今回のテーマはロジカルシンキング。
ビジネスにおいて「ロジカルシンキング」は私たちにどのような影響を与えてくれるのでしょうか?
また、ロジカルシンキングは本当にスキルとして向き合うべき分野なのでしょうか?
逆に、自然にロジカルシンキングが身につくような方法もたくさんあるように思います。
そして、従来のロジカルシンキングに捉われていると、単に頭でっかちになったり、フレームワークの中でしかアイデアを出せなくなってしまう可能性もあるように感じます。
そこで、今回はビジネスに重要な「ロジカルシンキング」について本質的に掘り下げていきたいと思います。
ロジカルシンキングとは
ロジカルシンキングの意味・定義
ロジカルとは、「理論的」「論理的」を意味するため、ロジカルシンキングとは、「ロジックを以って考えること」と言えるでしょう。
また、「筋道や体系的に考えること」もロジカルシンキングの1つです。
「理論的」「論理的」とは、言ってしまえば「根拠」があることです。「Aという根拠があってBということがあるなら、Cをすれば良い」というように、思考に根拠のある繋がりを持つことです。
決して科学的である必要なく、観察や感覚から得られた情報を根拠にするのも、ロジカルシンキングを構成する1つと言えるでしょう。
「筋道や体系的に考える」という側面は、「今の考えていることは、何かのために考えている」という繋がりを持つことを意味します。
ロジカルシンキングの効果・メリット
効果1:考えるという曖昧な作業が明確になるメリットがある
ロジカルシンキングの効果の一つは、思考作業で「やるべきことを明確にする」という点です。
思考作業は組織において非常に重要ですが、本人にすべてを委ねると、その作業は非常に曖昧なものになります。
曖昧なものは、やるべきことの幅が広すぎて、社員によってはコントロール感を失います。コントロール感を失うと、モチベーションが下がるため、良いアイデアが出ません。
そのため、ロジカルシンキングのフレームワークに沿いながら、作業することで、自然に考えが出せるようになっていきます。
また、組織は思考作業に対する正当な評価を出すことができるようになります。
効果2:内向性を高め、セルフプロデュース力を高める
ロジカルシンキングに慣れていない人からすれば、ロジカルシンキングは非常に内向的な作業になります。
1つの対象に潜む本質を自身の内省によって紐解くわけです。また、様々なフレームワークを用いること自体が普段の自身の思考パターンと大きく誓えば、新しい引き出しを得る経験に繋がります。
ロジカルシンキングの力は、自分自身を見つめる力にも繋がります。内向性が高くなれば、自分を顧みる力も身につきます。外の世界から見える自分を正しく把握し、セルフプロデュースする力も引き上がります。
思考としてのロジカルシンキングと会話としてのコミュニケーション力を両方高めることができれば、ビジネスのあらゆるシーンで求心力を得られるようになります。
効果3:思考を言語化する能力が高まるメリットがある
ロジカルシンキングで自分を鍛えると、思考を言語化することが上手になります。
自分の考えを文字にして、プレゼンテーションすることもよりスムーズになります。
また、相手の考えを引き出しながら、ヒアリングして、他の論理や成功体験と結びつけて活路を見いだすようなことも上手になります。
思考のアウトプットが上手になります。エッセイから大喜利のようなロジカルとは一見程遠いと感じられるようなクリエイティブな思考の言語化も上手になります。
ロジカルシンキングの鍛え方
鍛え方1:フレームワークをどんどん試していく
ロジカルシンキングを鍛える最も単純な方法は、書籍などでフレームワークをどんどん試して、自分で課題をこなしていくことです。
例えば、書籍には以下のような思考のフレームワークがあります。
『考法図鑑 ひらめきを生む問題解決・アイデア発想のアプローチ60』
『マッキンゼーで叩き込まれた 超速フレームワーク』
『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』
『ビジネスフレームワーク図鑑』
『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』
『アイデア発想フレームワーク
『仕事のアイデア出し&問題解決にサクっと役立つ! ビジネスフレームワーク』
実はロジカルシンキングを鍛える際に、決してロジカルを重要視する必要はありません。
ポイントとしては、思考そのものの幅を広げて自由に扱えるようにするということです。
鍛え方2:1つの情報から自分なりの説を作ることを習慣にする
情報と情報を繋ぐことがロジカルシンキングの巧妙さでもあります。
1つのエビデンス、1つの心理学法則、1つの脳科学的常識、これらの情報から、自分なりの「説」を遊びで作ってみると、ロジカルシンキングの底力が非常に引き上がっていきます。
その際に、分野と分野をまたぐと、非常にロジカルな思考の組み立てが上手になります。
「依存症分野の研究をマーケティング分野の課題解決に持ち込む」といった感じです。
全く違う分野どうしをロジカルに結びつける訓練をすると、他のビジネスパーソンが出し切れないロジカルシンキングパフォーマンスを出すことができます。
鍛え方3:ビジネス上でワンストップ自己完結の経験を増やす
ロジカルシンキングは、「こうすれば、こうなる」をより多く知っている人間が強いのは言うまでもありません。
例えば、自分でネットショップを作って、Tシャツをデザインして試行錯誤して毎月の売り上げを作ることができるようになった人は、ビジネスを自己完結する過程で、いろんな事実を目の当たりに体感します。
アイデアの創案から実際に売り切るまでワンストップで自己完結している人は、全ての工程を結び付けて考えることができるようになります。
「全ての工程を結ぶ」というのは、ロジカルシンキングの「思考と思考に繋がりを作ること」に当たります。
1つの役割や流れの中の一部だけでは、自分だけの理論は増えていきません。
副業やスモールレベルでも、自分で立ち上げ、自分で企画創案し、自分でコンテンツを作り、自分で運用していく人間は、ビジネス上のロジカルシンキングの「理論づけの資源」をたくさん得られるようになるのです。
最後に:ロジカルシンキングは1つの立派なビジネススキルである
既存のフレームワークが必要ないくらいロジカルの翼を羽ばたかせよう
以上、ビジネスに重要なロジカルシンキングについて掘り下げて説明してきました。
ロジカルシンキングは、道筋を立て、思考と思考を結びつき、フレームワークの助けを借りながらも、持論や成功体験を増やすことで、そのパフォーマンスが高まっていきます。
既存のフレームワークを使わないとロジカルシンキングできないようでは、自身の思考はむしろ自由を奪われ、可能性を失っているとも言えます。
既存のフレームワークが必要ないくらいロジカルの翼を羽ばたかせて、どんな課題に対しても、腑に落ちる考えを表現できる、これが真のロジカルシンキングと言えるでしょう。