SEOに必要な回遊施策の方法と考え方
サイト全体の閲覧数を上げるためには、新しい記事を書く・既存の記事をリライトする、などで検索順位の改善をはかる方法があります。
それらに加えて、もう一つ試してみるべき施策が、サイトの回遊率を上げる「回遊施策」です。
サイトの回遊率が上がると、サイト全体の閲覧数が上がるという好循環が生まれます。サイトのリピーターも増え最終的にはコンバージョンの増加に結びつきます。
サイトの関連記事の紹介にはもう一つ大事な施策が必要です。
ちょっとした工夫をするだけで関連記事紹介でサイト全体の評価を上げる施策をご紹介します。
回遊率とは
サイトの指標には回遊率という指標があり、サイトの評価やコンバージョンに影響します。高ければそれだけユーザーに人気のサイトで評価が高いということになります。
回遊率の調べ方
グーグルアナリティクスでのサイトの回遊率の調べ方や具体的な計算方法を説明します。
サイト全体の回遊率とは、1セッションあたりのページビューのことを指します。
回遊数は、
「閲覧数」÷「訪問数」
の計算式で計算できます。
セッションとはユーザーがサイトを訪れた訪問数を示します。1度離脱したユーザーが30分以内にもう一度訪れた場合は2回訪れたことになりますが、この場合は1セッションと計算されます。
※離脱とはユーザーがサイトから離れることです。
ユーザーがブラウザを閉じたり別のサイトに移動した場合、ユーザーがサイトから離脱したことになります。よって、「離脱率」とはそのページをセッションの最後にして、ユーザーが離脱した割合を指します。
グーグルアナリティクス
サイト全体の回遊率を調べるにはグーグルアナリティクスを利用します。
「対象となるサイトのプロパティを設定」→「ユーザー」→「概要」を選択したら、「期間」を設定します。「ページ/セッション」と記載された項目が指定期間のサイトの回遊率になります。
期間を変更すれば、今までの過去半年を調べるなど、効果を検証したい期間を選んでデータを閲覧できます。
また、グーグルアナリティクスの期間設定では、2つの期間を選択して比較できます。何かサイトに施策をした場合に、施策前と施策あとでどのような効果があったかを調べることができます。
グーグルアナリティクスではチャネル別(ページ別)も調べることができます。
「集客」→「すべてのトラフィック」→参照元/メディアを選択すると全てのページごとのページ/セッションを調べることができます。
ページごとの回遊率は、訪れたユーザーが最初に閲覧したページの場合に限り計測されます。
あるページを最初に閲覧したユーザーのうち、半分のユーザーが次のページに移動していれば、そのページの回遊率(ページ/セッション)は1.50と計測されます。
そのページをユーザーが最後に見て離脱した場合はページ/セッションは0と計測されます。
ここで注意したいのが、ユーザーが3ページ閲覧した場合に、2ページ目や3ページ目もまたページ/セッションは0と計測される点です。正確な数値とは言い難いですが参考程度に確認してください。
回遊率を上げる
サイトの回遊率が低いとサイトの評価やコンバージョンに悪い影響を与えます。
サイト全体の回遊率とユーザーのサイトへの評価は比例する事が多いからです。そこでサイトの低い場合は低い理由を調べ改善する必要があります。
回遊率が低い場合に、考えられる可能性
回遊率が低い場合、以下のような問題がサイトに起きている可能性があります。
記事がユーザーのニーズに答えていない
ユーザーは調べたいことがあって検索し、検索結果に表示されたあなたのサイトを訪れました。
しかし、記事の最初の導入部分や目次を一読し自分の調べたい目的の記事ではないと思われてしまえば、離脱される可能性が高まります。
記事がつまらない
ユーザーのニーズに応えてはいるのだけれど、あまり信頼が得られなければその記事は離脱の原因になります。
サイトの構成がわかりづらい
ユーザーはサイトを素早く見たいのです。すぐに何について書かれているのか把握しやすく、どこに何があるのか分かるサイトでなければ、見るのをやめてしまう可能性が高まります。
そのためにカテゴリや書式、見出しタグの整理をする必要があります。
関連記事がわかりづらい
ユーザーは自分が調べたいことに関連する記事がそのサイトにあれば読んでみたいのです。ユーザーが訪れた記事に関連する記事は、内部リンクでつなぎ回遊率を増やしましょう。
その際、重要なのは記事の内容に沿って紹介することです。
関連記事をリンクしているサイトでよく見られる失敗は、あまり関係のない記事ばかりが関連記事に並んでいたり、コンバージョンに関連する記事ばかりを無理に関連記事で紹介したり、というケースです。
これは離脱の原因になります。自分が見せたい記事よりも、ユーザーが見たい記事を想像して配置することが大切です。
表示速度が重い
表示速度が遅いとそのサイトを閲覧する気が失せてしまい回遊率は下がります。
