若手Webクリエイター必見!Webディレクターのやりがいにせまる!【インタビューVol.2】
前回の記事「 Web開発クリエイターに捧ぐ!キャリアップでWebディレクターになる方法とは!【インタビューVol.1】」では現役のWebディレクターにインタビューし、Webディレクターになるための具体的な方法を解説しました。
今回はWebディレクターがどんな仕事をしているのか?Webディレクターの仕事の魅力、つらいところなど、UI/UXデザイナーの人物像の業務の詳細について詳しく聞くことができました。キャリアアップを目指す若手クリエイターの方々はぜひ参考にしてみてください!
どんな仕事?1日の内、何をしている?
仕事はサイト・サービスのチェックからスタートします。Google アナリティクスを使ってアクセス解析をしています。CVR(コンバージョン率、Webサイトにおける目標達成割合)、直帰率(訪問者がすぐに他のWebサイトへ移動した割合)、PV(ページビュー、Webサイト内のページ閲覧回数)、UU(ユニークユーザー、何度も同じでページを訪問しているユーザー)、などポイントを絞ってチェックをし、大きな動きがないかを気を使って見ています。
▼参考記事
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はじめてのGoogle Analytics 概要編
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はじめてのGoogle Analytics カスタム編
次にクライアントとの打ち合わせが入ることが多いです。ページの変更、情報追加などが要請されますので、きちんとヒアリングを行い「要件定義」をします。要件定義はこの後に行う開発チーム・デザインチームとの打ち合わせでクライアントの意向を誤解なくチームに伝えるために具体的な内容になるよう気をつけて打ち合わせをしています。時には営業や制作スタッフにも打ち合わせに参加してもらいます。WebサービスはWebディレクターひとりで作るのではなく、クライアントと協力してプロジェクト達成を目指したいので、共通意識の確認の意味もあります。
打ち合わせが終わったらサービスの改修要件や指示書をとりまとめるディレクション業務に取り掛かります。デザイナーやエンジニアにディレクターである私の意見を明確に伝える必要があるので、集中力を使って行います。担当への指示はなるべく午前中に届けるようにしています。プロジェクトの進行状況をスムーズにするためですが、担当者が問題点を見つけてくれた場合にその日にはフィードバックをもらえるというメリットがあるからです。
時間が空いたらこまめにGoogle アナリティクスでアクセスをチェックしています。面倒で地味な仕事なのですが、データはこまめに見るように癖付けています。ほんの小さなデータから読み取れるユーザーの意向を漏らさずに把握するためなるべく頻繁にチェックしています。アクセス解析はディレクションの「根拠」にあたる部分なので、クライアント、制作スタッフ、営業への指示出しが明確になるともに、売上やCVRに直結してくるので地道に、確実に結果を出せるようにこまめに行います。
アクセス解析やユーザーの意見から施策提案の資料作りを行います。Webディレクターの施策の企画力は非常に大事な要素だと思っています。デザイナー・エンジニアらプロジェクトに携わるメンバーに意見を求める事は非常に大事だと感じています。デザイナーやエンジニアのクリエイティビィティがプロジェクトを思いがけず良い方向にドライブしてくれることがあるからです。
Webディレクターの仕事の魅力は?
