ライブマーケティングの事例についてご紹介!メリット・デメリットも!
近年、さまざまな方面から注目を集めているライブマーケティングですが、その詳細についてあまり詳しく深掘りできていないという方も多いかもしれません。
今回は、ライブマーケティングの初歩的な知識から、ライブマーケティングを活用した事例、メリット・デメリット、成功させるポイントに至るまで、詳しく解説していきます。
ライブマーケティングとは
この項目では、ライブマーケティングの基礎的なことについて解説していきます。
仕組み
ライブマーケティングは「ライブコマース」とも呼ばれ、ライブ配信の動画を活用して、ユーザーの購買を促す新しいオンライン販売の形です。
例えば、テレビの通販番組を動画としてインターネット上でライブ配信するといった形式がライブマーケティングに該当します。
活用される代表的なツール
ライブマーケティングに使われるライブ動画配信サービスやライブ配信アプリにはさまざまなものがありますが、YouTubeLive・17LIVE・SHOWROOM・Instagramなどが一例として挙げられます。
ライブマーケティングが注目されている背景
ライブマーケティングは2020年ごろから急速に注目を浴びていますが、その背景には主に3つの理由があります。
まず1つ目はライブ配信の普及です。
パソコンやスマートフォンが爆発的に普及し、なおかつWi-Fi環境などのネット環境も整ってきた現代、誰でも気軽に動画配信サイトやライブ配信アプリからライブ動画を視聴・配信できるようになりました。
また、昨今では多くの登録ユーザーを持つTwitterやInstagramといったSNSでもライブ配信サービスやその機能強化が行われています。
これによって、多くのユーザーがライブ動画に親しみを持つようになり、ライブマーケティングが受け入れやすい環境になっています。
2つ目に挙げられるのは「5G通信」のサービス開始です。
5Gの通信速度は4Gの数倍にもなり、現在、一般家庭やオフィスに普及している光ファイバーに匹敵する速度になるとも言われています。
5Gがこれからますます普及していくことによって、多くのデータ量を必要とする動画やゲームのダウンロードが高速化し、動画配信や視聴のハードルも低くなっていくことが予想されています。
さらに3つ目として、昨今のコロナ禍における巣ごもり需要の拡大も、ライブマーケティングが注目される理由として挙げられるでしょう。
昨今のコロナ禍において、徹底した外出自粛などが求められるなかで、家の中で過ごす「おうち時間」や、家にいながらにしてお金を消費する「巣ごもり需要」が高まっています。
これに伴い、コロナ禍前に比べてYouTubeやニコニコ動画などの動画サイトを見る時間が増えたという方も増加傾向にあります。
こうしたコロナ禍における影響は少なくともコロナ収束までの間はしばらく続くものと予想されていることからも、ライブマーケティングの更なる発展が期待できるでしょう。
ライブマーケティングの事例
この項目では、実際にライブマーケティングを行っている企業の事例について、いくつか紹介していきます。
ベイクルーズ
「JOURNAL STANDARD」や「EDIFICE」などのセレクトショップを多数展開しているベイクルーズは、日本でいち早くライブマーケティングを取り入れた企業でもあります。
ベイクルーズでは、ライブ配信を見ながらリアルタイムで買い物ができるサイトをコンセプトにした「LIVE STYLING」というライブ配信を行っています。
LIVE STYLINGではコメント機能を使って気軽に質問やコメントを送ることも可能なため、商品やサービスをより身近に感じられる取り組みと言えるでしょう。
資生堂
大手化粧品メーカーの資生堂では、まず中国からライブマーケティングの活用を開始し、その成功を活かして2020年7月より日本国内におけるライブマーケティングサービスを開始しました。
資生堂のライブ配信サービスは、メイクアップアーティストなどが自社の製品を使ってメイクを実戦形式で行うもので、化粧品選びやその活用方法で悩んでいる女性から大きな反響を得ています。
ミツカン
「味ぽん」や「ゆずぽん」などの調味料メーカーとして知られるミツカンは中国市場への進出の際、中国での認知度がなかったため、思うように成果が出せていない状態が続いていました。
そんな時に活用したのが中国のアリババグループが運営するライブマーケティング「淘宝ライブコマース」です。
ミツカンではこの淘宝ライブコマースにより、1時間という短い配信時間の中で約2,500個にものぼる商品の販売を達成しました。
ユニクロ
日本を代表するファッションブランドであるユニクロもライブマーケティングを取り入れている企業のひとつです。
ユニクロでは「UNIQLO LIVE STATION」という名称でライブマーケティングが行われており、ファッションに精通したモデルやスタイリストのライブ配信を見ながら商品を購入できます。
