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【第3回】グッドデザイン賞受賞のプロダクトデザイナーに聞く!プロダクトデザイナーへの就職試験の突破法
INTERVIEW 2019.2.13

【第3回】グッドデザイン賞受賞のプロダクトデザイナーに聞く!プロダクトデザイナーへの就職試験の突破法

グッドデザイン賞、iFデザインアワード、レッドドットデザインアワードを受賞したプロダクトデザイナーの方のインタビュー連載も今回で最終回です。最後のテーマは「プロダクトデザイナーへの就職試験の突破法」です。

プロダクトデザイナーへの就職に向けて必要な準備とスキルセット

プロダクトデザイナーへの必須アイテム、ポートフォリオとは?

デザイナーとして就職するのに必ず必要となるのがポートフォリオです。このポートフォリオの作成は非常に時間がかかります。形態は作品集そのものを郵送することもあれば、ファイル等をWebで提出することもあり、フォーマットは決まっていないことが多いです。ポートフォリオの質にこだわる候補者がたくさんいる中で、ポートフォリオのクオリティの低い人、基礎力が足りないと思われる人はもちろんすぐに落とされてしまいます。さらに言うと、プロダクトデザイナーは新しい価値観を生み出す仕事です。友人、先輩のポートフォリオと比較してみてあまりにも似通ったデザイン、レイアウトになっていませんか?誰に自分の何を見てほしいのかをよく考えて、自分らしいポートフォリオを製作しましょう。極論を言ってしまうとポートフォリオさえしっかりしていれば高い評価を得て、企業はあなたに会いたいと興味を持ってくれる訳です。インターンや実習、面接に呼ばれない事にはプロダクトデザイナーとしての道は開けないのですから。

ポートフォリオ以外で重視されるスキルなどは?

プロダクトデザイナーに求められる能力は美しいプロダクトを作るだけではありません。業界によっては、企画部やマーケティング部、広告代理店などと共にマーケットを分析して今後のトレンドを予測し、売れるプロダクトデザインのコンセプトメイクをしなければなりません。作るプロダクトにどれだけこだわりや愛着があるかがプロダクトの完成度を左右することもあります。どれだけそのプロダクトが好きかという事がとても重要です。メーカーは、一度採用したデザイナーは、ずっとその会社にいてほしいと思っています。そのメーカーのDNAを受け継ぎながらも新たな価値観を取り入れてデザインしてほしいからです。例えば「MAZDA」の「ロードスター」という車は昔から社内外で愛され続けている車です。時代の流れに合わせてスタイルが変わっても、基本的なコンセプトが変わっていないのは社内でロードスターのDNAが脈々と受け継がれているという証拠です。このように、どれだけそのプロダクトが好きかということを企業やデザイン事務所は知りたがっています。付け焼き刃の知識ではすぐに露見してしまいますので、本当に自分が好きなプロダクトは何か?という問いを自分に投げかけ、それに正直になってみて下さい。

また、デザインはチームで作業する事も多くあります。情報を正確に伝えるコミュニケーション能力は重要視されます。ビジュアルイメージを共有するためのスケッチを駆使できることも重要なコミュニケーション能力です。

プロダクトデザイナーに内定するまで

ポートフォリオ提出から内定までの流れは?

ポートフォリオのクオリティで一定のスクリーニングがかけられるのは各社共通です。ポートフォリオの実力が本当であるかをはかるために、実技試験を実施する企業もあります。内定までの流れとしては「ポートフォリオ提出→面接→実技 / インターン→最終面接→内定」が一般的です。まずはポートフォリオから全てが始まるという点を絶対に忘れないようにしてください。面接から実技/インターンに進む事ができたらあまり緊張せずに、普段の自分を出すようにしてください。前述の通り、企業は採用したデザイナーにはずっと会社にいてほしい、DNAを受け継いでほしいと考えています。デザイナーとして実力が優秀であっても会社の社風とマッチングしなければ採用されません。あまり緊張することなく、こちらからも企業との相性を確かめるような気持ちで臨むようにしてください。
また、面接や試験では思考の瞬発力、想像・創造力を試すような質問も多く出題されます。これらの対策はしっかりと行いましょう。

いつから志望を決めるとよいですか?

製作物、作品集の制作に時間がかかる事と、プロダクトデザインでも領域によって求められるものが大きく異なるので、自分の専門分野を決めたら他の領域の企業は諦めざるを得ません。車のデザインと、化粧品のパッケージデザインでは求められるコミュニケーションデザイン違うように、業種によって求めているものが大きく異なります。そのため、エントリーシートを数十社に送るといった一般的な就職活動方法をとることができないのです。もちろん、志望する領域を早めに決めることはそれだけ作品制作などの時間を多く取れるので有利になります。自分の志望するプロダクトの領域は早めに決めておくとよいでしょう。

プロダクトデザイナーは狭き門?

プロダクトデザイナーの採用は相当な実力主義でとても狭き門であることは間違いありません。化粧品会社であれば、毎年一人とるか、とらないかというレベルです。結果的にプロダクトデザイナーを目指してもなれなかったという人はたくさんいます。トップの大学でもプロダクトデザイン専攻のうち約2割程度がプロダクトデザイナーになれるかどうかという世界です。ただし、プロダクトデザイナーになれなかった人が路頭に迷うというようなことはありませんので安心してください。プロダクトデザインを学ぶ過程で習得した知識、スキルを活かして、近い領域での仕事は数多くあります。中にはメーカーのデザインを請け負うデザイン事務所に就職する人もいます。日本では佐藤オオキ氏が率いる”NENDO”の様な有名なデザイン事務所もでてきています。また、デザインの経験を活かしてメーカーの企画職につく人もいます。デザインの能力が求められる場面はプロダクトデザインでなくても世の中にはたくさんあり必要とされています。

中途採用も新卒同様かそれ以上に狭き門です。メーカーのプロダクトデザインでも中途採用を行うことはあります。ですが、一人とるか、とらないかという世界のため受かるのは難しいです。また、実力主義でありながら、運も関係してきます。例えば、1人しか採用しない予定ですが、最終面接に4人残ったが、4人とも甲乙つけがたいというケースは実際にあります。その際には、チームとの相性や前年の採用傾向といった少しの違いが最終判断になってしまう場合もあります。

最後にここでプロダクトデザイナーの就職試験突破方法のポイントを振り返ってみます。

  • 誰に自分の何を見てほしいのかを意識したポートフォリオ
  • 会社のDNAを受け継いてくれるか
  • どれだけそのプロダクトが好きか
  • 自分の志望するプロダクトの領域は早めに決めておく

プロダクトデザイナーは狭き門ですがユーザーの生活を彩るとても魅力的な職業です。是非がんばってください。

いかがでしたか?計3回にわたり「プロダクトデザイナー」になるためのインタビュー記事をお届けしました。プロダクトデザイナー志望の学生諸君には耳が痛い話もあったのではないでしょうか?それだけの困難を勝ち抜いた人達がものづくり、プロダクトデザインをしているのだから我々の生活がこれだけ豊かなのも納得してしまいますね!あなたもそんな素敵な仕事の一端を担えるように応援しています!


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