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解説!「エンジニア」の「売り手市場」はいつまで続くのか?
COLUMN 2019.6.16

解説!「エンジニア」の「売り手市場」はいつまで続くのか?

ITの売り手市場はいつまで?

エンジニアの売り手市場が続く理由

IT業界で働くエンジニアの売り手市場は新卒も転職もこれから他の業種を圧倒して長く続くと言えるかもしれません。

dodaが公表した2019年1月度の求職者1人あたり何件の求人があるかを示す求人倍率は5.63であり、全体の2.13と比べると、超売り手市場になっています。

じゃあ、いつまで続くのかという話になると、一定の緩やかな停滞や低下を挟んで、ずっと売り手市場が続くとも予測ができます。

例えば、金融機関の大型基幹システムに関する更新・開発案件が2016年度にピークアウトしたと言われていますが、市場調査とマーケティングを専門にする矢野経済研究所は、国内民間企業のIT市場規模を…

・2017年度12兆1,530億円
・2018年度12兆5,050億円
・2019年度12兆7,800億円
・2020年度12兆9,840億円

と発表(未来の時制の数値は予測)しています。また、国内で言えば、流通業界や医療業界のシステムはこれからまだまだ開拓していくジャンルです。

IDC Japanは2019年3月11日、国内IoT市場の調査によると、2018年の国内IoT市場のユーザー支出額は6兆3167億円の見込み。今後は、年間平均成長率13.3%で成長し、2023年に市場規模は11兆7915円に達するとしています。

そして、技術革新の度にエンジニアの市場は刺激されます。売り手市場は5年、10年、それ以上続く考えることもできます。

エンジニア的人材が超売り手市場になる?

時代の中でITの要素が強まると、どういうことが起ってくるでしょうか?それは、「ITじゃない会社のIT化」です。ITが仕事を担うようになるということは、ITが補填する業務の人材が不要になります。

すると、ITを社内でうまくマネジメントする人が必要になってきます。今までは人をマネジメントすることが職業として広く求められましたが、今後はAIやIoTのマネジメントが必要になります。

どの会社にもエンジニア的な存在を置く必要があるでしょう。エンジニアのポジションが重要になり、業種や企業のビジネスモデルによっては、エンジニアを役員や取締役に置くことが重要になります。

エンジニアとしての自分を超売り手市場にする3つの方法

方法1:先進スキルを極める

革新的なエンジニアリングに専門的になることで、自分の価値を高め、売り手市場の期間を延ばすことができるでしょう。

エンジニアと言っても、システムエンジニア、プログラマー、サーバーエンジニア、データベースエンジニア、ネットワークエンジニア、セールスエンジニア、制御・組み込み系エンジニア、フロントエンドエンジニア、セキュリティエンジニア、インフラエンジニア、チーフエンジニアなどあまりにも多様なエンジニアが存在します。

システムや環境の構築も非常に簡単になってきて、知識のない人たちがブラックボックス的に構築できるようになれば、仕事としては成立しなくなります。ただし、より細やかで複雑なシステムや環境やセキュリティを必要とする企業に対して、高い技術を提供できれば、プレイヤーとしては求められるでしょう。

そう考えると、1個のスキルを深く深く掘り下げておくことは、どのエンジニアの分野に手を出すにも有益と言えます。専門スキルを培う経験が、以後の新しい知見の吸収率の高さにも繋がるでしょう。

方法2:スキルを掛け算させる

1つの先進スキルを深めることと相反する部分ですが、ITの世界を俯瞰して、自身で取捨選択して複数のエンジニアスキルを身に着けると、それは社会人としてのそのままの個性に繋がります。

また、先ほどもお伝えしましたが、「ITじゃない会社のIT化」が起これば、総合的なエンジニアのリテラシーと処理能力が必要となります。複数のスキルを身に付けることは、独立した活動も後押ししてくれます。

方法3:エンジニア脳を自己価値にする

今後は単なる独立した業種や職種というのは存在し得なくなると言えるかもしれません。ニッチで複雑な時代になれば、営業は「売り切るトーク力」だけではダメです。自分が属する業界のことを完全に咀嚼しなければ、サービスや商品を上手く説明することの前提にすら立てないのです。

時代が複雑高度化すると、単純だった相互関係も複雑高度化します。例えば、工務店にしても、これからは家づくりのあらゆる説明にエンジニアとしてのある程度の知識が紐づいてくるとも言えます。

エンジニア脳はあらゆる職種のスキルとなる、この前提に立てば、すべての業界自分自身が売り手市場になっていくでしょう。

最後に:動き続けた人に売り手市場は恩恵を与える

エンジニアの売り手市場を考慮してきましたが、エンジニアに限らず、すべての職種が不安定で不確定な時代だと言えます。不安定なことは実感しているかもしれませんが、自分の職業が他の職業と完全には切り離せないという「不確定さ」を感じている人は少ないかもしれません。

営業・事務・経理などの1つの職種を完全に他の職種から独立的に「確定したもの」と捉えてはいませんか?そうなると、売り手市場かどうかに左右されるようになっていきます。

営業にも事務にも経理にもエンジニアリテラシーが備われば、これからの時代が求める、買いたくなる人材になります。そう考えると、やはり、社会人になっても止まり続けることはできません。経団連の中西宏明会長は、終身雇用と言うシステムが既に厳しくなっていることを述べ、雇用システムを変えていく方向性を示しました。立ち止まりながら登り続けるエスカレーターのない時代、ぜひ、エンジニアの方(これからエンジニアを目指すかた)は、売り手市場を大いに生かして下さい。

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