ゴディバ
ベルギー生まれの高級チョコレートブランド「ゴディバ」も、ライブマーケティングを取り入れている企業のひとつです。
「ゴディバリモートショッピング」というサービスを利用すれば、パソコンやスマートフォンからビデオ通話を行う中で、ゴディバの職員にマンツーマンでチョコレート選びをサポートしてもらえます。
ギフトとしても人気のゴディバにおいて、顧客が抱えるニーズに最大限応えられる画期的な取り組みと言えるでしょう。
ライブマーケティングのメリット・デメリット
この項目では、ライブマーケティングのメリット・デメリットについて解説していきます。
メリット
ライブマーケティングのメリットには、購買に関する判断材料をリアルタイムで提供できる点が挙げられます。
ライブ配信の視聴者からの質問にリアルタイムで回答することで、見込み客が求める商品に関する情報をスピーディーに与えられるでしょう。
また、基本的にパソコンやスマートフォンとネット回線があれば、どこからでもライブ配信が可能なため、物理的なコミュニケーション空間の確保が不要になる点もメリットです。
ライブマーケティングでは顧客とのコミュニケーションがオンライン上で行われるため、物理的空間の制限がありません。
対面のコミュニケーションを減らすという意味で新型コロナウイルス感染症対策としても有効です。
さらに、YouTubeなど一部のライブ配信プラットフォームには、視聴者数・性別・住所・アクセス回数などを分析できる機能がついているため、プラットフォーム上での見込み顧客の分析も効果的に行えるでしょう。
デメリット
商品を販売するためにWeb上で集客を行うライブマーケティングのデメリットには、さまざまな要因で効果の表れ方が左右されたり、バラつきが出たりする点が挙げられます。
例えば集客目的として起用される有名人やインフルエンサーは影響力がある反面、起用する有名人やインフルエンサーが見込み顧客の母数を集められないと、必然的にマーケティング効果を見込める対象のユーザー数は少なくなります。
また、ライブ配信時の予期せぬ事態の発生によりユーザー体験を損なう可能性がある点もデメリットです。
例えば、ライブ配信に集まった人数が多すぎることで、サーバーが耐え切れず動画が重たくなったり、画像が乱れたり、最悪の場合配信が止まってしまう場合もあるでしょう。
さらに、多くの閲覧者が集まった場合、配信者とのコミュニケーションを目的に配信を視聴しても、視聴者が多くて質問やコメントに回答されない、あるいは無視されてしまうことが発生し、関係性が薄くなってしまう場合もあります。
ライブマーケティングを成功させるポイント
この項目では、実際にライブマーケティングを行う際に成功させるポイントについて解説していきます。
視聴者のコメントにはなるべく対応する
ライブ配信中にコメント投稿をする視聴者は、少なからず商材に興味関心がある「見込み顧客」です。
そのため、一方的に商材の説明を進めるのではなく、常に顧客が前にいることを想像し、丁寧な対応を心掛けましょう。
なるべくすべてのコメントに回答することも大切です。
購入ページなどへの導線を作る
ライブ配信の視聴者がスピーディーに商品の紹介ページや購入ページにリンクできるように、配信プラットフォームの概要欄などには、ECのサイトのURLなどを必ず添付しましょう。
商材との相性を考えてインフルエンサーを起用する
インフルエンサーを起用する場合は、商材との相性を考えてインフルエンサーを起用し、なるべくインフルエンサーの意向に沿った配信を心がけましょう。
インフルエンサーが普段配信している内容と紹介内容があまりにもかけ離れていると、視聴者が興味を持てなくなってしまいます。
インフルエンサーにとってもファンが減少する要因になるため、配信内容や方法は双方でコンセンサスを取ることが重要になるでしょう。
配信する時間のタイミングを考える
商品の特性によってライブ配信の適切なタイミングは異なります。
中高生向けの商品は学校が終わる午後4~5時頃に、サラリーマン向けの商品は仕事が終わる午後6~8時頃に配信時間を設定するなどして、最も多くの視聴者が集まる時間帯を検討する必要があります。
まとめ
今回はライブマーケティングについて解説してきました。
ライブマーケティングは今非常に注目を浴びており、取り組みとして新たに採用する企業も多くなっています。
しかし、ライブマーケティングを実施する際は顧客となる視聴者はもちろん、起用するインフルエンサーの特性や商品と相性などに関して綿密にすり合わせする必要があります。
この他にも、事前に把握しておくべきポイントが非常に多いため、十分に計画を立ててから効果的なライブマーケティングの実践を試みましょう。
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