編集の仕事とは?編集の仕事の内容・未経験からのなり方について
編集の仕事とは?
編集とは「コンテンツを取りまとめ、さらなるブラッシュアップを促す」仕事です。媒体で言えば、テレビ、書籍(雑誌・小説・漫画・単行本)、Webメディア、SNS(Instagram、Twitter、YouTube)、その他の広告媒体で幅広く存在する仕事です。
編集の仕事する人は「編集者」と呼ばれますが、編集の仕事が業務の一つとして置かれている場合は、違う肩書を名乗ることもあります。例えば、オウンドメディアでは、コンテンツプロデューサーという肩書きで、編集の仕事も抱えているということもあります。
編集の仕事における2つの軸
編集の仕事、編集者には2つの大きな軸があります。1つ目は、メディア、作品、広告物の中に広範囲なコンテンツが散りばめられ、その見せ方に大きな影響力がある場合です。例えば、雑誌がそうです。雑誌は雑多な情報をどのように配置するか、また、誌面をどのように作り、前後関係をどのように繋げるかで、コンテンツの魅力があまりにも変わってしまいます。だから、雑誌の編集長という肩書は権威があるわけです。
さて、もう一つが主役となる著者をエスコートする縁の下の力持ち的な編集です。著者の力を引き出しながらも、求められた結果を残すために、作品や商品を折衷していきます。
編集の語源に注目してみましょう。編集は「編む・集める」と書きますが、キュレーションすること自体が立派な編集として機能することも少なくありません。一見、無価値と思われるものたちを寄せ集めて、切り口を変えて表現するだけで、大きな価値へ変えていくのも編集の仕事です。
例えば、シリーズ累計でミリオンセラーを超えている「人生はニャンとかなる!」(株式会社文響社)は、猫の画像をふんだんに使って、偉人の格言やエピソードを散りばめた自己啓発本になっていますが、画像はフォトストックサイトのフリー画像です。偉人の格言やエピソードも既に出尽くされたものです。しかし、両者を組み合わせて読後感を心地よい編集にしたことで、書籍は大ヒット。猫ブームの流れがあったこともヒットに背中を押したと言えます。
編集者の仕事内容
では、より具体的に編集の仕事内容を見ていきましょう。編集は大きく分けると、以下のような仕事内容があります。
1.企画を練る
2.企画を通す
3.人材を確保する
4.コンテンツ制作の指示をする
5.コンテンツをチェックする
6.納品物に仕上げる
7.プロモーションの施策
8.他のメディアとの連携
9.発信後のフォロー
10.発信後の分析
編集者はコンテンツそのものをつくり上げるだけでなく、コンテンツに付随するあらゆることを網羅する雑務作業も非常に多いです。
非常にクリエイティブな仕事でありながらも、チェック項目が多く地味で労を要する作業もとても多く、全体的にハードワークと言えます。
編集者に向いてる人
編集に向いている人は「一歩引いた俯瞰力に優れ、こだわれる人」です。編集者は著者ではありません。編集者が持っているのはあくまで編集の権限です。自分が主役でクリエイティブなアウトプットをやっていきたい人は、編集の仕事が辛くなる傾向にあります。
編集の腕の見せ所は、クリエイティブ担当がアウトプットしたものを素材とし、取りまとめたり、改変したり、交渉したりしながら、完成へと導くことです。
仕事の内容も雑多で、突如のアクシデントで仕事量がいきなり増えることもしばしばです。毎日同じ事を同じ時間だけやることに心地よさを感じる人よりも、毎日違いのあることを主体的によりハードにやっていきたいというバリバリな人のほうが向いています。
しかしながら、納期に追われないようなメディアやコンテンツ制作というのもあります。特にストック型のWebメディアの場合、早く作ることよりも、時間を掛けて丁寧に作ることで長期的な資産となるため、編集もマスメディアと比べて余裕を持つことができる場合があります。
編集者になるには
編集者を職業として行う場合、ほとんどの企業が中小企業になるかと思います。例えば、出版社の場合、大手と呼ばれる出版社は集英社、小学館、講談社の三社しかありません。
「大手の小説の編者者」や「有名漫画家の編集者」といった場合、一度でも何かの編集者を経験し、枠が空くのを待つしかありません。もしくは、ビジネスコミュニティを開拓し、人脈を広げるという方法もあります。
現在であれば、Webメディアの編集者は非常になりやすいと言えます。また、会社単位でメディアを内製化する時代になってきているため、企業内のメディアの編集者になることも可能です。
未経験から編集者になる方法
編集媒体や編集コンテンツを選り好みしなければ、編集者は未経験からなることは難しくないと感じています。
アルバイトをしたほうが、業界に明るくなり、そこから社員になりやすいという業界も存在します。
ビジネススキルとしては、雑務を同時遂行する力、業界リテラシー、コンテンツ制作リテラシーの3つが求められます。
その中でもマルチタスキング的な能力は、未経験でも鍛えられると言えますし、業界リテラシーも業界に入ってしまえば、自然に備わります。
そう考えると、コンテンツ制作を経験し、自分でアウトプットしてみる経験というのが、未経験者が編集に近づくコツなのではないかと感じます。
例えば、雑誌の編集者になりたいなら、一度ライターになって、個人ブログでアウトプットしてるといった感じです。動画メディアの編集者になりたいなら、Premiere Proで動画を作り、Youtubeにアップするといった感じです。コンテンツを実際に作り、人前へアウトプットし、反応を感じることで、コンテンツリテラシーは高まっていきます。媒体やコンテンツによっては、編者者が実際に制作しなければいけないこともあります。
編集は高度化していく時代を生き抜く技術
編集者の仕事の魅力で言えば、コンテンツの創作に関わる素晴らしい人材に出会えるということです。人脈という面でも、編集者の仕事は魅力があります。
また、今の世の中はシステムやツールや素材はあまりにも溢れています。あまりにも溢れすぎているため、それらを咀嚼し、改変することすらも能力になっています。
編集する技術は、クリエイティブな業界だけでなく、すべてのビジネスで求められているのです。
編集の仕事を極めることは、時代にマッチした生き方を極めることでもあります。ぜひ、編集者になりたい方は、編集の世界へ飛び込んでみてください。
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