コロナの影響によって、物事のオンライン化が進む中で、注目されているのがオンラインスクールです。
特にプログラミングスクールはビジネスでも活況のように感じます。
しかし、ここで問題があります。
エンジニア、デザイナー、ライター、マーケターなどのオンラインスクールに通っても、「転職や独立が上手くいかなかった」という問題です。
これから、オンラインスクールに入って、クリエイティブスキルを積み上げて、未経験の分野へ転職したい、未体験のフリーランスになりたい、または、パラレルキャリアの軸の一つにしたい、そう考えるビジネスパーソンは少なくないでしょう。
そこで今回は、初心者がオンラインスクールに通って、クリエイターとして本当に転職や独立が可能なのか、掘り下げて解説していきたいと思います。
オンラインスクールで転職や独立が上手くいくケース
まず、オンラインスクールを利用して、転職や独立が上手くいく人のケースを見ていきましょう。
ケース1:独学思考の人間がオンラインスクールを完全にツールとして扱う
これは非常に重要なことです。オンラインスクールできちんと実践的な成長を遂げる人はまず、オンラインスクールに心の底から頼り切ったりはしません。
あくまでもオンラインスクールを自己成長の場の一つとして考え、自分が成長するためにオンラインスクールを使い倒します。
そもそもは、独学の意思が強く、独学で補えない部分をオンラインスクールで重点的に学んだり、メンターに質問したりします。
自分の独学の軸が常にしっかりしているため、オンラインスクールで学んだ内容を、「どうやってさらに自分のスキルとして昇華させるか」という視点で捉え、よりよい独学のためのアイデアにすらしていくのです。
オンラインスクール側に「徹底的に使い倒された」と思われるぐらいに、「自分の独学のために利用してやるぞ!」という気概を持つぐらいがちょうど良いのです。
ケース2:オンラインスクールのカリキュラムが実践的で、なおかつ、そこについていくことができる
オンラインスクールのカリキュラムが最初からレベルの高いもので、そのレベルに見合うように努力を続けることができる人です。
未経験の分野なので、最初はまったくリテラシーを持っていません。だから、理解することに疲れてしまいます。「なんだか腑に落ちない」という気持ち悪さを感じるでしょう。分かっているようで分かっていないような妙な心地を感じる人も多いはずです。
しかし、それは何度も何度も繰り返していくうちに、徐々にですが、その分野に理解の仕方や視点が溶け込んでいくんです。その分野にフィットしたセンスやリテラシーが磨かれていくんです。脳の可塑性ですね。
こうした学びの気持ち悪さ・居心地の悪さに何度も打ち勝とうとするマインドを持った人が、オンラインスクールに通って転職や独立を成功させていくのです。
ケース3:潜在意識下で取り組んでいる分野を好きになることができている
スピリチュアルな意味に聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません。
オンラインスクールに通じてキャリアアップを試みる人の中には、「実はその分野にそんなに興味や好意がないにも関わらず、自分で好きだと思い込んでいる」というパターンが見受けられます。
表層的には興味や好意を持っていても、心底では「実は自分にとってはどうでもいい」と思っていることに気づいていない人です。
だから、学びが深くなりません。基礎を覚えて満足するわけです。「新しく何かを学んでいること自体」に新たな自分の可能性を感じ、そこに安心できることが目的になっているのです。
一方、潜在意識の下でも、その分野を好きになれる人は、そもそも何事にも深く興味を持とうという思考があります。自分よがりになり過ぎずに、相手の土俵に入って、相手の土俵を愛そうというマインドがあります。このマインドは、新しいことを学ぶうえで非常に大事なのです。
ケース4:やりたい実験やアウトプットがそこに待っている
オンラインスクールで培った内容やスキルが明らかに大きな力になるとき、そこには、自分が意地でもチャレンジしたい実験やアウトプットが待っていることが多いです。
エンジニア、デザイナー、ライター、マーケターで転職や独立を考える場合、やるべきことは「クライアントワーク」だと思いますが、実際の成長は、「自分勝手にやりたいこと」が強く後押しをしてくれるのです。
こんなWebアプリケーションが作りたい、こんなテイストのデザインで自分の名刺を作りたい、こんな比喩を織り交ぜた記事が書きたい、大好きな友達が作る良い商品を自分がリスティング広告で成果を出せるか試してみたい、こういった目先の実験やアウトプットを持っていると、学びが意地になるのです。
大事なのは、あくまでも目先で実現可能な実験やアウトプットであるということです。「世の中を変えるWebサービスを作りたい!」という曖昧さではなく、程よく短期的・中期的で、程よく背伸びしている実験やアウトプットへ憧れや想いを抱いている人は、転職や独立が結果的に上手くいくのです。
なぜ、オンラインスクールで失敗する人が多いのか?
