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【第2回】グッドデザイン賞受賞のプロダクトデザイナーに聞く!プロダクトデザイナーになるための勉強法は?
INTERVIEW 2019.2.12

【第2回】グッドデザイン賞受賞のプロダクトデザイナーに聞く!プロダクトデザイナーになるための勉強法は?

今回はグッドデザイン賞等、数々のデザイン賞を受賞している現役プロダクトデザイナーの方に、「プロダクトデザイナーになるための勉強方法」を取材しました。プロダクトデザイナーになるためにはどんな勉強方法があり、どこで学べばよいのでしょうか?プロダクトデザイナーを目指されている方は是非、参考にしてください!

プロダクトデザイナーになるための勉強法

学校に行く必要はある?独学でプロダクトデザイナーを目指すことは可能?

グラフィックデザイン、Webデザインなどと異なり、プロダクトデザインはそのプロダクトの領域で求められる専門知識のボリュームがとても大きい事が特徴です。そのため、独学でこれらの知識、技術を習得し、プロダクトデザイナーを目指すのはかなりの難関といえます。芸大・美術大学のデザイン科、工学部系大学のデザイン学部でプロダクトデザインを学び、メーカーやデザイン事務所に就職するのが一般的なプロダクトデザイナーへのキャリアパスです。

学校で学ぶ事が重要な点のひとつに設備の問題があります。実際の現場で使われている高額な3DCADソフトと高性能PCを個人で用意し技術を習得するのはかなりハードルが高いです。大学では基本的な製図にはじまり、ハードサーフェスと呼ばれる複雑な曲面を持ったモデルの製作のスキルまで習得できます。また、さまざまな材料、工作機械、作業スペース、塗装ブースが揃っていることも強みのひとつです。大学ではそれらの素材、工作機械などの専門知識をもった講師から学ぶ事ができます。この素材はここまでの力を加えると割れる、熱は何度までは耐えられるなど、プロダクト制作を経験として体得することができるのです。

見た目の美しさを表現することはもちろんですが、プロダクトデザイナーに求められるのはそれだけではありません。その商品にまつわるあらゆる事に対して深く知識を探求する意識が必要です。講義などで、自身で知見を高める事もできますが、同期の学生や著名な先輩方の製作を見ることで感性を広げることもできます。自分と同じ課題に対してどのようなアプローチで解決策を見つけ、それをどのようにして具体的な形状に落とし込んだか。他者の視点を知り理解すること、つまり観察眼を鍛える事はプロダクトデザイナーにとって非常に強力な武器になります。これらが、大学でプロダクトデザインを学ぶべき理由です。

また、プロダクトデザイナーを目指すにあたって、大学に行くべきもう一つの理由がポートフォリオの作成です。ポートフォリオとは、自分の作品集のことです。新卒採用でも中途採用でも、プロダクトデザイナーになるには、このポートフォリオを持っていることが絶対条件になります。一方、このポートフォリオの作成は簡単ではありません。作品がそのまま採用の合否に影響するのですから、就職活動を行う人たちは誰も皆、真剣に取り組んでいきます。プロダクトデザイン関係の大学で学んでいない場合、学部の他の勉強もある中、ポートフォリオの制作になかなか時間を割けません。また、作品集を作るための機材の用意も大変です。その点、大学の課題の中でポートフォリオ作成ができるプロダクトデザイン学科は有利といえるでしょう。

プロダクトデザインを学べる大学

どんな大学に行くべき?

プロダクトデザインの歴史は長く、効率的に学べる方法がある程度成熟しているといってもいい分野です。プロダクトデザイン学科が有名な大学の例として多摩美術大学や、武蔵野美術大学などの芸大・美大系のデザイン学科と、千葉大の工学部デザイン学科などの工学部系のデザイン学科があります。就職率という観点では、多摩美術大学、武蔵野美術大学、千葉大学などが有名ですが、その他にもプロダクトデザインの学科がある大学は全国に広がっています。また、専門学校という選択肢もあります。大学によって学ぶ機会も様々です。「産学共同研究」を行っている大学では、学生でありながら企業のプロジェクトに参加する機会を得る事ができます。

芸大・美大系を目指すのであれば入試対策は早めに動き出してください。例として多摩美術大学デザイン学部の倍率は例年30倍ほどの難関です。さらに入試は一般的な学科試験に加えてデッサン等の実技試験があります。実質、この実技試験を突破できるかどうかで合格が決まります。この実技試験のためにほとんどの受験生が美術予備に通いデッサン等の美術・デザインの基礎を学んだうえで実技試験に臨みます。一方で、工学部系のデザイン学科は一般的な入学試験が基本で、美術予備校などであらかじめ美術の基礎を習得しておく必要はありません。

大学によってどの様な違いがある?

芸大・美大系のデザイン学科(多摩川美術大学や、武蔵野美術大学など)の方が、芸術に近いプロダクトデザインに強く、工学部系のデザイン学科(千葉大の工学部デザイン学科など)の方が機能を重視するプロダクトデザインに強い傾向があります。

化粧品などの美観を重視するようなパッケージデザインは、芸大・美大系のデザイン学科出身者が多いです。美術系大学のプロダクトデザイン学科では絵の勉強も入試の必須科目であるため、入学時から芸術の基礎能力が高い人が集まる傾向になります。美術系大学のプロダクトデザイン学科では専攻の領域の学問だけでなく、行動心理学等や人間工学を学びデザインに反映させる訓練を受けます。学問の領域の広さは専門学校よりも芸大・美大系のデザイン学科のメリットといえるでしょう。

工学部系のデザイン学科の方がデザインを産業に活かすという意思が強く、理系ならではのロジックから導き出された「機能美」への思いが強いように感じています。自動車や家電のプロダクトデザイナーはどちらかといえば工学部系のデザイン学科出身者が多い傾向です。昨今デザインの捉えられ方も多様化していて、例えばエモーショナル・デザインという考え方はユーザーの趣向などを統計分析し、ユーザーの傾向をデザインに反映させるというロジカルなデザイン手法もあります。工学系のデザイン学科ではこのように、経済・ビジネスにダイレクトにつながったプロダクトデザインを得意としています。

また、工学部系のデザイン学科のさらなる強みのひとつが、先述した「産学協同研究」の授業が充実しているところが多いということです。千葉大学・工学部デザイン学科の場合は有名なプロダクトデザイナーを多数輩出している事もあり、企業との結びつきが非常に強いです。さらに、工学部系大学の入試は一般の大学と同じように学科テストのみというメリットがあります。つまり、美術の基礎が・教養が無いと入学できない美術系大学と違い入学したあとでデザインを学ぶ事ができます。

 

いかかでしたか?プロダクトデザイナーを目指すにあたっては大学での勉強が基本ということがわかりました。プロダクトデザイナーが狭き門であることは前回の記事でもお話しましたが、美術大学の入試も難関なんですね。現在、当たり前に目にする数々のプロダクトはそれだけの情熱を持ったデザイナーによって生み出されているということですね!次回は最終回です。大学でプロダクトデザインを学んだ後に待ち受けるのは、就職試験です。「プロダクトデザイナーへの就職試験の突破法」をお届けします!


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