デジタルアートの作り方とは?おすすめのペイントソフトについても解説
近年、多くの商業施設などでデジタルアートを活用したイベントや展示などが行われており、注目を集めています。今回の記事ではデジタルアートの作り方や、おすすめのペイントソフトについて詳しく解説します。
デジタルアートとは
デジタルアートは、コンピューターを活用して制作される現代アートの1つです。デジタルアートと一口にいっても技法や種類によってさまざまな違いがあります。以下では、デジタルアートの主な種類と制作前の準備についてご紹介します。
主な種類
デジタルアートの種類には、コンピューター上で画像を制作するアートやソフトウェアを活用して描く「イラストレーション」をはじめ、デジカメで撮影したデジタル写真や画像による視覚効果「SFX」を活用した写真・映像関連のものがあります。また、絵画を描く手法を用いてコンピュータ上で作成するものの他、テレビやスマホ向けのゲーム関連、電子音楽などもデジタルアートの一種だといわれています。
デジタルアートを始める際の準備
デジタルアートの制作には、パソコンの他にペイントソフトとペンタブを準備する必要があります。ペイントソフトとは、コンピューター上でイラストを描くための専用ソフトです。無料で利用できるペイントソフトもありますが、利用できる機能に制限があり、有料のものと比べて作品のクオリティにも差が出てしまいます。対して、有料のものであれば搭載されている機能も豊富です。また、定期的にアップデートが行われるため、最新技術でイラストを描ける環境を整えられます。
ペンタブは、パソコンでデジタルアートを制作するためのパネルとペンがセットになっているものです。マウスでの制作も可能ですが、線を描く際に角ばってしまい、なかなか上手く描くことができません。ペンタブを使用すれば、マウスよりも綺麗に線を描くことが可能です。また、ペンの種類も筆やエアブラシなどの種類があり、イラストに合わせた使い方ができます。
デジタルアートの作り方
デジタルアートの作り方として覚えておきたいのが「Processing」です。以下では、Processingの概要や活用するメリット、始め方について解説します。
Processingとは
本格的なデジタルアート作品を簡単に制作できるプログラミング言語の1つです。プログラミングの知識に自信がない方でも簡単にコードを作成し、実行結果を視覚的に把握できる利点があります。
Processingは、コンピューター上で制作したイラストを移動させる処理が得意なため、アニメーションやグラフィックデザインなどにも活用されているソフトです。また、WindowsやMacにも対応しているため、自身が持つパソコンにそのまま取り込んで利用できます。
Processingのメリット
Processingは上記で説明した通り、ソフトを開けばすぐにプログラミングコードを書ける仕様になっています。シンプルにコード入力ができるのも特徴で、文字を入力したい場所に「text」と入力すれば、文字の色や大きさも自由自在に変更できます。慣れてくれば、複雑なコードを作成して図形やグラフなどを挿入して、よりクオリティの高い作品の制作が可能です。
さらに、Processingには描写機能はもちろんのこと、日本語対応やファイル挿入などの自動保管ツールが備わっています。これまでにC言語やJAVAを学習した経験がある方であれば、1週間程度で習得できるでしょう。
Processingの始め方
Processingの始め方はまず、ダウンロードサイトにアクセスしてインストールを行います。次に、圧縮されたファイルを展開して「processing.exe」のファイルを開くと起動します。Processingを開いたら、チュートリアルの指示に従って使い方を学びます。プログラミング知識がない方は、無理にすべてを覚えようとせず、まずはある程度の機能を把握するだけに留めて徐々に理解していきましょう。
デジタルアートを印刷する際のポイント
ここでは、デジタルアートを印刷する際の主なポイントを3つご紹介します。
解像度の確認
作成したイラストは、印刷する際の解像度によって画質に差が生まれます。解像度は「dpi」という数値で表され、数値が高ければ高いほど画質も綺麗になります。デジタルアートを印刷する際の解像度は、最低でも300dpi~350dpi程度の数値に設定しておく必要がありますが、初期設定では基準値以下の解像度に設定されている場合もあるため事前に確認しておきましょう。
プリンターの印刷モードの設定
デジタルアートの印刷では、印刷方法と印刷品質の設定を調整することも重要です。特に印刷品質の設定は、解像度に影響するため必ず行うようにしましょう。
印刷する用紙
デジタルアートの印刷には、インクを直接紙に噴きつける「インクジェットプリンター」がおすすめです。インクジェットプリンターでイラストを印刷するためには、従来の普通紙ではなく専用の光沢紙などを使用するとより綺麗に印刷できます。
近年注目されている「NFTアート」とは
ここでは、近年注目を集めているNFTアートについてご紹介します。
NFTとは
NFTは、インターネット上でデジタルアートなどの所有権を保有するものです。日本語では「非代替性トークン」と呼ばれており、今まで複製が容易であったデジタル作品を1つずつ区分し、所有権の主張を可能にしたものです。NFTは、一般的にEthereumと呼ばれる暗号通貨で購入しますが、手順が複雑で手間がかかってしまいます。そのため、初めて購入される方は日本語にも対応しているOpenSeaでの購入がおすすめです。
NFTアートが注目されている背景
NFTアートは暗号資産などの基本技術「ブロックチェーン」を活用したもので、複製ができない唯一性が特徴です。従来はデジタルアート作品の複製が容易で、資産価値を持たせることが困難でした。しかし、NFTアートの登場によってデジタルアート作品の所有者や真証性を証明する材料にできるとともに、実際の絵画のような資産価値を持つものとして注目を集めています。
おすすめのペイントソフト3選
ここでは、おすすめのペイントソフトを3つご紹介します。
CLIP STUDIO PAINT PRO(クリスタ PRO)
世界で5,000万ユーザーのシェアを誇るシェアナンバー1のペイントソフトで、100校以上の大学や専門学校で活用されています。特徴は、ペンやブラシが豊富に用意されており、イラストに応じて使い分けることが可能なことや、多機能な割にコストパフォーマンスに優れている点です。全ての機能を使いこなすには時間がかかりますが、初心者~中級者程度の方には満足できるソフトになっています。
ペイントツールSAI
ユーザーがイラストを描けるようになることを目指して開発されたシンプルなペイントソフトです。イラストを描く機能が画面に分かりやすく配置されているため操作感に苦労はしませんが、対応しているのがWindowsのみとなっています。タブレット上でのタッチの心地良さの追求や、バグの発生による強制終了のリスクを軽減させるための保護機能が備わっているのが特徴です。
PhotoshopCC
一般的なペイントソフトではなく、写真の加工がメインのグラフィックソフトです。写真の編集・合成・グラフィックデザインを、AIを活用することでより魅力的な作品に仕立てられます。また、AIが新たなスキルを学習することで、ライブストリームでプロジェクトを共有できます。さらに、1,000種類を超えるブラシコレクションによって豊富な線を描けるのPhotoshopCCの魅力です。
まとめ
今回の記事では、デジタルアートの作り方とおすすめのペイントソフトについて紹介しました。デジタルアートはコンピューターを活用して制作する現代アートの1つで、素材を取り込んだりタブレットで制作したりと制作技法もさまざまです。デジタルアートを作る方法としては、まず簡単なものとしてProcessingと呼ばれるプログラミング言語を覚えておくようにしましょう。また、デジタルアートを印刷する際には、画質の解像度やプリンターの設定、使用する用紙にも気を配る必要があります。
本記事でおすすめしたペイントソフトの特徴を踏まえ、デジタルアートの世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
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