理由:オンラインスクールは初心者を勘違いさせる仕組みに陥っているから
正直、オンラインスクールは「初心者向け」に構成されています。
すると、初期段階の学びで、初心者はきちんと理解し、自己成長を強く感じるため、自分自身に大きな可能性を感じられるようになります。「このままやれば、新しい世界でも活躍できる!」といった感覚です。
しかし、転職や独立に求められるレベルに近づけば近づくほど、理解を苦しめられる世界にはまり込んでいきます。ここで、自己効力感を一気に失い、自己否定感が強く押し寄せ、学びへのモチベーションが一気に下がってくるわけです。
オンラインスクールを大きく生かす方法
学びの土台を身に着けてから、オンラインスクールへの参加の是非を問う
オンラインスクールで学ぶ内容の3割ぐらいは既にマスターしているという状態で、オンラインスクールに飛び込むと、最初の学びは「復習」になり、メンターともより専門的なやり取りを行うことができます。
プログラミング教室であれば、書籍のリファレンスやコードレシピ集を購入して、その通りに入力してみるところから始めても良いでしょう。2周ほどして、なんとなく概観が捉えられたら、次はUdemyなどの有料動画で学んでみると、脱初級者の階段を徐々に上がっていくことができるようになります。
実際に、そうした土台作りに試みることで、自分の適性が見えてくるでしょう。心から好きになれるのか、キャリアの軸の一つにするほどに愛することができるか、その点もはっきり見えてくるでしょう。
こうしだ土台があって、高額なオンラインスクールの投資のリターンが大きくなっていくのです。
最後に:オンラインスクールを通過儀礼にていこう
アウトプットを重ねることが転職や独立で成功を引き上げる力になる
以上、初心者がオンラインスクールに通ってクリエイターとして転職・独立は可能かということについて掘り下げて解説しました。
結局は、独学で学び続けるような意思があり、その分野を愛し、自然に試したくなることやアウトプットしたくなることを持ち続けられるかということが大事だと感じています。
エンジニア、デザイナー、ライター、マーケターは、自分の専門性で、成果物を作ったり、成果を出したりするのが仕事です。
オンラインスクールの時点で四苦八苦していると、転職や独立はさらに自分の首を絞めることになる可能性が高いです。
ただし、スキルがあれば、需要が多く生まれ、報酬も高くなる、非常にシンプルな世界です。もちろん、コミュニケーション能力などの他のビジネススキルが、身に着けた専門スキルと掛け算になることは言うまでもありませんが、自分なりに一生懸命に真摯にできることを伝えれば、苦手な部分をフォローアップしてくれる環境にありつけるはずです。
また、中級者以上になれば、エンジニア、デザイナー、ライター、マーケターは、あらゆることを学びに変えることができます。
デザイナーであれば、コンビニに行くだけで、あらゆるパッケージデザインからアイデアを得ることができます。ライターであれば、本屋を歩きながら見出しを見るだけでも、仕事へのアイデアに変えることができます。エンジニアであれば、ネットサーフィンしながらたまたまクリックした広告のサービスがヒントになるかもしれません。
スキルが増え、知識が増えることで、日常が自然な学びとなり、その日常が自然に仕事の能力や思考にフィードバックされます。こうなると、とても自分のキャリアが楽しくなっていきますし、新参者に負けずにいられます。
今回の記事で重要だと指摘したマインドセットを持っていれば、初心者がオンラインスクールに通ってクリエイターとして転職・独立することは大いに可能です。ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください。