現状のWEBデザイナーの人口と市場価値は?キャリアパスも解説
WEBサービス普及に伴いWEBデザイナーは、求人広告でもよく見かけるごく一般的な職業になりました。しかし、身近な職業になった一方で、その業務内容や求められるスキルはIT技術の進歩とともに変化を続けています。
この記事ではWEBデザイナーの人口と市場価値について扱います。どちらもWEBサイト制作の仕事が出回り始めた10~20年前に比べ、事情が大きく変わりしました。これからWEBデザイナーを目指している人は現状を把握し、今どのようなスキルが求められているか理解しておきましょう。
WEBデザイナー人口の現状
SNSなどのソーシャルメディアなどが登場して人々のインターネット利用が活発化した2000年以降、WEBサイトデザイナーの需要は右肩上がりに上昇しています。経済産業省の『IT人材需給に関する調査(2019)によると、WEBデザイナーを含むIT人材の需給ギャップは2030年には少なくとも16.4万人、最大で約79万人に拡大する可能性があると試算されています。
また、この試算が、労働人口が減少しつつある日本国内で出されていることも注目すべき点です。加えて、2020年のコロナ感染症の拡大を受けてリモートワークが増加していることもIT人材の需要増大の追い風になっています。これらのデータからも、現状ではWEBデザイナーを含むIT人材の需要は今後も伸び続けていくと考えられています。
WEBデザイナーの市場価値は必ずしも高いわけではない
需要がある一方で、現在のWEBデザイナーの市場価値は必ずしも高いとは言えません。その価値は、技術進歩や競合相手の出現により徐々に低下していく傾向にあります。ここではその変化をもたらした要因を3つご紹介します。
WEBデザイン制作ツールの登場
1つ目の要因は、無料利用できるWEBデザイン制作ツールが多く登場したことです。10~20年程前はWEBデザイン制作ツールが高価で、使用するのにも専門知識が必要でした。しかし、近年ではツールの高性能化が進み、無料利用できるソフト・サービスも増えています。高性能で安価な制作ツールが出回り、WEBデザインの特殊性が薄れてきているのが現状です。
WEBサイトの重要性の低下
2つ目の要因は、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSの台頭です。SNSはスマホの普及に伴い、その利用率が急速に高まりました。この流れを受け、個人商店やフリーランスを中心に、SNSだけで情報発信を行う事業者が増えていきました。SNSの台頭でWEBサイト制作が減り、WEBデザインの仕事が減っているのも市場価値を下げている1つの要因です。
AIの進化
3つ目の要因は、AIの進化です。近年ではさまざまな企業がAIによるWEBデザインを活用しています。AIが活用されるようになり、WEBデザインの仕事はクリエイティブな部分を除いた多くの工程が自動化されるようになりました。この自動化によって企業は、これまでWEBサイト制作にかかっていたコストを大幅に削減するのに成功しています。中には制作会社では40日間かかっていたLP制作が10日に短縮され、3か月後のサイト購買率が1.6倍に増加したケースもあるようです。AIで代替可能な部分が増えることで、WEBデザイナーの業務領域は狭くなりつつあります。
WEBデザイナーとして市場価値を高めるには
WEBデザイナーとして市場価値を高めたいのであれば、デザイン力だけでなく、仕事の質を上げるためのスキルを身につけておかなくてはなりません。その代表例として、ここでは「コーディング」「マーケティング」「マネジメント」を紹介します。
コーティング作業を極める
コーディングのスキルを身につけておくと、サイト制作で携われる部分が増え、デザインの幅も広がります。エンジニアとの連携がしやすくなるほか、WEBサイトの構造を理解したデザインにも役立つでしょう。
その必要性が顕著な例としては、現在のWEBサイトの主流が、画面表示を柔軟に調整できるレスポンシブデザインであることが挙げられます。レスポンシブデザインは、スマホやPCなどデバイスごとに画面サイズを合わせるため、ウインドウ幅の可変に強いデザインをしなくてはなりません。このようなデザインをするには、コーディングでWEBサイトの構造を理解しておくことが必須です。
