会議で社員がなかなか意見を出せない…いつも一部の社員だけが意見を出すような会議になってしまっている…
そんな悩みを抱えている企業も少なくありません。
そこで、今回は会議で意見をより引き出す10のテクニックをお伝えしていきます。
テクニック1:相違こそに価値があるという雰囲気を作る
意見を言いたくなるのは、自分が踏み込み余地があると考えるからです。自分が踏み込み余地はしばしば現状との相違を唱える時です。
相違を気持ちよく言えるというムードは、意見を引き出すことに大いに直結するのです。
ですから、司会者や進行役は「相違」に注目し、全体の相違を楽しみながら会議を進めていくことで、参加者がよりアクティブに意見を出すようになります。
テクニック2:簡単な質問から掘り下げていく
いきなり意見を求めるのではなく、簡単に答えられる質問を小刻みに入れていき、相手が「この場で自分の口から物事を発すること」が自然な感覚になるようにしていきます。
相手が最も答えやすい簡単な質問は、「価値観」を尋ねることです。好き・嫌い・楽しい・悲しいなどの感情に付随する価値観を尋ねると良いです。しかも、それは会議の本筋の内容に沿っている必要はありません。
価値観を引き出すことは、自己開示効果を高めることにも繋がり、参加者は意見を出しやすくなります。
テクニック3:会議の初めにヒアリングシートを記入させる
いきなり意見を言うことが苦手な社員やクライアントもいるでしょう。そのため、会議の初め、もしくは事前に簡単に答えられるヒアリングシートを記入し、それを発表させていくと、参加者全体がアクティブに意見を出しやすいムードになります。
テクニック4:動きや変化を加える
会議をスタンディングワークで行う人も増えてきています。立って会議をすることで、座って行う会議より時間が34パーセント短縮でき、会議決定の質は下がらないという研究結果も存在します
立ち会議は、座ったままのときより、明らかに意欲的に取り組み、縄張り意識も低いという研究もありますが、それは単純に身体運動が増えるからです。身体運動が増えれば、認知機能が高まります。
また、会議でトピックに対していきなり意見を求める前に、席をシャッフルさせ、任意の2人で話し合って意見をまとめるという流れを作るのも良いでしょう。2人にまとめられると自然に会話が発生します。シャッフルを2度以上すると、複数人との会話が発生するので、コミュニティに深く携わっている感覚が得られ、「自分自身が自律的に参加して良い」という気持ちが高まります。
テクニック5:ニュートラルに翻訳してから意見を尋ねる
参加者どうしの人間関係もあり、誰かの意見に直接的な意見を重ねることに遠慮がちになる人もいるでしょう。
そんな時は、誰かが出した意見をいったん進行役が受け止めて翻訳します。その翻訳した意見に対して、違う誰かに意見を求めると、意見を出した人を直接的に反論や物言いしている感覚が削がれるので意見がより出しやすくなります。
テクニック6:立場を先に指定して意見を促す
ディベート的なアクションを取ることで、相手の意見を引き出しやすくなります。「もしも、鈴木が〇〇の立場になったとしたら、このプランAについてはどう評価する?」といった具合に、置かれた立場を指定して、意見を引き出すのです。
あくまでもIF(もしも)であり、意見を聞かれた人は、「あくまでもこれは設定だから」と強気になり、自分の思っていることをスムーズに吐きだしてくれやすくなります。
テクニック7:適切なボリュームの判断材料を提示する
何かしら思うことがあるから意見するのであって、何かを想うことができなければ、意見は自然に出てこなくなります。
そのため、会議は意見交換の場だけでなく、適切なボリュームの情報に触れる場でもなければいけません。資料などで多過ぎずに、その場でも分かりやすい判断材料となるものを用意しましょう。
意見を言うことにかなり億劫な社員に対しては、その情報を音読してもらうといったところから習慣づけてみると良いです。
テクニック8:主張ではなく疑問や質問を促す
はっきりとした主張を述べるだけが会議ではありません。会議は気づきの広げ、その気付きからより質の高い決定を下すことが求められます。
だからこそ、多くの人が寄り添い、文殊の知恵となる必要があるのです。
ですから、強い意志のある意見だけでなく、単なる疑問や質問がわざと参加者から出るように、会議を戦略的に組んでいくことも、テクニックの一つになります。
適切な「ツッコミどころ」をあえて作るようにしてみて下さい。
テクニック9:回答例を示す
会議では「こんな回答でもオッケー」というものを示すのもテクニックの一つです。特にブレインストーミングのようなひたすらアイデアをアウトプットするものは、「こんなんでもいいんだ!」という例があると、サクサクと意見を書き出せるようになります。
アイデアを出すことへの罪悪感をなくすことができれば、その人はよりクリエイティブなアイデアを出すことができるようになります。
テクニック10:最後に所感を述べさせる
これからも会議が度々行われることを考えると、社員は一回の会議を通して成長してもらう必要があります。
そこで、会議の最後に簡単な感想を述べさせましょう。簡単な感想を一言もらうだけで構いません。「様々なことを言ってもいい」ということに慣れさせていけば、会議をこなす度に、意見を唱えてくれやすくなります。
最後に:1人の創造的で主体的な意見はとても貴重
以上、会議で意見を引き出す10のテクニックについて解説してきました。会議に参加する一人が創造的で主体的に意見を出してくれば、会議の質はかなり高まっていきます。
仕事のできる限られた少数のメンバーの出す意見よりも、平均的な力を持った社員が活発になって出した多数の意見のほうが、質が高くなることはとても多くなります。
アイデアや意見がちゃんとした「集合知」として成立したときのパワーは絶大です。ぜひ、会議で多くの人から意見を引き出せるようになりましょう。