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ピクトグラムの歴史をご紹介!オリンピックとの関係についても解説
TIPS 2021.10.18

ピクトグラムの歴史をご紹介!オリンピックとの関係についても解説

私たちが日々の暮らしの中で当たり前のように目にしているさまざまなマークの中に、ピクトグラムというマークがあるのはご存じでしょうか。東京オリンピック2020を通じて、その名を知った方も多いでしょう。では、ピクトグラムはどのような形で、私たちの生活に関わっているのでしょうか。本記事では身近なピクトグラムの例を、歴史を交えながら詳しく解説します。

ピクトグラムとは


以下では、ピクトグラムの詳細について解説します。

概要

ピクトグラムは、主に駅や空港などの公共機関で使用される、視覚的に情報・注意を伝えるための記号の1つです。絵文字や絵単語とも呼ばれています。図で視覚的な表現をするため、言語に左右されず内容を伝えることが可能です。種類は大きくJIS規格(日本工業規格)とISO規格(国際標準規格)のふたつに分けられます。JIS規格のピクトグラムは、日本人が意味を解釈しやすいように作られているのが特徴で、非常口のピクトグラムなどがその代表です。一方、ISO規格のピクトグラムは、日本のみならず世界中でも通用するように作られたもので、主に外国人観光客に向けて使用されています。

ピクトグラムの歴史

1920年に、哲学者のオットー・ノイラートとイラストレーターのゲルン・アルンツによって、統計学で使用する目的で作成されたのがピクトグラムの起源とされています。当時はまだピクトグラムではなく「アイソタイプ」と呼称されていました。実際にピクトグラムとして普及したのは1964年以降で、そのきっかけになったのはその年に開催された東京オリンピックです。ピクトグラムが普及したことにより、文章を読む習慣がない地域の方でも、経済動向などを把握できるようになりました。

メリット

ピクトグラムがもつメリットとして挙げられるのは、個人の「読む」能力に左右されず、理解できることです。絵だけでも伝わりやすい表現がされているため、文字の読めない小さな子供や、文字を読む習慣がない地域の方でも内容を理解できます。文字と組み合わされるピクトグラムもありますが、大抵は絵だけで意味のわかるものがほとんどです。注意や警告などを即座に伝えるために、絵柄を赤色で作成して訴えるタイプのピクトグラムも存在します。また、絵柄がシンプルなため、多少遠くから見たとしても理解がしやすいといったメリットもあります。

身近なピクトグラム


実際にどのような種類のピクトグラムが使用されているのでしょうか。ここでは、身近なピクトグラムの例をいくつかご紹介します。

トイレのマーク

私たちの生活になじみ深いピクトグラムとして挙げられるマークです。しかし、はじめはマークの意図がなかなか認識されず、一般的に普及したのは1970年の大阪万博からといわれています。トイレマークのデザインが形と色の二重識別であるのは、国によって女性が必ずしもスカートを履くわけではなかったり、男性でもスカートを履く国があったりすることが理由です。

非常口のマーク

世界的にも有名な緑色の非常口のマークが生まれたきっかけは、1973年の熊本デパート火災です。赤い炎の中でもっとも映える色が緑であることに加え、逃げ口をひと目で伝えられる形であるため、高く評価されています。また、非常口マークのデザインは2種類あり、それぞれ持つ意味が異なります。例えば、背景が緑色のデザインのものは「避難口誘導灯」と呼ばれており、非常口自体を指しているのが特徴です。また、背景が白色のデザインは「通路誘導灯」と呼ばれるものもあります。こちらは、非常口に到達するまでの道のりとなる廊下や階段などに設置されています。

車椅子のマーク

1969年に国際リハビリテーション協会によって制定されたマークで、正式名称は「国際シンボルマーク」とされています。車椅子の利用者に限定しているイメージがありますが、正確には障がい者の方全般が利用できる施設・場所を表すマークです。また、全世界で使用されているマークであるため、ISOでも標準化されています。

