Webデザイナーの仕事に必要なツールとその使い方、心構えは何か?
インターネットが広まり、多くのWebサイトが人々の目に触れるようになりました。それらWebサイトのデザインを行う仕事が「Webデザイナー」です。Webデザイナーの仕事内容はデザインだけにとどまらず、多くのスキルやツールへの習熟が必要になります。
この記事では、現代の世の中に欠かせないWebデザイナーを、仕事内容・使用ツール・心構えの点からご紹介します。
Webデザイナーとは
Webデザイナーとは、インターネット上のWebサイトのデザインを設計する仕事です。デザイナーの一種ですが、デザイン以外にも多くの業務をこなす必要があります。業務内容に合わせて必要なスキルも多くありますが、必須の資格はありません。Webデザイナーになるには会社への就職とフリーランスという道がありますが、どちらも人から評価されるような点が必要で、資格取得やある程度の実績を積んでおくべきでしょう。
以下でWebデザイナーの概要をご紹介します。
Webデザイナーの仕事内容
顧客からの依頼に従ってWebサイトのデザインを設計します。仕事の内容は大まかに以下の4段階に分かれています。
・要件定義
作るサイトの対象や目的などを顧客と一緒に決めます。必要な情報を顧客から引き出します。
・ワイヤーフレーム作成
サイトを構成する各要素の配置を決めます。サイトの使いやすさを左右する工程です。
・デザイン
ワイヤーフレームをもとに色合いなどを決めて素案を作ります。素案完成後にもう一度顧客と方針を話し合います。
・コーディング
素案をもとにサイトを作成します。HTMLやCSSなどのプログラミング技術が必要です。
Webデザイナーに必要なスキルや資格
Webデザイナーは業務内容が幅広く、求められるスキルも多彩です。デザインの知識や理論、流行りのデザインなどは知っておくべきですし、プログラミングのスキルも必要です。さらに、顧客の希望を正確に聞き出せるコミュニケーション能力も求められます。
多くのスキルが必要ですが、資格に関しては必須ではありません。ただ、Webデザイナーとして就職するには自分の実力を人に伝えやすい資格を持っていた方が有利です。Webデザイナーが頻繁に使用するツールの使用スキルを測る「Photoshopクリエイター能力認定試験」や「illustratorクリエイター能力試験」、コーディング技術を測る「ウェブデザイン技能検定」や「HTML5プロフェッショナル認定資格」などを所持していると、評価が上がりやすくなります。
Webデザイナーになるには
Webデザイナーは主にWeb制作会社や広告代理店などに勤めるか、フリーランスで働きます。会社に就職する場合は面接時にアピールできるように、Webデザインに関わる各種資格を取得して、自分の作品をポートフォリオにしてまとめておきましょう。フリーランスの場合はすぐに始められますが、未経験者が突然フリーデザイナーを名乗ってもなかなか仕事の受注はできません。何年か会社で経験を積む、クラウドソーシングを利用して仕事を受けるなどの対策が必要です。
Webデザイナーの使用ツールと使い方
Webデザイナーは作業の中でさまざまなツールを使っています。デザインツール業界大手のAdobe社が提供する製品を使っていることが多く、PhotoshopのようにWebデザイナーにはほぼ必須のツールもあります。また、デザインだけでなくソースコードのエディターも必要になります。
ここでは、Webデザイナーが多く利用する5つのツールとそれぞれの使い方を説明します。
Photoshop
Adobe社の有名なデザインツールで、大半のWebデザイナーが使用するツールです。
Photoshopは非常に多くの機能があり、さまざまな画像を作り出せます。写真を取り込む以外に自分で1から絵を描くこともでき、使用者の技量次第で多彩な表現が可能になります。画像加工だけでなくレイアウトもできるため、サイト内のページ全体を考えることもできます。
WebデザイナーにはPhotoshop利用者が非常に多く、デザイナーと会社とのデータ受け渡しも多くの場合にPhotoshopのデータで行われます。そのためPhotoshopを持っていないと仕事に支障をきたすことがあり、さらにPhotoshopの必要性が上がっています。
illustrator
Photoshopと同様にAdobe社の有名なデザインツールです。Photoshopが画像の加工に適している一方、illustratorはロゴや飾り文字などの作成に適しています。画像を拡大しても縁がぼやけない作画方法を採っており、ロゴや飾り文字などのくっきり表示させたい画像と高相性です。レイアウト設計にも適しており、多くのWebデザイナーがPhotoshopと一緒に利用しています。