Webディレクターの仕事の魅力はクライアント、制作チームと協力してサービスがリリースされた時の喜びですね。Webサイトの場合24時間365日、世界中で誰でも閲覧できるメディアです。アクセス解析でユーザーの声を拾いあげて、ユーザーに向けて施策を行い、さらにユーザーの反応を見て施策を改善して、を延々と繰り返してCVRを上げていくのがWebディレクターの仕事の面白いところだと感じています。
Webサービスをとおしてユーザーの反応が見える点は特に魅力を感じているポイントです。前回お話した「数字を追いかけるのが好きな人がWebディレクター向き」につながりますが、CVRをあげていくために、LP(ランディングページ、検索エンジン、広告を通して訪問者が最初にアクセスするページ)の動線設計を見直したり、ABテストを実施したりといった施策を解析したデータを基に行い、うまくPDCAサイクルが回って結果が出た時はディレクターとしてのやりがいを感じます。
うまくCVRを獲得できてクライアントと喜びを分かちあえることはWebディレクターとして大きな手応えを感じる時です。エンジニアの頃は指示通りに開発していくだけで、面白いことを作り上げている感触が薄いなと感じていました。Webディレクターの仕事はとてもクリエイティブな仕事であると共に、クライアントと共にサービスを作り上げる事が醍醐味のひとつです。
魅力的なWebサービスを構築するためには、多くの人と関わらないといけません。決して一人では作ることができないので、人との関わりは大事ですし、その関わりが自分を成長させてくれていると思っています。例えば、指示ひとつ出すにしても制作する側が作業しやすいような指示書や資料を作れるように工夫するようになれました。すると、上がってきたものが良くなっていて、それもまたとても嬉しいですね。
マーケティングや戦略を効率的に進めていくインバウンドマーケティング(ソーシャルメディアなどを使って商品やサービスのLPに辿り着かせる手法)が活発になっているので、Webビジネスの今後についても深く学ばなければなりません。そのためには広い視野をもって自分から積極的に最新情報を探すのですが、エンジニアの頃よりもすごく視野が広がったな、と実感しています。普段のネットサーフィンもすごく見方がかわりました。Webディレクターとしての視線ではない、一ユーザーとして夢中で見てしまうようなサイトはすごく勉強になります。
Webディレクターの仕事のつらいところ
Webディレクターの業務で一番つらいと感じる時は、クライアントや制作チームと上手く噛み合っていない時です。クライアントワークでは一度合意した要件をひっくり返すような仕様変更を要求される事もありました。サービス・プロジェクトに対する熱量のずれがあり、クライアントの方針と目指すべきディレクションがマッチングしないときは落とし所を決めるのがとても難しいです。熱量やモチベーションのずれ以外にも、クライアントと私の持っている前提知識が違う事も同様に方針を巡る打ち合わせに時間を要してしまいます。
もちろん意識共有のずれは製作側でも起こります。例えば、エンジニアの方は技術へのこだわりが強いのでコーディングが業務の「目的」になってしまうことがあります。コーディングに集中しすぎてしまっている時は、「私達はコードを通してビジネスを作っているのだよ」と声をかけるようにしています。プロジェクトの企画意図、優先度をプロジェクトスタート時にすぐ共有できていると、エンジニアの方は上手く機能してくれる印象です。
エンジニアだけではなくWebデザイナーも技術職として強いこだわりをもっています。技術のこだわりはとても大切ですが、ビジネスとして見た時に「今はそれじゃないんだよなぁ」と思う時があります。そして、クライアントも立ち上げたプロジェクトを成功させるため時に一生懸命になりすぎて、プロジェクトの終着駅へのレールから外れてしまうことがあります。
Webディレクターの仕事の本領はプロジェクトの企画意図を誤解なくにユーザーに届けることです。ですので、クライアントや制作チームの目的の「軸」がずれ始めたときこそ、ディレクターとしての踏ん張りどころだと思っています。Webサービス・プロジェクトはAIが勝手に作ってくれるのではなく、人と人の仕事が重なって完成します。結局の所日々のコミュニケーションがプロジェクトを成功に導くポイントになっています。
もうひとつ、つらい体験ではないですが、自分の施策の数字が結果を伴っていないときはとても悔しいです。解決策は、打ち出した施策がなぜ伸びなかったのかを分析して、どんどん次の施策を試していくしかないです。ただ、Googleアナリティクスだけに集中するのではなく、競合しているサービスの分析やマーケットリサーチの結果が重要な答えだった事がありました。俯瞰的にビジネスを見渡さないと、数字の取り違えをおこしてしまうので、分析・解析は慎重に行っています。
まとめ
いかがでしたか?エンジニアからWebディレクターにキャリアチェンジされたので、毎日ディスプレイに映るコードとにらめっこ!と思っていましたが、どうやら違ったようですね。
お話を聞いているとWebディレクターはクリエイティブ一辺倒な仕事と思いきや、ビジネス的思考でサービスに向き合う場面の方が多いようです。
次回の記事では「Webディレクターの将来性」についてお届けします!クリエイティブ思考だけでなく、ビジネス思考も獲得してキャリアアップしたい方は必見の内容です!
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