ピクトグラムとオリンピックとの関係性


ピクトグラムを解説するうえで欠かせないのが東京オリンピックの存在です。
ここでは、ピクトグラムとオリンピックとの関係について解説します。

東京オリンピックとの関連

ピクトグラムといえば、2020年開催の東京オリンピックの開会式で見られたピクトグラムを演じるパフォーマンスが記憶に新しいかもしれません。そもそもピクトグラムというものは、1964年の東京オリンピックが発祥です。そのため、ピクトグラムは東京オリンピックと特に関係が深いマークと言えます。英語圏でない日本と世界をつなぐ、意思疎通を目的とするツールとして、ピクトグラムが作成されました。

オリンピックにまつわるピクトグラムの歴史

当時、日本人の英語力は、来日した外国人とコミュニケーションをとれる水準には達していませんでした。そのため、「誰でも見ただけで理解できるマーク」というコンセプトのもと、名のあるデザイナー11人によって約30種類のピクトグラムが作成され、オリンピック競技種目などに活用されました。当時、アートディレクターであった勝見勝氏は、ピクトグラムの作成にあたって、日本の伝統遺産物である家紋を参考にしたとされています。その後、デザイナーたちがピクトグラムを社会的に広めるとの理由で著作権を放棄したため、ピクトグラムが世界中で利用されるようになりました。

オリンピックで活用されたピクトグラムの種類

オリンピックの競技種目を表すために生み出されたピクトグラムは、開催国ごとにさまざまな違いがあります。1968年開催のメキシコオリンピックでは、古代メキシコの象形文字や先住民族のウイチョル族のアートをモチーフにしたデザインが採用され、アスリートである人間ではなく、競技で用いられる器具や用具などを表現しているのが特徴です。2000年開催のシドニーオリンピックでは、オーストラリアの先住民族であるアボリジニが使用していた、狩猟道具のブーメランをモチーフにしたものが採用されました。文化への敬意と同時に、アスリートの疾走感を表現しているのが印象的です。2008年開催の北京オリンピックでは、中国の伝統である篆書体(てんしょたい)をモチーフにしたピクトグラムが使用されていました。自国の文化と同時に、文字が持つ滑らかさを表現しています。
競技種目を表すピクトグラムは、競技のルールや意味を伝える役割と同時に、各国の特色をアピールする効果があることがわかります。

ピクトグラムに関する問題点や活動について


高い機能性を兼ね備えているピクトグラムですが、短所と言われる点もいくつか存在します。ここでは、ピクトグラムに関する問題点や、今後のために行われている活動について解説します。

弱みとされるポイントについて

地名や駅名といった、文字でしか表せないものはピクトグラムへの変換ができません。また、道具の形や人の所作など、国や地域によって違いが出るものの表現も困難です。例えば、フォークとナイフのマークがあった場合、ほとんどの方は飲食店を表していると認識できます。しかし、食事にそれらを使用しない国の方々は理解することが難しいでしょう。また、ピクトグラムのデザインは世界各国で指定されている公式なものが存在しないため、デザイナーの個性によって差が出てしまいます。そのため、公共性がなくなってしまうケースがあります。

温泉マーク問題について

湯船を表す半円と湯気を表す三本の線で成り立つ温泉マークは、日本人の認知度は高いものの、海外の方には湯気の立った料理に見えてしまいます。このような解釈の難しさから、デザインの見直しが求められた経緯があります。半円の中に人型のマークを入れたものに変更する提案もありましたが、老舗温泉地からの反発を受け、従来のデザインがそのまま定着することになりました。

災害標識について

日本という国は、海外の方にも「災害の多い国」として認識されています。日本の防災対策は東日本大震災をきっかけに、全国規模で大きく見直されることとなりました。その例として、ピクトグラムのJIS規格を新規で設ける活動が挙げられます。また、ピクトグラム内に英語を併記することも提案され、外国人への配慮にも力を入れています。

まとめ


今回は、私たちの暮らしを影で支えているピクトグラムの概要や主な種類、オリンピックとの関係性、問題点について解説しました。オリンピックでは言語の壁を超えて、大会をサポートする役割を担っていましたが、全世界中に浸透させるためには、文化の違いなどによる解釈の不一致などの問題点を解消しなくてはなりません。この記事で紹介した内容が、ピクトグラムを理解するきっかけになれば幸いです。

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