Figma
Web上で利用できるデザインツールです。パソコンへのインストールが不要でOSも選ばないため、会社のMacと自宅のWindowsで同じ仕事をするなど、自由度の高い利用が可能です。Web開発に必要な機能を一通り揃えており、充実したAPIにより開発との連携も容易です。
Figmaが真価を発揮するのはチームでの利用時です。1つのデザインを複数人が同時に共有・編集できるため、制作中のサイトに対してデザイナー・ディレクター・エンジニアが同時に編集や確認を行えます。
Adobe XD
Adobe社が提供するデザインツールで、主にUIデザインに適しています。ツール自体の動作が早く、サクサク動いて作業効率を上げられます。
同社のPhotoshopやillustratorと共通のショートカットキーが使用できます。また日本語のサポートや情報も充実しています。そのため、同ツールを多用するWebデザイナーならば、すぐ操作に馴染んで使いこなせるようになるでしょう。それらのツールと連携できるため、相互補完にも優れています。
Dreamweaver
Webサイト制作に使うソースコードエディターです。常に完成図が表示されてその図の中で作るため、メモ帳など通常のテキストエディターを使う場合と比べて直感的に操作できます。サイトのデザインを作るCSSやjQueryが使えるほか、スマートフォンやタブレットなどパソコン以外の画面サイズにも対応できます。
Dreamweaverには多くの便利な機能があり、サイト制作をスムーズに行えます。例えば、テンプレートとライブラリ機能は、1つ作ったひな形をサイト内の各ページで共用できる機能です。ヘッダーやサイドメニューなど、多くのページで同じものを表示する部分を楽に制作・管理できます。
Webデザイナーの心構え
Webデザイナーの仕事には複数の心構えがあります。Webサイトには必ず何らかの目的があるため、その目的をしっかりと把握して表現する必要があります。以下でWebデザイナーの心構えを詳しく解説します。
Webサイトの目的を考える
Webサイトのデザインは、そのサイトの目的に合ったデザインである必要があります。
Webサイト制作を依頼する人は、そのサイトに何かしらの目的を持たせています。商品のプロモーションや会社のブランドコントロールなど、さまざまな目的に合わせて作らなくてはサイトの意味がありません。どれだけサイトのデザインを美しくしても、目的に合っていないデザインにしてしまってはWebデザイナー失格です。「このサイトで言いたいことは何か」「どの要素を最も強く推したいか」など、依頼者と綿密に打ち合わせて目的を正確に把握、表現しましょう。
世界観とレイアウトを定める
Webサイトのデザインをする際には、まずサイトの世界観とレイアウトを決めておきます。
固く真面目な内容のサイトで画像や飾り文字などを多用しては内容の説得力が薄れてしまいますし、楽しい雰囲気を出したいエンタメ系のサイトで文字ばかりのシンプルなデザインでは楽しそうに感じられません。Webデザインにはフラットデザインやハンバーガーメニューなどさまざまな要素がありますが、むやみにあれこれと使ってはいけません。なぜこの要素を使い、なぜこのデザインにしたか、デザインの理由を人に説明できるようにしておくべきです。
締め切りを守る
Webデザイナーは顧客からの依頼を受けてサイトを作っています。依頼の締め切りは必ず守らなくてはなりません。締め切りを守れないと信用をなくしてしまい、依頼を満足に受けられなくなります。
確実に締め切りを守るために、なるべく早く70%くらいの完成度で全体を作ってしまいましょう。粗削りでも早期に最後まで作ってしまえば最悪でもその70%完成したものを提出できます。さらに、残りの期間で時間的・心理的に余裕をもちつつ、完成度を高めていくことができるでしょう。余裕がなくなると仕事の粗が増えて質の低下につながります。最低限必要な骨組みを組んでから各所を飾り立てる方が、最終的なクオリティは高くなります。
まとめ
この記事ではWebデザイナーについてご紹介してきました。
現代はWebサイトが主要な情報媒体になっており、Webサイトを作るWebデザイナーの需要や志望者が増えています。多くの同業者より高い評価を受けて多くのサイトを手掛けるために、自身の能力やツール、心構えを磨いて実力の向上を目指しましょう。
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