皆さんは誰かに、または何かに「ハマってしまう」「ファンになってしまう」「虜になってしまう」ということが今までにあると思います。
リアルやネットを見渡しても、誰かが何かしらのコンテンツに傾倒していることを感じることができますよね。
「人が何かを好きになるのは当たり前」という感覚から、より敏感に「人はどんな状態で、どんな心理で、どんなものに心を奪われるのか」を掘り下げれば、制作作業やマーケティングなど、様々なクリエイティブな場面で最適なパフォーマンスが出せるようになります。
そこで、今回は人がコンテンツに対してファンになる心理について解説していきたいと思います。
ファンになる心理1:自分が体現したい世界観の先導者である
自分の理想の代役こそが好きになる理由を作る
「そう!こんな世界が欲しかった!」という想いを呼び起こしてくれるコンテンツやパフォーマー(タレントやアーティスト)に対して人は心焦がれていきます。
それは自分の人生が不可抗力な部分を多く含んでいるからです。
私たちは生まれてからすべてを悟っているのではありません。世の中に対して分からないながらに生きて行くなかで自分の唯一性のある人生が作られていきます。
その自分自身の唯一性とは立派な個性なのですが、逆に言えば、手に入らない世界や選べない道が生まれてくることを意味します。
自分ではクリエイティブできないけど、自分がこうあって欲しいという世界観を体現したアーティストには思いっきりファンになるでしょう。
ファンになる心理2:現実や自分に対する否定感が強い
自己逃避や現実浮遊が好きになる理由を作る
一時的にでも、自分自身が夢を見られるような疑似世界が作られ、その疑似体験を現実のように捉えることで、陶酔感を味わおうと働きかける人が存在します。
こういった人たちは、現実の自分自身に対する肯定感が低かったり、現実そのものを思いっきり楽しみ切れていない状況を抱えています。
もしくは、自分自身と思いっきり向き合うことに対して少々ネグレクトになっているのかもしれません。
世の中には様々な人が様々な状況を抱えています。そして、各個人のストーリーにも紆余曲折があります。
その中で、現実から逃避したり、現実のネガティブな側面を解消するためにというきっかけは悪いことではなく、いたって人間らしい行為なのです。
そう考えると、心を埋めやすい特性を持ったコンテンツはとても求心力を持つようになるでしょう。
信仰の歴史を見ても、人は何か心を託せるものを常に探していると言えます。
つまり、好きになることは人間として生きることをラクにしてくれる効果があるのです。
ファンになる心理3:一助を担いたい
自分の存在感を入れ込むことが好きになる理由を作る
圧倒的なカリスマ性やアーティスト性をトップダウンで突きつけることをしなくても多くのファンを抱えているコンテンツやインフルエンサーは存在しますよね。
単純に「趣味趣向に沿った人の一助を担いたい」という想いもファンになるポイントです。
これはファン心理だけでなく、クラウドファウンディングでお金が集まる要因の一つとしても捉えることができます。
自分がピンと感じた人を助けることで、自分の存在感を示すことができます。実際に相手が自分への存在感を感じていなかったとしても、それを明確に否定されない限りは自分が自分に納得することができます。
アイドルの暗黙のルールは、ファンが自分で一助を担うことで、まるでパートナーのように陶酔できる感覚をエスコートしていると言えるでしょう。
最後に:ファンとはとても有難い存在である
ファンに対して真摯なコンテンツは大きな影響力を持っていく
以上、人が誰かの、もしくは何かのファンになる心理を紐解いていきました。
「純粋にこれいい!」と好きになる背景には、当人の置かれた精神状態や状況が関係していることが理解できたと思います。
そして、人は自分の刻まれた行動パターンの中からファンになるものを探します。だからこそ、趣味趣向が多様化するのです。
ですから、本当にいい物を作って、ある一定のニーズをクリティカルに捉えていると感じるなら、多くの人の行動パターンの中に露出するように働きかけることが非常に大切となります。
相手が好むものを作る際は、「相手はできることなら目に触れたものを好みたい」という視点に立つと良いでしょう。
要は出会ったものが素敵ならそれを決め打ちして、ずっと好きになっていたいと潜在的に思っているという視点です。
その視点を持っておくと、人がスルーするには理由があるという視点を持つことができ、人が何気なくスルーする際に、スルーすることを深追いするようになります。
すると、スルーされないためにやるべきことが見えてくるでしょう。
ファンになってもらうということは、それだけ心を許して接近してくれているという証です。とても素敵なことですよね。
ファンに対して真摯なコンテンツは、大きな影響力を持ち、それだけでなく、こちらの逆境に対しても寄り添ってくれるようになります。
相手に好まれるものを作ろうとする際は、ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください。