ソーシャルリクルーティングとは?気になるメリットや注意点を解説!
日本はもちろん、SNSは世界中の多くの人に浸透しているメディアです。
このSNSを活用した「ソーシャルリクルーティング」を導入する企業が昨今増えています。ソーシャルリクルーティングでは、従来の就活サイトを利用した採用活動と違い、SNS上で応募者とコミュニケーションを取りながら採用を進めることが可能です。面接などの限定されたシチュエーションと異なり、ソーシャルリクルーティングではより柔軟な充実したコミュニケーションを実現できます。この記事ではそうしたソーシャルリクルーティングの概要やメリットをご紹介します。
ソーシャルリクルーティングとは
ソーシャルリクルーティングとは、TwitterやFacebookといったSNSを活用した採用手法を指します。2018年の総務省の調査によると、日本の20代のSNS利用率はほぼ100%であるそうです。
SNSを採用活動に活用することで、求職者との距離を縮めることがソーシャルリクルーティングの狙いです。ソーシャルリクルーティングの効果としては、形式にこだわった企業ではなく、雰囲気の良い企業だと認知してもらうことで、好感度や応募率のアップが期待されます。このように、一般の人材紹介や転職サイトとはまた違う求職者へのアプローチが可能なことが特徴です。
ソーシャルリクルーティングのメリット
それでは、ソーシャルリクルーティングのメリットには具体的にどのようなものがあるでしょうか。代表的なメリットを解説します。
入社希望者の増加
SNSはその拡散力も大きな魅力です。企業の良いニュースがあれば、トレンドに上がることも珍しくありません。今までは興味が薄かった企業にも、関心を持つ機会が増えるでしょう。また、ハッシュタグや検索など、便利な機能も搭載されているので、採用イベントや会社説明会開催後には来場者の生の声も集められます。高評価の投稿が多いほど情報の拡散を期待できるので、入社希望者の増加に結びつく可能性も高まります。
コミュニケーションの充実
SNSでは双方向の柔軟なコミュニケーションを図れます。コメント機能ではさまざまな意見も寄せられますし、個別のメッセージで質疑応答をする機会もあるでしょう。メールや電話だと一方的なコミュニケーションになりがちですし、相手に緊張感も与えてしまいます。一方、SNSであればリラックスした状態で対話ができ、企業に対する率直な意見も伺えます。ソーシャルリクルーティングを活用すれば、より充実したコミュニケーションを実現できるでしょう。
ミスマッチの予防
就職で避けたいものの代表例はミスマッチではないでしょうか。ミスマッチがあると入社された方にとっても違和感が大きいはずですし、企業としても余計なコストと手間がかかってしまいます。そこでソーシャルリクルーティングを導入すると、こうしたミスマッチの予防策としても役立ちます。企業がSNSなどで発信する情報からは、決まりきった定型的な内容だけでなく、さまざまな側面を感じられるはずです。SNSを通して、企業文化や風土、そこで働く方の性格なども見えてくるのではないでしょうか。ソーシャルリクルーティングであれば、より効率的に企業の活きた情報を収集できるので、ミスマッチを減らせるでしょう。
採用コストの削減
SNSの特徴として、無料で使用できるものが多いことが挙げられます。人材募集を行う際もネックとなる予算の問題がなく、導入のハードルも低く済みます。また、どのような人材を募集するのかによって、有料サービスとSNSを使い分けて採用活動を行うこともおすすめです。
代表的なSNSの特徴
SNSは多くの人が活用しているツールです。SNSといっても種類は沢山あり、人によって利用しているSNSは異なるでしょう。以下では、代表的なSNSについて解説します。
LINE
日本国内で最もユーザー数の多いSNSがLINEです。国内で4,500万人以上が利用しており、日本の総人口が1億2700万人なので国民の約40%がLINEを活用しています。企業からユーザーへ情報を発信するためにはLINE公式アカウントの登録が必要です。無料でも1,000通まではメッセージを送ることができ、それ以上は送信数により料金が変動します。プラン変更はいつでもできるので、自社に合うプランを選びましょう。友達登録によるメッセージの開封率は特に高い特徴があるのもLINEの魅力です。