特にスマートフォンでは表示速度が遅いと離脱率が高まります。画像の重さなどを軽量化し表示速度を高めましょう。
回遊率を改善するメリット
閲覧数の増加
回遊率を改善すれば、サイトの閲覧数が比例して増加します。
仮に現在の回遊率が1.0ページ/セッション、閲覧数が月あたり10,000ページの場合、回遊率が1.5倍に上がると仮定すると、月あたりの閲覧数は15,000回になります。
回遊率を上げる施策なしに、記事の改善だけで10,000閲覧数/月を15,000閲覧数/月にするには、新たな記事を作成したりリライトしたりと、多くの労力と時間が必要です。
一方、回遊率改善の施策はそれに比べると、低コストで実施できるものが多いのが特徴です。閲覧数を増やしたい時には、記事の改善だけではなく、回遊率改善の施策をぜひ取り入れたいですね。
検索順位が上がる
回遊率が上がればそのページのグーグルでの評価が上がり検索順位が上がる傾向があります。グーグルはページの検索順位と、回遊率の間に関係性があるとは明言していません。しかし、観測している専門家の多くが、実際上がる傾向にあると言っています。
回遊率が高いページの検索順位が上がれば、内部リンクを貼った他の記事の評価も上がります。ページの評価が上がり検索順位が高まればサイトの評価も上がるという好循環が起こります。
リピーターが増える
サイトの回遊率が増えると、ユーザーの印象に残りやすくなり、結果としてサイトのリピーター増加につながります。
ユーザーが調べたキーワードの記事だけでなく他の情報も関連記事で紹介すればユーザーの満足度が上がりサイトのファンになってくれるかもしれません。
コンバージョンが上がる
サイトの回遊率が上がってサイト全体の閲覧数が増加すれば、ページごとの検索順位も上がり、リピーターも増えるという相乗効果でサイト全体の閲覧数が上がります。
サイト全体の閲覧数が上がれば、当然サイトの目的であるコンバージョンに結びつきやすくなります。
回遊率を上げる回遊施策
サイトの回遊率を上げるには、ユーザーのニーズに応える記事を書きユーザーを引き付けることが必要です。
ここでは、ユーザーのニーズに応える記事を書くという視点から見た回遊施策をご紹介します。
ユーザーのニーズに応える記事とは
ユーザーのニーズに応える記事とは、どのような記事でしょうか?ユーザーが検索する時、必ずなにかの問題を持っています。
「この駅の近くにレストランはあるか」
「この病気の治療方法にはどのようなものがあるのか」
など、ユーザーが抱える問題は小さなものから大きな問題まで様々です。ニーズに応えるというのは、その問題を解決するということです。
次に重要なのはユーザーを記事に引き付けることです。
ユーザーを記事に引き付けるために、重視したいのが記事の導入文です。導入文や目次を読んだだけでこの記事には自分の調べたいことが書かれているし絶対に読みたいと思わせることが大切です。
内部リンクで関連記事を紹介
ユーザーのニーズに応えられる記事を書けたら、その記事を読んだユーザーが読みたいと思うであろう記事を関連記事で紹介します。
ユーザーが他にも読みたいと思う記事は、関連する内容の記事であることがほとんどです。
例えば今ご覧になっているこの記事では、「ウェブサイトの回遊率」をテーマにしています。この記事に関連するテーマといえば、「離脱率」「コンバージョン改善」などが挙げられます。
もし、自分が扱っているテーマにどのような関連テーマがあるのかがよくわからない場合は、グーグルのサジェストキーワードや、同じテーマを扱っているほかのサイトでどのような記事を関連記事としているかをリサーチしてみると、よい参考になります。
内部リンクでサイト評価を高める
回遊施策のために関連記事を紹介すると、サイト内の内部リンクが増えることになります。その結果、サイト全体の評価を上げることにもつながります。
リンクには内部リンクと外部リンクがあります。外部リンクだけがサイトの評価に影響すると考えがちですが実は内部リンクもまたサイトの評価に影響します。
内部リンクは自分のサイト内でできる自分でできるリンク対策になります。内部リンクの方法もとても大切です。
関連記事の内部リンクを設置する際には、必ずテキストリンクを使用します。ワードプレスの有料テーマなどでは、関連記事紹介のためのカード型のボックスが用意されていることもありますが、利用する際にはテキストリンクが使用できるかを確認しましょう。
まとめ
閲覧数を上げるために新しい記事を書いたり、すでにある記事をリライトするのはかなり大変です。
より簡単にサイト全体の閲覧数を上げたい方には、サイトの回遊率を上げるために回遊施策がおすすめです。
記事数が多い場合、内部リンクの設定はそれなりに時間が掛かるかもしれません。しかし、サイトの利便性を高めるに、ぜひ実施してほしい施策です。
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