ビジネスパーソンなら、この世の中のビジネスモデルを把握しておくことは非常に大切です。あらゆるビジネスモデルを理解しておけば、必要に応じて自社事業やクライアントへ上手に組み込んでいくことができます。
世の中のビジネスモデルを把握していれば、今まで見落としていた社内のある要素が大きな収益を生む資源であることに気づいていきます。
顧客に商品を単に「売り切る」だけに終わらず、売ったところから、様々なサービスを仕掛けることができ、LTV(顧客生涯価値)はぐんと高まります。
そこで、今回は10のビジネスモデルをご紹介していきたいと思います。
1.ソリューションビジネスモデル
問題解決を収益ポイントに置くビジネスモデルです。物販モデルと組み合わせるとするなら、「商品を購入した人が、さらに商品をうまく活用し、さらに個別の問題解決を実現するためのデモンストレーションや指導やコンサルティングなどを収益にすることができます。
2.マルチチャンネルビジネスモデル
販売チャンネルを複数持つことで、ブランディングや認知を維持しながら、一部のチャンネルで大部分の収益を高めることです。
これはメーカーや地域商店でよく行われています。文房具屋さんは、「小学生のお子さんを持つ親御さん向け」にお店を開いていますが、実際の売上のほとんどは、オフィス向けの大口販売で店舗を介さない顧客といった感じです。
B to B向けの商品やサービスが収益の大半になる場合、認知やブランディングを直接的な対象以外に広げることによって、回りまわってターゲットへ情報が渡りやすくなるのです。
3.ポータルビジネスモデル
複数顧客と複数企業を一気に束ねて、顧客と企業間の生態系を一気に構築し、その生態系内であらゆる企業と顧客の関係を終始させるモデルです。
リクルートが得意とするポータルサイト系のビジネスはまさにこれです。
4.アフタービジネスモデル
初期コストが高いとされるものを安価に提供し、提供後のサポート・保守・運用などで収益を見出すモデル。
激安ホームページ制作を提供し、月額の管理費用で収益を高めるモデルやインク代で収益を回収するプリンターがあります。
ただし、適切に収益を回収しなければ、顧客満足度がジリ貧になり、顧客が終了する際の企業へのイメージは心地よいものではなくなります。
5.コミュニティビジネスモデル
コミュニティを提供し、コミュニティに属したり、コミュニティで新しい発見やサポートを受けられるようなビジネスモデルです。
アフタービジネスモデルとの組み合わせがしやすく、相性が良いです。コミュニティビジネスモデルは、顧客と持続的な関係を見出すことができ、マーケティングの観点からも、商品やサービスを向上させるヒントを掴むことができます。
ダイエットやワークアウトや健康食品など、「持続的させる」ことをサポートするコミュニティを安価に用意するだけで、LTV(顧客生涯価値)や顧客満足度が高くなるだけでなく、上手くいった人の口コミでコミュニティへの参加が自然に促されるようになります。
6.ファンディングビジネスモデル
資金を募り、その資金で商品やサービスを提供するビジネスモデル。「こんな商品がこんな価格であったら嬉しい!」という明確なニーズを掘り起こしさえすれば、個人から資金が調達しやすく、商品開発後に一定の販売数を確保することができます。
そして、商品が本当に良ければ、販売直後の一定数の口コミ効果などにより、商品が一気にブランディングされていきます。PDCAサイクルのバランスが非常に優れたビジネスモデルです。
7.マッチングビジネスモデル
人材紹介から恋活アプリまで幅広いジャンルで色濃く残り続けるビジネスモデルです。これからは、マッチングのプラットフォームを作るだけでなく、集めたクライアントを育てるような土壌を持ったマッチングビジネスがより大きな価値を持つようになるでしょう。
また、マッチングシステムを洗練させ、ニッチなマッチングをひたすら横展開していくということもできます。
8.トレーニングビジネスモデル
スキル習得などの研修をビジネスとして展開するモデル。これは、マルチチャンネルビジネスモデルと相性が良く、例えば、個人向けに教材パッケージを売り出して認知を広げ、社員が数十名から数百名の企業研修を大きな収益チャンネルにするようなことができます。
あるスキル習得をある分野にニッチに最適化させていけば、より根深い個別的なニーズに対応することができ、高価なトーレニングサービス(コンテンツ)を売ることができ、横展開することができます。
9.ライセンスビジネス
ライセンスを発行し、ライセンス使用料を取得するビジネス。ライセンスを得たいと思えるほどのクオリティに仕上げることが重要となります。販売代理店などとタッグを組み、ライセンスビジネスを広げて行くこともできるでしょう。
フランチャイズビジネスや教会ビジネスや家元ビジネスなどもライセンスビジネスの一つとして捉えると良いでしょう。
10.コンテンツビジネス
コンテンツを配信することで広告収益や自社商品の売り上げを高めるビジネスモデル。他にもコンテンツ配信を特定のユーザーに促すようなプラットフォームビジネスもあります。
コンテンツ作りを内製化することで、クオリティコントロールができるようになります。一度作ったコンテンツがどれだけ長期的に収益などに作用するのかを見定めながら作っていく必要があります。
最後に:自分のビジネスには多様な可能性がまだまだ眠っている
以上、ビジネスモデルを10個ご紹介してきました。企業やフリーランスはどんなに優れていたとしても、あらゆるビジネスモデルをフォローアップするリソースがあるわけではないため、常に自身の可能性を十分に発揮しているわけではありません。
私たちは常に立ち止まって、ビジネスモデルを見直していくことで、大変革をすることができるのです。
そこそこ回っている、そこそこ忙しい、だから、今はビジネスモデルを俯瞰しなくてもいい、そんな思いを持ってしまいがちですが、売れているときだからこそ立ち止まってビジネスモデルを断続的に見直していくことが大事になります。
時代の流れも激動で激変です。自社や自分の中には、「無価値と思われているけど何かを加えることによって大きな価値を叩き出すものがあるはずだ!」と信じて、より広い視野で状況を分析していくようにしてみてください。