グラフィックデザイナーの職務経歴書の書き方【文例付き】
グラフィックデザイナーは、主に雑誌や広告など紙面上のものを扱うデザイナー職で、非常に人気の高い職業です。就職活動には履歴書が必須ですが、グラフィックデザイナーの場合、職務経歴書がより重要なポイントになります。
これまでの職歴や制作実績などを記載する職務経歴書はその人の実力を図りやすく、人を採用しようとする企業にとって便利な指標となるためです。
この記事では、グラフィックデザイナーになるため欠かせない職務経歴書の書き方と、理解しておくべきコツをご紹介します。
職務経歴書を作成する際の心構え
ここでは、グラフィックデザイナーが職務経歴書を書く際の心構えを解説します。職務経歴書を作成する際は、企業側が重視する項目に気をつけて書く工夫が必要です。
いずれも内容を具体的に書き、採用担当者がより正確にこちらのスキルを把握できるようにしましょう。
採用担当者が注視する項目は?
採用担当者が特に注目する内容は、主に「これまでの制作実績」「業務内容」「使えるツール」の3種類です。採用担当者は、応募者の制作実績からこれまでどのような仕事をしてきたかを読み取り、担当した業務と使えるツールで何ができるかを判断します。
経験やスキルは細かく具体的に!
職務経歴書を書く際には、制作実績・担当業務・使用ツールの3種はなるべく具体的に書きましょう。制作実績が多い場合は、主要な実績に絞って載せます。担当業務は細かく分けて詳細に記載しましょう。ツールに関しては、Photoshopやillustratorなどの名前だけでなく各ツールのバージョンまで書いておきましょう。
職務経歴書の記載項目
ここでは、グラフィックデザイナーの職務経歴書に書くべき項目と注意点を解説します。
・氏名・住所・連絡先
どんな職種の職務経歴書でも確実に必要な項目です。氏名は振り仮名を忘れず、住所は略さず正確に書きましょう。メールアドレスは公に使用するパソコンのアドレスを記載します。
・要約
経歴や業務内容、スキルなどの内容を大まかにまとめて冒頭に記載します。読む人が先に内容をある程度把握できると全体の理解もより確実になります。
・職務経歴
これまでに勤めてきた企業の名前や所属期間を書きます。企業の詳細や事業内容、社内での評価も記載するとより具体的です。
・業務内容
過去の勤務先で扱った業務内容を具体的に書きます。自分のスキルをアピールする項目のため、正確にたくさん記載しましょう。
・使えるツール
各種デザインソフトやオフィスソフトなど、自分が使用可能なツールを記載します。担当業務と同様にスキルをアピールする項目です。
・これまでの制作実績
制作物や期間、担当した部分を書きます。過去の仕事ぶりや能力を総合的に判断する重要な項目のため、具体的になるべく多く記載しましょう。
・志望動機
職務経歴書の志望動機は、履歴書よりも細かく記載します。これまでの経験や将来の展望も考慮して書くことで、キャリアの一貫性も表現することができます。
・自己PR
過去の勤務経験や習得スキル、入社意欲などをアピールします。デザイナーとしての強みを企業側に詳しくアピールして、自分に興味を持ってもらう必要があります。足りない経験やスキルがあれば、どのように補っていくつもりかもあわせて記載しましょう。
グラフィックデザイナーの職務経歴書文例
グラフィックデザイナーが職務経歴書を書く際に、どのように書くか迷うことが多いと思われる「業務内容」「自己PR」の文例をご紹介します。
業務内容の文例
X年X月X日~X年X月X日 株式会社〇〇
X年X月X日~X年X月X日 ゲーム開発 キャラクターデザイン・コーディングを担当
X年X月X日~X年X月X日 スマートフォンアプリ開発 UI/UXデザイン・コーディングを担当
X年X月X日~X年X月X日 ●●株式会社
X年X月X日~X年X月X日 旅行雑誌制作 デザイン全般を担当
X年X月X日~X年X月X日 パンフレット広告制作 基礎デザイン・部門のマネジメントを担当
自己PRの文例
