人との出会いは人生を変えるキッカケとなります。それは、独りの力があまりに無力で、独りのアイデアがあまりにも狭いからです。
「三人寄れば文殊の知恵」と言うように、他人の力は偉大です。
そして、最もパワフルな成長を与えてくれるのが「キーパーソン」との出会いです。
心理学から創造性を研究する「アーツ・イン・マインド」を主宰するジョシュア・ウルフ・シュンクは、著書『POWERS OF TWO 二人で一人の天才』で、自分の才能を開花するためには、パートナーやライバルなどのキーパーソンと出会うことの重要性を指摘しています。
また、ペンシルニア大学のウォートン校教授であり、組織心理学者のアダム・グラントは、『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の中で、「他人との関わり方」によって、自身の成功に変化を加えることを科学的に説いています。
戦略的に、もしくは感覚的に、キーパーソンにより出会いやすくなる行動を取ることができれば、私たちは、自分の目標や夢をより達成しやすくなっていきます。
そこで、今回はあなたの未来を輝かせるキーパーソンの種類をご紹介していきたいと思います。
そもそもキーパーソンとは
キーパーソンとはあなたに好影響を与える人たちのこと
キーパーソンとはあなたに良い変化を加えられる人です。
人間関係や成功科学や自己啓発の分野で、様々なキーパーソンの名称がありますが、キーパーソンには以下のような種類があると言えます。
<キーパーソンの種類・役割>
1.エディター
2.プロモーター
3.レコメンダー
4.モディファイヤー
5.ギバー
6.デニール
7.アドバイザー
8.サポーター
9.ライバル
10.パートナー
キーパーソンの種類を知っていれば、上記の10要素を満たす人材を探すことで、自分の夢や目標はショートカットで叶っていくでしょう。
多くの場合、1人1つの種類・役割を担うのではなく、1人が複数の役割や種類を網羅します。
なぜなら、人に影響力を与えられるキーパーソンは、能力が全体的に高いことが多いからです。
それでは、キーパーソンの種類を1つずつ解説していきたいと思います。
キーパーソン1.エディター
編集の力であなたの情報受容パターンをほぐしてくれる人
エディターとは、知見や情報を編集し、分かりやすく届けてくれる人です。私たちは、自分の一辺倒な行動パターンから偏った知見や情報のみを好んでしまう傾向があります。
そして、極端に違うことに関しては、「直ぐに受け入れようとしない」という行動を取りがちです。
しかし、エディターによる情報であれば、耳を傾けるわけです。
エディターの知見や情報は、あなたが新しいあなたに変革するチャンスをもたらしてくれます。「この人と会ったら、何かアイデアが湧いてくるなー」と感じる人は、良きエディターだと言えます。
キーパーソン2.プロモーター
あなたの存在を広めてくれる人
プロモーターとはあなたの認知を広げてくれる人です。例えば、あなたを無理やり異業種交流会に連れ出す人もプロモーターと言えます。
後述する「レコメンダー」と異なるのは、プロモーターは、単純にあなたが他人や他の場所でさらされる機会を捻出・演出してくれる役割を担うということです。
キーパーソン3.レコメンダー
あなたの価値を伝えてくれる人
レコメンダーは、あなたを周囲に広めてくれる人を指します。最もパワフルなレコメンだーは、力を持った人間にレコメンドしてくれます。
敏腕プロデューサーは、プロデュースの際に、様々な人材に、プロデュースする対象をレコメンドし、様々な人材を招集することができます。
キーパーソン4.モディファイヤー
自分自身を修正してくれる人
モデファイヤーは、あなたを変えてくれる人を指します。モデファイヤーはかなりのキーパーソンで、とても大事にするべきキーパーソンです。
特に大人になればなるほど、自分の経験が増え、マインドが安定していくため、自分が自分に大きな変化を与えるという作業を怠り勝ちになります。そして、ある側面では「老害」と呼ばれるようになるのです。
モデファイヤーを見つけるには、自分自身に対して厳しいことや正しい指摘を言いやすいような雰囲気を作る必要があります。つまり、あなた自身が周囲に素直な空気感を出すことが、良きモデファイヤーと出会うコツになります。
キーパーソン5.ギバー
提供してくれる人
様々な物をとにかく提供してくれる人がギバーです。本記事の分類で言えば、キーパーソン1の「エディター」を粗くした感じです。
