情報化社会の中で、人は日々様々な情報刺激を受け、1つ1つの情報に対して精神的に深追いできなくなっています。
マスメディアやデジタルメディアから発信される広告やマーケティングに対しても、ユーザは日々慣れていくわけです。
そのため、「その気にさせて、その日のうちに買ってもらう」という消費喚起がとても難しく、広告らしい広告は避けられてしまいます。
そこで重要なのが、潜在顧客に対して真っ先に売り込まずに、まずは「見込み客」になってもらうリード獲得戦略です。
今回は、リード獲得施策のポイント、見込み客を増やす方法について掘り下げて解説していきたいと思います。
方法1:ニーズのある情報を「特典」として配布する
閉鎖的に課題を抱えがちな分野で大いに活きるリード獲得施策
無料で情報を出すことで見込み客増を狙うことができます。
大切なポイントは、無料で公開する情報に価値があるということです。その価値というのは、悩みを抱えている人の課題解決を促すものでなければなりません。
そして、その課題解決をさらに促進させるために、「自分たちの売りたい商品(サービス)が存在している」という意識づけを行うことで、見込み客は、既存客へと育っていきます。
ニーズのある情報を「特典」として配布する方法は、以下のような選択があります。
ホワイトペーパー
B to B系のプロダクトやサービスを展開するなら、ホワイトペーパーを作ることはとてもオススメです。
ホワイトペーパーとは、「無料教材」のようなものです。
特定のB to Bの特定の課題解決をノウハウにしている教材は、書店にはなかなかありません。それが無料で手に入るわけです。ターゲット(潜在見込み客)からすれば、とても有難いことなわけです。
ホワイトペーパーも含めた情報特典を見込み客にする場合のポイントは、なるべく「長期的に使えるもの」を用意することです。
例えば、「流行しているプラットフォームに関するマーケテイングノウハウ」は、そのツールの人気が無くなったり、プラットフォームが大幅にアップデートしたりすると、一気に使えなくなります。
一方で「対人コミュニケーション」は、根本的には変わりがないため、アップデートする際も、時代の価値観や事例などをその都度適応させるだけで非常に楽ですよね。
流行に適応させた情報特典は、短命であることを前提に展開し、5年以上使えるようなホワイトペーパーも同時に作っておくと、1つの数十ページの教材が数十人の社員の労力よりも力強く見込み客を呼び寄せるということもあるでしょう。
マガジン
メールマガジンやLINEQに誘導して、情報を定期的に流すというものです。
見込み客になっていない人を見込み客にすることを考えると、リスティング広告などを仕掛け、あるニーズを解決するような無料メルマガ登録へ誘導することになるでしょう。
ステップメールで既にシナリオを作っておくと、見込み客から既存客へのオファーも、完全に自動化することができます。
オウンドメディア
一時期はやった方法で、SEOやSNS経由で数十万PV等を作ることが可能ですが、来訪したユーザとの結びつきを強くすることが難しいのが弱点です。
ポイントはPVを追わずに、根の深い課題(検索ニーズ)への解決に寄り添う記事などを執筆するということです。
オウンドメディアを作るのであれば、ホワイトペーパーやステップメールを記事下にアピールし、誘導すると、見込み客はよりスムーズに獲得しやすくなります。
方法2:無料やお試し価格でトライしてもらう
同時にユーザの声や素材を集めるリード獲得施策となる
単純に無料で使ってもらったり、サンプルを配布したり、という分かりやすい手法です。
特に商品力に自信がある場合は、この手法は有効で、最近ではクラウドファウンディングで「お得な先行販売」を仕掛けることで、一気に見込み客を飛び越えて顧客なってもらうことも可能です。
とにかく使ってもらえば魅力は分かるというようなフックがある商品は、無料体験やお試し価格によって、ユーザの良質な喜びの声が集まります。
ポイントは、その声などをきちんと集めること、ユーザに対して動画や写真の撮影などを行い、記録にするということです。
そうすることで、セールスを促すメディアの情報に追加できる素材となり、メディアでのセールス力が強まります。
方法3:キャッシュポイントを変化させる
お金を払ってもらう時期やタイミングや内容を変えることがリード獲得施策となる
これは無料やお試し価格に近いのですが、今までキャッシュを得ていたポイントを別のポイントにズラすことで、商品の価値やサービスの仕組みそのものに大きな影響を与え、見込み客増を増やすというやり方です。
販売を無料レンタルにしたり、最初の1ヵ月は無料にしたりといったことで見込み客の間に、利用を習慣化させ、キャッシュポイントが来る頃には顧客になることに腑に落ちているというものです。
方法4:まったく別の業界に向けたプロダクトやサービスを作る
ある業界からある業界へ見込み客を呼び込む施策
今までとは違う分野の商品やサービスを展開することで、新たな属性の顧客と接点が生まれ、その顧客を、別の商品やサービスの見込み客にする方法です。
例えば、健康食品であれば、青汁の顧客に対して、腸内細菌サプリの見込み客になってもらうようなこともあるでしょう。
ウェディングの見込み客を獲得するために、美容のメディアを行ったり、誕生日ケーキのサービスをするということもあるでしょう。
新規事業をすることに対しては大きな負荷が掛かりますが、事業の柱が二分野になることで、片方が時代の波を受けても、片方が生き残れば、存続することもできます。
方法5:相手の気分を害せずに「露出」を増やす
一般消費財は単純な露出がリード獲得施策となる
これはマーケティングオートメーションやCRMなどで実際の数値にすることはできませんが、単純に露出を増やすことも立派な見込み客増です。
ポイントは相手の気分を害さないという点です。
例えば、YouTube広告は予算がとても安価だからといって、過剰に露出すると、広告としてその企業がかなり毛嫌いされてしまいます。掲示板やまとめサイトで批評されれば、その事実はWeb上にずっと残ってしまいます。
アナログな方法であれば、程よく訴求された宣伝カーなどは効果的です。レッドブルは、宣伝カーを乗り回すだけでなく、レッドブルのサンプルを配布したり、レッドブルガールがアピールをしたりしています。
このように相手の気分を害せずに、程よい訴求で露出を増やすことで、一般消費財では、隠れた見込み客を増やすことに繋がります。
最後に:見込み客が増えれば、ビジネスの潜在能力は大いに高まる
見込み客を増やす施策について様々な可能性を見出していこう
以上、リード獲得施策、見込み客を増やす方法について掘り下げてきました。
見込み客は、既存の商品やサービスの既存客へと変わる存在に留まりません。
見込み客とは、見込みであって、最終的には既存の商品でなく、未来に作るであろう商品やサービスの見込み客であっても良いわけです。
なぜなら、1人の見込み客が抱えている課題や悩みやニーズは1つではないからです。
そのため、様々な属性の見込み客が増えれば、既存の商品の顧客とるだけでなく、今後展開するサービスの見込み客にもなるわけです。
すると、顧客は、コミュニティビジネスのように、自社のあらゆる商品やサービスを利用し、声を届け、ブランドを愛し、関係を持ってくれるようになります。