebライターは、様々なデジタル戦略に付随するライティングに注目し、自分自身でも実験し、数字や反応を体感しながら、自身の需要や将来性を高めていってみてください。