エディターは情報を選んで、自分の知見や知性をエスコートしてくれますが、ギバーはとにかく情報をアウトプットしていきます。
また、情報だけでなく、金銭的なものを与えてくれたり、精神的な安堵を与えてくれたりするのがギバーです。
良きギバーは自分が必要なタイミングでトゥーマッチなくらいに与えてくれます。もしくは、自分の行動のエンジンが爆速になるようなほどよい質量で「与えること」を行い、背中を押してくれます。
キーパーソン6.デニール
自分を否定してくれる人
デニールとは「否定者」を指します。デニールの場合、1人のデニールと仲良く過ごすということはないでしょう。
例えば、社内にデニールが存在し、そのデニールが毎日、自分のことを否定するといった関係性は、否定が過度になり、ストレスになる可能性が大きくなります。自分の成長の足かせになるかもしれません。
しかし、自分から戦略的に遠くもなく近くもない距離でデニールを設けることにより、自分自身では気づけなかったポイントに気づいたり、多様なセンスやアイデアを刺激することができます。
逆にデニールを排除しまくると、自分自身の軸や枠に固執し過ぎて、自分らしさを発揮できる範囲が狭まっていきます。
デニールとは自分の器量を高めてくれる存在なのです。
キーパーソン7.アドバイザー
忠告してくれる人
アドバイザーとは意見や考えを与えてくれる人です。前述したエディターやモディファイヤーがアドバイザーの役割を持つこともあるでしょう。
単に何かに精通してくれる人がアドバイザーに適しているわけではありません。まったくの素人であるからこそ、アドバイザーとして新鮮な意見や考えをくれるキーパーソンになることもあります。
普段から他人の忠告にいったん乗っかってみることで、自分の中でピンとくるアドバイザーを探すことができるようになるでしょう。
キーパーソン8.サポーター
支援してくれる人
サポーターはあなたを支援してくれる人です。似たような役割に前述した「ギバー」が存在します。
ギバーはどちらかというと、トップダウン形式で与えてくれる人です。立場が上の人であることが多いのがギバーです。
一方で、サポーターはボトムアップのエネルギーを持つ人です。あなたを上に捉えて、あなたの縁の下の力持ちになろうとしている人を指します。
キーパーソン9.ライバル
マッシュアップしてくれる人
ライバルとはあなたと対抗してくれる人です。あなたと同等のレベルで、あなたと同時進行でパラレルな立場の存在です。
あなたが一人で頑張ることでは発揮できなかった行動力や粘りが、同列のライバルがいることで生まれます。
あなたが適切なライバルを見つけたと感じるとき、そのライバルは、あなた自身を適切なライバルと感じれくれるでしょう。
キーパーソン10.パートナー
寄り添ってくれる運命共同体
言わずもがな最後はパートナーです。パートナーは、人生の運命共同体のような存在です。パートナーがいる人たちは、パートナーとのライフスタイルを過ごしている時点で、絶えずパートナーに影響されていると言えます。
ただし、実際のところ、パートナーがポジティブなキーパーソンとして機能していない家族や夫婦などは少ないかもしれません。
一番近くにいるからこそ、その存在価値を軽視しがちです。
パートナーと持ちつ持たれつの関係で、お互いの質を上げていくような関係になることができれば、パートナーはパワフルに自分を変えてくれるキーパーソンになり得ることができるのです。
最後に:人との出会いを大切にしよう
結局は1つの機会を深く掘り下げられる人が勝つ
以上、自分の未来を輝かせるキーパーソンの種類・役割について解説してきました。
多様なキーパーソンと出会うには、多様な動き方をするしかありません。もちろん、自分のスキルが高く、自分の高いスキルを発揮する場所であれば、その場所やその場所付近で出会う人の質も高いでしょう。
自分のスキルや知見が深ければ、自然と会話の質は濃くなります。濃い人と出会えるようになります影響力が濃い人とも出会うことができるようになるでしょう。つまり、キーパーソンに自然に出会えるようになります。
むやみに人との出会いを増やすのではなく、まずは、自分自身が備えているものを磨き直すから始めると良いでしょう。
あなた自身が「自分にはこれがある!」と思えれば、それはあなたも誰かのキーパーソンになり得ることを意味します。
ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。