私は幅広い分野のデザインを扱うことができます。前職・前々職ではスマートフォンアプリのUI/UX、雑誌のデザイン全般、パンフレットの基礎デザインなどを担当して、いずれも高い評価を受けました。また、直接デザインを扱う業務に加えてコーディングやデザイン部門のマネジメントも行っていたため、紙面上以外にもデザインを扱う業務であれば多くの内容を遂行可能です。
クライアントの要望やディレクターの考えを忠実に再現することを重視してきました。また、ユーザーエンドのプロダクトでは、少しでも使いやすく分かりやすいデザイン構成を考えながら設計しています。それまでの業務意識が評価されて、前職で広告制作部門のマネジメントを任されるまでに成長しました。
私はデザインの分野からユーザーの課題を積極的に解決したいと考えています。これまでに幅広いデザインをプロダクトに取り入れてきた貴社であれば、これまでにない新たな視点を得ることができると考えました。貴社での業務を通して、さらにデザインへの理解を深めていけることを願っております。
選考を有利に進めるコツ
自分の作品を企業ごとに適した形でまとめたポートフォリオを作成したり、面接終了後にお礼の手紙やメールを送ったり、選考を少しでも有利に進めたい場合は職務経歴書以外の要素も考える必要があります。ここでは、グラフィックデザイナーとして就職するために選考を有利に進めるコツを2つご紹介します。
応募先の企業に応じたポートフォリオを自主制作する
自分の作品をまとめたポートフォリオは、合否を決めるとても重要な要素です。
ポートフォリオは過去に作った作品をただまとめれば良いというものではありません。提出先の企業ごとに合わせて構成を変える必要があります。
企業は入社希望者が自分たちの役に立つかを考えて採用可否を決めるため、先端技術を重視する企業なら新しい技術を活用したデザイン、落ち着いたデザインが売りの場合は派手過ぎないデザインの作品をポートフォリオの最初に据えると効果的です。次に自分のスキル面をアピールできるデザインを入れて、その後に自分が一番得意なジャンルのデザインを配置しましょう。
企業によっては求人でポートフォリオを必須にしないこともありますが、その場合もポートフォリオは作成するべきです。履歴書や職務経歴書だけでは伝わりづらいスキルや作風などが非常に伝わりやすくなるうえ、ポートフォリオ作成という手間をかけることで入社への意志の強さが伝わり、高評価につながる可能性があります。
(参考記事)クリエイターにとってのポートフォリオとは何か?作り方や制作サービスと共にご紹介
手紙やお礼状で熱意を伝える
面接終了後に手紙やお礼状を出すことが合否に大きく影響することはありませんが、社会人として求められるマナーやコミュニケーション能力があることをアピールできます。企業側に少しでも良い印象を与えることで、同程度の経験や能力を持つライバルと多少の差をつけられるかもしれません。
お礼は手紙、もしくはメールを利用します。お礼文を書く際は「敬語を正しく使う」「貴社や様の使い方に気をつける」「最後に自分の連絡先を付ける」などの点に注意が必要です。これらに誤りがあるとマナーやコミュニケーション能力のアピールにならず、お礼状が逆効果になる恐れもあります。
お礼状を送る際、特にメールの場合は面接当日中に行いましょう。翌日以降では入社への熱意が薄まり、採用担当者や企業に好印象を与えづらくなってしまいます。面接終了後、帰宅してすぐ送ることをおすすめします。
まとめ
グラフィックデザイナーにおける職務経歴書の書き方や、そのほかの選考を有利にするコツについて説明しました。
グラフィックデザイナーは各種デザイナー職の中でも人気が高く、就職を考えるうえでライバルが多くなります。企業に自分の実力を高く評価してもらい目標の会社に入社するため、職務経歴書やポートフォリオなどのより良い作成方法を理解しておきましょう。
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