デザイナーを雇用している制作会社では、日々の案件に対応しながら、デザイナーをしっかりと育てていく必要があります。
では、どうすれば、デザイナーが爆速に育っていくのでしょうか?
今回はデザイナーが大きく成長する方法について掘り下げていきたいと思います。
方法1:忠実に模倣させる時間を作る
デザイナー自身が陥っている個人的なワンパターンを逸脱させよう
所詮一人のデザイナー自身の扱えるデザイン範疇はあまりにもワンパターンです。
なので、そのデザイナーの好きな感覚とリズムで独学を促すと、自分自身のパターンに沿ってしか勉強をしないので、大きな変化を短期間で得ることができません。
ですから、他のデザイナーや他の制作実績を忠実に模倣させる機会を作ることが、デザイナーを劇的に育てるのは効果的です。
演習や研修の時間を確保できない場合は、現実的には、クライアントの案件を利用させてもらいます。例えば、デザイン案を3つ作る際に、そのうちの1つは、指示した既存デザイン制作物のエッセンスをまるまる取り入れたものを作ってもらうのです。
すると、デザイナーのデザインの引き出しがとても増えていきます。
さらには、自分の癖を戦略的に消すことが上手になります。カメレオンのようにいろんなデザイナーが作ったかのような豊富なデザインを施すことができるようになります。
方法2:ライティングの自由度を引き上げる
デザイナーパフォーマンスにライティングは常に影響を与える
デザイナーがデザイン作業をしている際に「文章を当てる」ことはかなり多くあります。
しかしながら、ライターが用意した文章やクライアントから直接もらった文章がデザインを考慮していないことは日常茶飯事です。
すると、ライティングに自信のないデザイナーは一気にデザイン作業のコントロール感を失います。
ライティングをデザイナー側である程度変化しても、ディレクターも、クライアントも、ターゲットユーザーにも、良い影響が当たられると自信を持っていれば、気兼ねなくデザインを変更させることができます。
デザイナーのライティングスキルをチェックし、デザイナーに文章を書かせる機会を増やし、ある程度執筆する力があれば、デザイン作業の際は自身の裁量で書き換えることを肯定させると、デザイン力を発揮しやすくなっていきます。
方法3:どんなデザインがどんな数字を動かしたか事例を徹底して教える
デザインに根拠を持つことができれば、落としどころを分かるようになる
ダメなデザイナーは、「あとどれくらいデザインすればいいだろうか」と落としどころが分からず、とにかくデザインをどんどん足し算する傾向にあります。
結果的に作業に無駄な時間を掛けてしまうのです。
デザイナーがワンストップでヒアリング、企画、ディレクション、制作、ライティング、マーケティング、広告運用を担うなんてことはありません。
そのため、デザイナーは、デザインされたものがディレクターなどからOKを貰ったものの、そのデザインが結果的にどのような影響を持つのかを強く体感することができません。
だからこそ、どんなデザインがどんな数字を動かしたか事例を徹底して教える必要があるのです。
それは自社の実績でなくても良いのです。他社や書籍などのABテストでの変化などを教えるのも良いでしょう。
ECサイトやランディングページの「これぐらいのデザイン、これぐらいの流入で、これぐらいの売上が立つ」ということでも良いでしょう。
逆にあまりデザインに拘らなくても、情報の導線に気を遣うだけで、売りやすいプロダクトがあることなども伝えると良いでしょう。
このようなことを日頃から少しずつ伝え続けると、デザイナーは「こうやってデザインすれば、こういう影響が与えられる」ということがだんだんとセンスとして芽生えます。
すると、「このデザインの状態は、ターゲットへの訴求も十分で、なおかつ、クライアントが求めるクオリティもクリアできている」ということを見抜くのが上手くなります。
方法4:素材を発掘する機会や時間を創出する
自分の持っている素材の多さは、そのままデザイン力に繋がる
素材集めを定期的に行うだけで、デザインの質は高まります。
新しい素材に出会えば、それをデザインして何かを作りたいというモチベーションを得ることもできます。
細かいテクニックを覚えるよりも、素材を購入してその素材を駆使することに時間を作った方が、結果的にデザイン力が高まったりします。
極論、既に素材が多く存在しているのに、その素材を一から作るようなテクニックを自分で覚えたとして、クライアントやユーザからすれば、どちらでも印象が変わらないのであれば、素材を使うべきと言えるでしょう。
デザイナーは自身の作品を作るわけじゃありません。プロジェクトに沿った制作物を、デザインスキルを軸としてアウトプットするのです。
フリー素材、テンプレート、ツール、システムなど、世の中にあるありとあらゆるものを味方に付けると、デザイナーは劇的に育っていきます。
最後に:デザイナーが力を発揮するということの本質を考えよう
デザイナーはデザインに終始するのでなく、デザインを軸に力を発揮する職業である
以上、デザイナーの育て方、劇的にデザイナーの成長を促す方法について掘り下げてきました。
デザイナーを力強く育てるのであれば、「デザイナーはあくまでもデザインスキルを軸にパフォーマンスを高めるビジネスパーソンである」と思うくらいが良いでしょう。
デザイナーが「デザインに終始すればよい」という考えでは、デザインの本質をデザイナーが捉える機会を失うからです。
デザイナーが力を発揮するということの本質は、デザイナーが今後、デザイン以外のビジネスに携わっても、デザイン思考でビジネスを成功に導くことができることを意味します。
それぐらいデザインの本質は、多様なビジネスで通用すると言えます。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。