自分で正しく投げれば、キレイに自分のもとに返ってきてくれる、それがブーメランですよね。
しかし、物事とは投げ掛ければ、負の反射や反応が返ってくることも多いものです。
そこで、今回は、心理学法則である「ブーメラン効果」「ブーメラン現象」を分かりやすく解説していきます。
ブーメラン効果とは

説得するほどに相手が反抗を強めてしまう現象
ブーメラン効果、ブーメラン現象とは、「こっちが相手に何かをもたらそうとやればやるほど、逆効果になること」を意味します。
・説得すればするほど反発する
・説教すればするほど反論される
・広報すればするほど避けられる
・称賛すればするほど酷評を受ける
・好意を示すほどに嫌われる
要は、この世の中には「やり過ぎると逆効果になる」ということが大いにしてあるということです。
ブーメラン効果は、人間社会を世の中を複雑に理解しにくくしているとも言えます。
なぜなら、「良いノウハウ」でも、量を間違えれば、まったく逆の効果を示すからです。
商品レビューなどで、レビューが真っ二つに分かれれていたりしますよね。
ブーメラン効果は私たちに「ノウハウの質量に私たちは常に気を遣うべきだ」という教訓を教えてくれています。
ブーメラン効果が起きる理由

理由1:違和感が表出するから
過剰なアプローチを受けると、アプローチを受けた側は「何でそんなに必死なんだろう?」と違和感を覚えるようになります。
この違和感は相手のアプローチが過剰になると、終いには警戒心や不信感に繋がります。
違和感や不信感や警戒心は、自分自身の安堵や安定を否定するものです。要は、自己否定に繋がるのです。
要は、単に商品やサービスを薦めているだけなのに、それはやり過ぎると、相手の存在を自然に否定している行為に繋がるのです。
理由2:作為性が表出するから
ゴリ押しを受けることで、ゴリ押しされているコンテンツが作為的なものだと感じるようになります。
人は、自分が自然に良いと思ったものに、自然に出会えることを好みます。「運命の出会い」だとか「セレンディピティ」という言葉がありますよね。
私は自然や偶然にはっとさせられたいのです。説得やごり押しは、自然や偶然とは逆ですよね。
相手に対して「絶対にこの作為的なシステムの中に君も組み込まれるべきだ!」と宣言しているようなものです。
SNSが普及してから、コンテンツ配給側(芸能事務所、TV局、レコード会社)などが個別で猛プッシュするトップダウン型はあまり好まれなくなっています。各個人が自己発信できる時代は、作為性を感じると、各個人が「ゴリ押しだ!」と発信し、作為性が表出しやすくなってしまうからです。
一度、ゴリ押し認定を受けたタレントやコンテンツは、クオリティで説得させることなければ、逆にイメージを悪くしてしまうのです。
理由3:自由を奪っているから
押し付けることは、相手の自由を奪うことです。なので、自由を好む人は、ゴリ押しを嫌います。
一般的なラインに同調したいという感情が低く、自尊心が高く、自立していて、自律性が高い人には、特にゴリ押しはNGです。心に余裕があるので、最後まで話を聞いてくれるかもしれませんが、最後の最期で、その説得は打ち破られます。
自由のはく奪を嫌う人には、十分なヒアリングを行い、一つの可能性として提案するぐらいが丁度良いのです。
一方で、この世の中には「自由を嫌う」人も存在します。「考えるのが嫌だから、ゴリ押しして欲しい」という想いが潜在的に強い人たちです。
特に自尊心が低く、それでも何か手っ取り早い変化を求めている人にありがちで、こうした人は、力強く分かりやすい言葉にかなり大きな影響を受けてしまいます。
「えっ、なんでそんな情報商材買ったの?」「おい!どうしてそんな自己啓発セミナーに参加したんだよ!」という人に見られます。
理由4:反骨精神を煽るから
ある1つの主張や理論を強く刷り込もうとすると、相手は別の主張や理論を支持しようと思います。
これは単純で、当人がゴリ押ししている主張や理論以外にも、世の中には正しいことでたくさん溢れているからです。
だから、強く説得を受けてしまうと、「いや、他にもAとかBとかいいものいっぱいあるやん!」となるわけです。
サブカルやアングラが好きな人は、まさにこの想いが強いタイプの人でしょう。メジャーでみんなの目に触れる場所以外にも、良いものがたくさんあることを体験しているからこそ、メジャーなものがピックアップされればされるほど、反発してしまうのです。
最後に:伝える量や度合いに気を配れば、世界は変わる
営業や広報や交友関係までブーメラン効果を意識しよう
以上、ブーメラン効果について分かりやすく解説してきました。
単に「押せば押すほど嫌われる」と表面的に捉えるのではなく、ブーメラン効果の深層を知っておくことで、営業、広報、マネジメント、指導、友人関係、恋愛など、様々なコミュニケーションで、適切なボリューム感と度合いで、相手にアプローチできるようになります。
自分のアプローチがなるべく良い反響や反応を得られるように、ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください