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デザイナーが押さえておくべき心理学のポイント
TIPS 2019.4.04

デザイナーが押さえておくべき心理学のポイント

デザインを行うことには全て目的があります。

たとえばECサイトであれば商品を買ってもらうこと、メディアサイトであれば記事を閲覧し広告をクリックしてもらうこと、バナーであればクリックしてもらうことなどが、デザインの目的(ゴール)として挙げることができます。

デザインという工程自体はデザイナーが行うものですが、デザインの意図をディレクターやプランナーなど複数のメンバーに説明する機会は多くあります。「なぜそのデザインなのか?」という問いに、常にデザイナーは答えられるようにデザインをしていかなければなりません。

今回は、デザインをする際に考慮するべきユーザーの行動予測に役立つ、心理学のポイントについて解説していきます。

全体感や構造に重点をおく「ゲシュタルト心理学」

ゲシュタルト心理学は20世紀初頭にドイツで提唱された心理学です。

その特徴となるのが、人間の精神の重点が置かれるのは、部分や要素ではなく、全体感や構造と主張した点でした。(「ゲシュタルト」とはドイツ語で「形態」の意味です。)ゲシュタルト心理学の中心的な存在であったマックス・ヴェルトハイマーは、人間がゲシュタルトを近くする際の法則として「プレグナンツの法則」を提唱しました。

以前「非デザイナーでも必須!4つのデザイン原則」で、距離の接近しているものを同じグループのものとして認識する「近接」について説明しました。「近接」はプレグナンツの法則の概念の一つでもあります。他のプレグナンツの法則の概念としては以下のようなものがあります。

①類同 

例)▲▲△△▲▲△△▲▲△△▲▲△△▲▲△△▲▲△△▲▲△△▲▲△△▲▲△△
上のような違いがあるものが並んでいる場合、並んでいる同種のもの(この場合は三角形の色)がグループと知覚されます。 逆に以下のように並んでいる場合は、グループとは知覚されにくくなります。
例)▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△

②閉合

】【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】【 】【
上のように括弧が並んでいる場合、閉じあっているもの(ここでは【 】)が、グループと認識されやすいです。一方で閉じあっていないもの(ここでは 】【 )は、グループと認識されにくくなります。

なお上記のようにグループとしての構造がしっかりと作れていなく、図形や文字の全体感が把握できない場合を「ゲシュタルト崩壊」と呼び、部分的にしか認知できない状態を指します。

接触回数の影響を示した「ザイアンスの法則」

ザイアンスの効果はアメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱し、知られるようになりました。

初めは興味がなかったり、苦手だったものでも、何度も見たり聞いたりすると、次第にいい感情が湧き上がってくるという効果です。この効果は営業活動でも基本的に用いられ、担当する顧客が変わった場合、色々と理由をつけて訪問し、接触度を上げることで好感度の向上に繋がっていくことも多くあります。

ただし、あくまでもむやみやたらに接触度を増やすのではなく、「色々と理由をつけて」という部分が重要です。

Webサービスにおいて、この点がよく生かされているのはメールマーケティングです。 たとえばユーザーの誕生日前後のバースデーメール、登録したてのユーザーに段階を分けて案内を配信するステップメールなどはこのザイアンスの法則が生かされています。 自然な形で接触度を増やすコミュニケーションの部分まで考慮して、デザインに生かしていくことが重要です。

複数の選択肢が判断に影響を与える「コントラストの法則」

コントラストの法則は対比法則とも呼ばれます。具体的には2つ以上の事柄を比較した際に、最初に見たものと2番目のものの違いの差を実際よりも大きな差に感じる心理現象です。

Webサービスではプランの比較などによく使われています。

松、竹、梅の3プランをサービス提供する際、最も売りたいプランを真ん中の竹とすることがよくあります。これはあえて売りたいプランよりも高いもの、安いものを用意することで、比較して真ん中のものを選びやすくする効果があります。

コントラストの法則は「アンカリング効果」と呼ばれるものと併用されることも多いです。アンカリング効果とは、最初に示した特徴や数値が基準点になり、意思決定が最初に示された基準点がベースになってしまう心理現象です。例を挙げると「ユーザーの99%が満足」と謳われていると、自分も満足するだろうと勝手に期待してしまうことなどがあります。

デザインにおいては、基準をどのように作って、どれだけ対比をわかりやすくするかで、コントラストの法則の効果に大きく差が出てきます。目的を明確にして、その目的を選んでもらえるようなコミュニケーションをデザインに盛り込んでいくことが必要です。

始めと終わりが肝心!「ピーク・エンドの法則」

ピーク・エンドの法則はダニエル・カーネマンが提唱した法則です。

サービスの評価などは、最初の体験と最後の体験に左右されることを示した法則です。

例としてECサイトを挙げましょう。

ECサイトで、ユーザーがとる行動の流れは、簡単に表すと
(来訪)→商品閲覧→会員登録→購入→(離脱)ですね。

ピーク・エンドの法則によると、この時ユーザーの体験で最も評価を決める部分は、最初の商品閲覧と最後の購入です。

具体的な機能で表すと、
商品の閲覧時→商品の検索
購入→購入完了ページ(サンクスページ)
の部分です。

つまり、サイトに来訪して商品を購入し、離脱するユーザーに対しては、検索機能の利便性とサンクスページが最も重要となります。

ただし全てのユーザーが購入まで行うわけではありません。

また最初に商品を閲覧するのではなく、まず会員登録するサイトもあるでしょう。対象となるサービスにおいて、理想的な体験の起点と終点はもちろん、実際ユーザーがとっている行動の起点と終点を把握して、理想的な体験となるように各起点と終点のコミュニケーションを作っていく必要があります。

デザインとしては、とりわけ購入完了後のサンクスページなどの体験の終点は後回しにされる傾向にあります。体験の終点が次の体験や来訪の起点と考え、適切なコミュニケーションを埋め込んでいくようにしましょう。

まとめ

今回は4つのポイントだけを解説しましたが、デザインにおいて考慮すべき心理学のポイントは現在も続々と発見されつつある分野です。

とりわけUXが重視される現在では、ただ見た目にキレイなデザインよりも、ユーザー心理を理解したデザインが評価される傾向にあります。

目的にあったデザインをできるようにするためにも、デザイナーも心理学の考え方にもっと触れていく機会を作っていきましょう。

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