良いWebデザインとは?クライアントが求めるWebデザインについて
この記事では、ホワイトスペースが広いだとか、コンバージョン率が高いボタンデザインだとか、そういった「細かいデザイン」ではなく、もっと広い意味での「クライアントが求めるWebデザイン」について掘り下げました。
さて、皆さんは「良いWebデザインとは?」と聞かれたどうお答えしますか?今回は、以下のようなアイデアをお届けしたいと思います。
時代に左右されづらいWebデザイン
Webデザインというのは、その都度トレンドがありますが、「サイトの耐用年数」ということを考えると、そのトレンドはとても短いように感じます。
例えば、「老舗」と言われる実店舗が数年でころころ内装や外装をリニューアルするのは大変ですよね。
サイトもできることから、なるべく変更せずに、長い期間使えるほうが、あらゆるコストをクライアントが抱えずに済みます。
案件というのは「点」での達成を考えれば、その場はしのげるかもしれませんが、「線」で捉えてこそ、持続的な満足度を得られます。
もしかすると、「長い期間サイトをリニューアルする必要がない」というのが、あなたの功績だとクライアントは感じることはないかもれません。それぐらい、サイトが時代に左右にされずにクライアントに自然に馴染むのは、制作者冥利に尽きるでしょう。
クライアントの軸となる情報が正しく網羅されたWebデザイン
先ほど述べた「時代に左右されづらいWebデザイン」にも繋がってくる部分です。
デザインとは「人にあるメッセージを伝えるために設計する」ことがほとんどだと思います。
特にコーポレートサイトや商品やサービスの販売サイトでは、情報の設計が重要になります。
一度、情報がきちんと設計されたサイトを作った企業は、今後、変化があった際も、その情報設計を軸にサイトをマイナーチェンジすることができます。
デザインを大幅に変更したい場合も、伝えたいコアを以前の制作できっちりと作り込んでいるため、良いリニューアルが行えるようになります。
そう考えると、制作側は企業の今後のビジョンや流れや想いというのをしっかり共有し、話し込んで、理解していくコミュニケーションが必要になります。
さらには、クライアント側はアウトプットの達人とは限りません。クライアントが現在アウトプットしているもの以上に、よりよいアウトプットができるかもしれないという視点に立つことも、良いWebデザインを作り出すことに繋がっていくでしょう。
他のメディアにも流用できるWebデザイン
Webデザインが、パンフレットやカタログなど、他の媒体にも流用できると、それはかなり使い勝手の良いデザインだということが分かります。結果的に「伝わる」からこそ、他の媒体で使いたいという思いが出てくるのです。
先ほどお伝えした「クライアントの軸となる情報が正しく網羅された」ということも、他のメディアに流用できる理由の一つになります。
Webデザインという仕事を通して、Webにおけるクライアントの打ち出し方を提示しながら、それが、他のメディアでも使える、もしくは、会社そのものの財産になっていく、そんな流れになると、とても素晴らしいですよね。
記憶に残って帰ってこられるWebデザイン
情報が大量かつ多様に流布される時代だからこそ、ランディングしたユーザの記憶に残るサイトを目指す必要があります。もっと踏み込んでいえば、ターゲットユーザの記憶に残す必要があるでしょう。
ターゲットユーザの記憶に残るということは、どういうことか、もしかすると、単にページをデザインするに留まらずに、コールトゥアクションを提案することを必要になるでしょう。
クライアントの情報資産に目を向け、無料レポートや有益なメルマガなどを作り込むことを提案し、Webと紐づけることが、記憶に残って、Webサイトを通じてターゲットユーザと繋がることになるかもしれません。
検証が施された意図のあるWebサイト
これは理想論になりますが、検証が施されたサイトはとても良いWebサイトだと言えます。また、検証されたノウハウを持った制作チームが作ったWebサイトは、よりよい可能性が高くなります。
そして、一番大事なことは、検証が施されたことによって、クライアントがWebをきちんと信じ切ってくれるということです。Webサイトについてのあらゆる施策をモチベーション高く行ってくれるようになります。
A/Bテストを何度も行えば、それは完璧な検証になるのかというと、そうでもなく、完璧な検証というのはほぼ、あり得ないとも言えます。そのうえで、きちんと理論立てて、ビジョンを持って、サイトを作り込む、このことがクライアントの納得度を高め、ユーザが使いやすいサイトへ育っていくことへ繋がっていくのだと思います。
デザインに常に意図があるか、考えて作られたデザインであるか、それがトップからボトムまで、小さなパーツから大きなビジュアルまでに込められたWebこそが、良いデザインとなっていくのです。
企業体質に合った運用性を備えているWebデザイン
Webは作って終わりではありません。作ってからが本当のスタートです。そのため、企業体質に合った運用を用意しているかどうかで、そのWebの使い勝手は大きく変わります。
例えば、制作会社側でがっちりとした運用サポートがあるとしても、あまりにも細かい変更が随時あるような企業であれば、自分たちで管理画面から簡単に変更が行えるようなWebのほうが有難いかもしれません。
そのため、ヒアリングの段階で、どのようにサイトを運用したいのか、また、どのような運用能力があるのか、そういった話をしっかりと行う必要があります。
内製化を考えているのであれば、別で予算を頂き、独自のマニュアルを制作したり、直接指導をするなどをすると、Webサイトの活用度は引き上がり、顧客満足度も高まります。
最後に:良いWebデザインとは何か、常にその哲学を問い続けよう
デザインとは、「意匠」とも呼ばれます。意匠とは「工夫して考えだす」ことを意味します。つまり、Webデザインとは何か、それを問い続けることこそが、良いWebデザインに繋がっていくのです。
良いデザインとは何か、哲学し続けてみましょう。周囲のクリエイターとデザインに関する考え方や捉え方を深く話す機会を持つと良いでしょう。
ぜひ、多くのクライアントの長期的な未来が輝くようなWebデザインを提供し続けて下さい。