マーケティングに関する知見を深める
マーケティングの知見があると、WEBサイトの制作目的に沿った対策を取れるようになります。WEBサイトの目的はほとんどの場合、売上向上や認知度向上です。これらの目的を満たしたデザインをするには、検索エンジンからサイトに訪れる人を増やすSEO対策や、訪れた人を逃さないためのLPO対策などマーケティングへの知見が必要とされます。制作目的に沿ったWEBサイトを作るためにも、マーケティングの種々の知見はぜひ身につけておきたいスキルです。
企画力・マネジメント力を極める
企画力やマネジメント力があると、WEBディレクターへのキャリアアップにつながります。WEBディレクターはクライアントの意向を確実に汲みとり、各スタッフを監修してスムーズな制作進行を促していく制作現場のまとめ役です。この管理職をこなすには、お客さまのアイデア・要望を具体化する企画力、各スタッフのスケジュールやタスク管理できるマネジメント力が必須になります。WEBディレクターへのキャリアアップを目指すのであれば、日頃から身近なリーダーを観察するなどしてこれらのスキルを勉強しておきましょう。
WEBデザイナー後のキャリアパス
WEBデザイナーとしての市場価値を高めていくことは、その後のキャリアアップにもつながります。ここでは、WEBデザイナーからキャリアアップできるパターンを3つ紹介します。職種ごとに必要なスキルを把握して、今後の目標づくりに役立てましょう。
WEBディレクター
WEBディレクターとはスタッフを統括し、スケジュール・品質の管理を行うWEB制作現場の監督です。この職種に必要とされるスキルは、クライアントのニーズに対応するための企画力、チームを管理運営するマネジメント力、メンバーとの連携や調整をスムーズに行うためのコミュニケーション能力など多岐にわたります。WEBディレクターを目指すのであれば、WEBディレクターの依頼に対して常に「なぜ?」と考える習慣を身につけるのがおすすめです。依頼内容の意図について考え、答えを得ていくことがWEBディレクターとしてのロジックを習得することにつながります。
UI/UXデザイナー
UI/UXデザイナーとは、UI・UXを使ってユーザーにとって「使いやすい」「利便性の高い」と感じられるようなサービス・システムを設計する技術者です。この職種では、マーケティング分析、ユーザー分析、サイト解析、などユーザー体験を高めるためのスキルが必須になります。これらの分析能力は複雑で、高度な専門知識が求められる分野です。スキル習得は独学に固執せず、必要に応じてUI/UXに特化したセミナー・スクールを活用しましょう。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアとは、WEBサイトやWEBアプリケーション上でユーザーが直接目にするフロント部分を担当するエンジニアです。この職種は、近年サーバーに集中していた処理をフロントに持たせる流れが加速しているため需要が増加しています。また、WEBデザイナーとの相性も良く、デザインができることが高く評価される仕事でもあります。
フロントエンドエンジニアになるには、WEBページ上の文章の見出し・改行・段落といった論理構造を記述するためのHTMLや、要素の大きさ・余白・フォントを定義するためのCSSなどのプログラミングスキルが必須です。しかしながら、このプログラミング学習は挫折率90%とも言われるほど難関です。挫折する原因の多くは、質問できる環境がなくエラーに対処できないことが挙げられます。フロントエンドエンジニアを目指すのであれば、WEBスクールやWEB講座ユーザー活用して質問ができる環境を整えておくことをおすすめします。
まとめ
WEBデザイナーは職業人口・需要ともに増加している一方、市場価値を上げる条件は技術的な進歩とともに年々複雑化しています。この状況下では、デザインスキルだけで仕事を続けていくのは困難と言わざるを得ません。これからWEBデザイナーを目指す方は、デザインだけでなく、WEBサイト制作に関わる多様なスキルを身につけていきましょう。
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