サラリーマンクリエイターが歩むべき最適なパラレルキャリアとは
終身雇用や年功序列が崩壊する中で、本業以外のキャリアを持つことが非常に大事な時代になっています。「パラレルキャリア」という言葉があるように、企業で勤めながら、別のキャリアを積み上げていくことが、これからの時代をより強く生き抜く秘訣だと言われています。
これは、企業勤めのクリエイターも同じことが言えます。そこで今回は、サラリーマンクリエイターが歩むべき最適なパラレルキャリアを掘り下げていきたいと思います。
アウトプット過多なクリエイターは、インプットをパラレルさせよう
クリエイティブ×専門知識
クリエイターとは「創造主」です。創造主は日々の業務で多大な「生産」、つまり「アウトプット」を求められていることが多いように思います。
サラリーマンとして過ごす時間がアウトプット過多である場合、勤務後の空き時間でさらなるアウトプットをするのは非常に疲れるでしょう。実際にパラレルキャリアに取り組む際に「疲れ」は最も大きな問題になっています。
だからこそ、サラリーマンクリエイターは、インプット作業のみのパラレルキャリア作りに取り組んでみることをおすすめします。
例えば、企業勤めのイラストレーターが、「依存症」に興味が湧き、雑誌から専門書までをひたすら読み込むインプットを行ったとします。すると、依存症に対する知識やリテラシーが磨かれ、「イラストで分かる依存症の原理」というコンテンツを作ることができるようになります。
企業勤めで培ったアウトプット力がインプットした専門性と相乗効果でうねりをあげる、これはクリエイター冥利に尽きますよね。
特にニッチな分野のインプットを深めていくと、あなただけのオンリーワンのキャリアになる可能性があります。クリエイティブなアウトプット力を備えた専門家というのは非常に稀です。もちろん、メディアや出版社は、クリエイターや専門家を分業で起用しコンテンツを作っていきますが、コンテンツとして選ばれるのは市場のニーズが大きいものから選ばれる傾向にあります。
だからこそ、ニッチの分野のインプットとクリエイターとしてのアウトプット力を兼ね備えれば、その分野のコンテンツと言えば「あなた」というレベルのキャリアを手にすることができるのです。
別のクリエイティブな領域を突き詰める
複数のクリエイティブでマルチな役割を担う
企業勤めのライターがプログラミングスキルを身に付ければ、長文で解説を施した診断サイトを作ることができるでしょう。イラストレーターがWebデザインを覚えれば、自身の作ったキャラクターがイラストで解説するWebメディアを作ることができます。
自分の今持っている別の領域のクリエイティブスキルを身に付ければ、マルチクリエイターとしてオリジナルな活動を行うことができます。
複数のクリエイティブスキルでマルチな役割を担うことは、キャリアを豊かにするだけでなく、サラリーマンクリエイターとしてのキャリアの展開も非常に豊かにしていきます。
コミュニケーションに特化したキャリアをパラレルさせる
コミュニケーションは汎用性の高いキャリアを固めてくれる
クリエイターは「モノづくり」の要素が強い職種です。近年は「デジタルなモノ」が多く生産されていますが、クリエイターがコンテンツを作ることは「モノ作り」と言えるでしょう。
一方、コミュニケーションは「コトづくり」的な側面が非常に強いです。それは人と人を繋ぐ媒介となる最もパワフルなスキルがコミュニケーションだからです。
コーチング、カウンセリングなどのコミュニケーションを体系的に学び、実践的に取り入れていくことができれば、あらゆるキャリアで役立てることができます。
クリエイティブな業界におけるディレクションやプロデュース能力も高まります。多くの職業が人工知能にとって代わると言われていますが、「ヒト」対「ヒト」のコミュニケーションは「ロボット」に変えることができません。コミュニケーションが高度であればあるほど、ヒトが行える細やな対応力が求められます。
何かを単純にオペレーションするようなコミュニケーションではなく、相手の感情の機微を感じ取ったり、相手すらも理解してない欲求や要望を引き出したり、そういったことができるコミュニケーションスキルをパラレルキャリアを通して掴んでいくことはとてもお薦めです。
しかも、コミュニケーションは、異業種交流に出たり、Barで他の客と話したり、こういった日常のイベントにも最大限活かすことができます。
最後に:パラレルキャリアはサラリーマンクリエイターに個性を与えてくれる
目先の報酬ではなく、確固たる土台を作る気概で取り組もう
以上、サラリーマンクリエイターが歩むべき最適なパラレルキャリアについて解説してきました。会社員クリエイターの強みは、企業独自の空気感を日々味わること、そして、一定のリズムで勤め続けることができることです。
フリーランスクリエイターは、意外にも自分の事業に追われています。フリーランサーは自由にキャリアをパラレルできているわけではありません。むしろ、ペース配分が予想のつきやすいサラリーマンクリエイターのほうが、今はチャンスが大きいとも言えます。
パラレルは目先の報酬を目指すと、心労と不満と焦燥が溢れていきます。サラリーマンクリエイターには立派な本拠地があるはずです。だからこそ、パラレルする舞台は「確固たる土台を作るつもり」で、着実に楽しみながら取り組んでみてください。すると、あなたのキャリアはどんな選択を選んだとしても、個性的に輝いていくはずです。ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください。
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