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UI UXデザイナー 大河原陽平さんインタビュー「UI UXデザインの面白さ」
INTERVIEW 2019.4.01

UI UXデザイナー 大河原陽平さんインタビュー「UI UXデザインの面白さ」

独学でデザインを学ばれた後、クリエイターを中心にしたコミュニティサイトのサービス立ち上げに携わり、現在もUI/UXデザイナーとしてご活躍中の大河原 陽平さんにUI/UXデザイナーになるまで、そしてUI/UXデザイナーになるために重要な素質についてお話を伺いました。自分には何が向いているのかわからない、迷っている。そんな若手クリエイターは必読です。

大河原 陽平(おおかわら ようへい)

法政大学卒業。デザイン制作会社、フリーランスを経て、スタートアップにジョイン。スタートアップにてWebサービスの開発、および立ち上げに携わる。その後、メガベンチャーにてデザイン組織のマネジメントおよび新規事業のUIデザインを担当。2017年10月よりREAPRA Venturesに在籍し、UI/UX面での投資先支援を担当。

Webサービスの勃興期にUI/UXデザインの最前線に立つ

―いつごろから、どのようにしてUI/UXデザインに携わるようになったのでしょうか?

UI/UXデザイナーを目指していたというよりは成り行きでなってしまったという言い方が正しいかもしれません。大学で就職活動をしたのですが、その当時はやりたいことを見つけることができませんでした。

たまたま、地元の幼馴染が働いた看板屋さんでアルバイトを始める事になり、実務のなかで初めてアドビのソフトを使ったデザイン業務に携わる事になりました。その時は、ソフトの操作スキルやデザインに関しての勉強は全て独学で学びました。

ただ、看板屋だと地方の小さい会社の仕事を請け負うのみで、できる仕事が小さいなと感じていました。それでその後に、東京のグラフィック、エディトリアルデザイン、DTPの制作会社にグラフィックデザイナーとして転職します。デザイナーとしての実践的な知識、テクニックはその製作会社ではじめて学ばせていただきました。

グラフィックデザイナーとして働いていく中で雑誌のデザイン以上に、Webデザインに強い関心を持つようになっていきました。そこで、看板屋でデザインを学んだ時と同じように独学でhtml、cssなどのWebデザインの勉強を始めました。それから、会社を辞めて、グラフィックデザインからWebデザインに移行し、個人事業主としてWebデザインの仕事を請け負うようになりました。なし崩しでフリーランスになったという感じでしょうか?

グラフィックデザインの仕事は、製品やサービスの一つの部分を請け負っている感覚で、作ったものに対する実感が少ないように感じていました。一方で、Webデザインの仕事は、ページ公開まで自分が関われ、顧客の反応もみてとれるので、より面白みを感じました。

Webデザイナーとしての初期の仕事はコーポレートサイトの制作等で、徐々にECサイトのようなシステムが入るものを作るようになっていきます。インタラクティブ性のあるサイトを作るようになると、html、cssだけでなく、当時、ゲームのサイトでよく使われていたflashの導入なんかも手をつけていました。

2008年~2009年頃だと記憶していますが、スタートアップブームが到来しまして、周りの友人が次々と起業していきました。C to Cのビジネスモデルが多かったです。その際に友人の仕事の手伝いをするようになり、静的なWebサイト(情報発信のみを行うサイトなど)と動的なサイト(ECサイトや予約サイトなど)の違いを実感します。 個人事業主としてWebデザインの仕事を受託し、納品してお金をもらうという仕組みでやっていると、いかに早くクライアントに納得してもらうかが重要になっていきます。動的なサイトの場合は、サービスに関わったことでユーザーの意識や行動を理解、想像して作ることで、クライアントの納得を早く得ることができたんです。その時の経験から「ユーザー起点で作る」ということが身につき、デザインの仕事もスムーズになっていきました。

その当時は「UI/UXデザイン」という言葉を知りませんでしたし、流行ってもいませんでした。ですが、「ユーザー起点で作る」という実体験が元になり「UI/UXデザイン」を自然と身に着けていったように思います。その後しばらくは、そもそもUI/UXデザイナーが少ない、歴史が浅い領域という時代で、UI/UXデザインの実績を残せば、次の仕事が待っているというという状況でした。

―UI/UXデザインの面白さとはなんだと思いますか?

昔から何でも器用にこなすタイプで、デザインの領域では、グラフィックでも、DTPでも70-80点はすぐに出せました。かと言ってなにか一つの領域で100点を目指すというタイプでもありません。WebサービスのUI/UXデザインという仕事は美的なグラフィックのデザインから機能のデザインまで、色んなデザインのノウハウを組み合わせて行うものと思っています。その仕事の性質が、幅広くそこそこのものが使える自分の性格や気質にマッチして、どんどんのめり込んでいったんだと思います。

たまたま、自分がデザインの仕事に携わったのが、Webサービスがどんどん産まれていくフェーズでした。純粋に流行りのデザインや感性に任せるのではなく、作って終わりでもなくて、サービスを通じてユーザーとの対話が必要になるものが多く、そのユーザーとの対話が面白いと感じています。

今でも、より効率的に作るにはどうしたらいいか?どういうフェーズで機能をリリースしていくべきか?など幅広い論点を考え抜いています。常に考える余地が深いというところもUI/UXデザインの面白さのひとつだと捉えています。

飽くなき探求心がいいUI/UXを生む

―UI/UXデザイナーとして、市場価値があるのはどういった人でしょうか?

UI/UXデザインは「ユーザー起点で考える、作る」という大前提があります。なので、「ユーザーとのハブ」になれる、そんな思考を持った方は重要な仕事に携われるチャンスがあると思います。UI/UXデザイナーにはチームで作業をする、時にはチームを主導するといった能力も求められますので、コミュニケーション能力が高い方も重宝されます。デザインができる、アドビのソフトが使える、といった方はたくさんいらっしゃるでしょうが、総合的になんでもできる人が求められていると感じています。

―では最後に、若手デザイナーにアドバイスを頂けますか?

私の場合ですがとにかく様々な事に興味を持ち、幅広い知識を得るということは常にやっています。仕事の半分は情報収集に使っていました。もちろん無駄だったなという知識も多くあります。これまでのお話で偶発的にキャリアを歩んでいると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えばプログラミングには興味を持ち学んでいたのですが、これは偶然ではなく、情報収集の結果、必要だと感じたからです。

そうやって様々な知識を学んでいたからでしょうか、新しいWebサービス勃興ブームが起こった時に、たまたま縁があってその最前線に立つ事ができました。さらにグラフィックデザイン、Webデザインのキャリアを積んでいたことでUI/UXデザインに優位的に携わたことは非常に大きかったです。

若手のデザイナーの方で、なにか大きな事がしたい、新しい事にチャレンジかしたいと考えているのであれば、デザインの世界だけで閉じてしまうのはよくないように感じています。デザインのトレンドは日々変化します。また、良いデザイン、売れているデザインは模倣されやすいという現実があるのも事実です。今のトレンドだけを深く掘り下げる事にあまり優位性はないでしょう。

システムの分野にも積極的に目を向けてみてください。エンジニアが何に興味を持っているか?国内だけでなく海外では何が流行っているのか?今のトレンドのサービスはどんなシステム動いているのか?将来のサービスのトレンドどうなるか?ユーザーの動向は?UI/UXデザイナーとしてキャリアを重ねていく為には考える事はたくさんありますので、ぜひ想像してみてください。

―本日はありがとうございました!

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