Instagramは映像や写真を投稿できるサービスです。2020年の総務省の調査によると利用率は約35%ですが、男性は約30%、女性は約40%となっており、女性からの支持が高い傾向があります。ストーリーズ機能では動画や画像にテキストを書き込むことができます。トレンドに敏感な若いユーザーに特に人気があり、「インスタ映え」と呼ばれるお洒落な投稿が多いのが特徴です。文化やカルチャーなどと関わりの深い企業やtoC向けのアイテム販売をしている企業は、Instagramとの親和性も高いのではないでしょうか。ただ、ソーシャルリクルーティングにおいては金融系企業など、一見すると親和性の高くないような企業も活用しています。情報感度の高い層、マーケティングやコンテンツへの興味関心が高い層を求めている方は、Instagramを活用してみると良いかもしれません。
Twitterは140文字までのテキストや画像、映像を投稿することのできるWebサービスです。2020年の総務省の調査によるとTwitterの利用率は約40%弱と、多くの人が活用しています。プロフィールを登録しなくても利用できるので、匿名性が高い特徴があります。ソーシャルリクルーティングでTwitterを利用すれば、企業に対して率直な意見やリアクションが得られるでしょう。また、Twitterでは他ユーザーのツイートを転載できる機能があり、投稿が注目されれば即座に拡散されます。ただ、情報がデマの場合でも広がりやすい点には注意が必要です。
Facebookは世界規模で広まっている日記形式のSNSです。2020年の総務省の調査によると、日本におけるFacebookの利用率は約33%あります。30代は約50%と最も高く、約二人に一人が活用しているという結果となりました。Facebookでは実名を使い、プロフィールを登録して利用する特徴があります。プライベートの交友だけでなく、ビジネスでの人脈を広げることを目的にして活用している人も多くいます。そのため、ソーシャルリクルーティングでも人気の高い媒体として多数の企業に利用されています。
ソーシャルリクルーティングの注意点
ソーシャルリクルーティングにはメリットが多数ある反面、SNSという媒体の特徴からいくつか気をつけたいポイントもあります。以下では、ソーシャルリクルーティングの注意点を解説します。
定期的な情報更新が必要
ソーシャルリクルーティングでは、より多くの人に認知してもらうために定期的なメンテナンスや更新が必要です。というのも、採用サイトでの求人募集と異なり、短時間で効果が出るものではないためです。公式SNSアカウントで更新が足りない場合には、利用者の目に触れる機会が減り、既存のフォロワーにとっても新たな情報が得られないと感じさせてしまう原因になります。
情報漏洩などのリスクがある
多くの人の目に触れるSNSでは、情報の漏洩というリスクは無視できません。不注意で内部情報を投稿してしまえば、情報漏洩が簡単に発生してしまいます。また、テキストだけでなく写真にも注意が必要で、思わぬ情報が映り込んでしまう危険性が潜んでいます。こうした事態を回避するためには投稿内容や公開範囲、タイミングを複数人でチェックするなどのルールを設けることが必要です。
炎上する可能性も
ソーシャルリクルーティングで利用するSNSは、求職者と企業双方のコミュニケーションや情報を拡散できることが魅力です。しかし、魅力であるコミュニケーションで、配慮の足らない内容や軽率な発言があると、対象に批判や避難、誹謗中傷が殺到するといった炎上が起こる可能性があります。炎上を回避するためには、自分の発言に責任を持ち、細やかな気配りをする必要があるでしょう。
まとめ
ソーシャルリクルーティングは、多くの人が使うSNSを利用した採用活動です。特に国内での20代のSNSの利用率はほぼ100%と大きく、私たちの生活に根付いているツールです。企業がそのSNSに目をつけ、採用活動を始めたのは必然かもしれません。拡散性や話題性などSNSには多くのメリットがあります。扱いには注意が必要ですが、うまく導入すれば企業のリクルーティングを大きく前進させるでしょう。自社にマッチするSNSを選定して、ソーシャルリクルーティングを始めてみてはいかがでしょうか。
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