上級Webディレクターが知っておきたいブランディングノウハウ7選
ブランディングとは、企業や商品やサービスの情報やイメージを伝えることで、顧客や潜在顧客からの価値を高める施策です。
Webディレクターの場合は、Webサイトなどで情報やイメージをうまく打ち出し、顧客や潜在顧客からの価値を高める施策が、ブランディングの作業になるでしょう。
そこで、今回はWebディレクターのブランディングスキルが高まるノウハウをご紹介していきたいと思います。
ノウハウ1:ブランドプロミスは徐々に詳細化する
ブランド規定を作る際は、パワーポイントなどのスライドで、スライドを追うごとに詳細化することをオススメします。
最初のページは、ごく簡単な一文のみ。次のページの文章が二つ。ページを追うごとに徐々に増やす。
そうすることで、ブランドの土台が揺るがなくなります。クライアントもブランドの根幹を理解しやすくなります。社内のどんな人が見ても分かるものであれば、社内全体にブランドの理解が浸透しやすくなります。
デザイン物などを含めたブランド規定などは別に、スライドでより分かりやすく理解できるブランド規定を作ると、ブランディング施策による混乱を防ぐことができます。
ノウハウ2:抽象的な語感を想定しておく
ブランディングはより具体的であることが求められますが、抽象的な語感で数多く定めておくと良いです。
<象的な語感>
・エレガント
・上品
・オーソドックス
・スタイリッシュ
・ナチュラル
・ポップ
・やわらかい
・かっちり
・にぎやか
・さわやか
・清潔感
抽象的な語感を想定する理由は、一般的な情報受容者は、一回の情報受容で具体的なイメージを持ってくれるとは限らないからです。
つまり、情報受容の形態が、その情報に対して必ずしもマインドフルネスになっていないということです。
そのため、伝えたいコアのメッセージや具体的な情報の打ち出しを決めるのはもちろん、打ち出した際に情報受容者が抱く抽象的な語感を想定しておくと、よりよいブランディングを行うことができます。
ノウハウ3:モチベーションが上がるかをチェックする
ブランディングの本質は、コーチングやエスコートのように近い部分があります。
そのブランディングとは気分を高める効果があります。何かしらのポジティブな感情を抱いたからこそ気分は高まったわけです。そのポジティブな感情は、情報受容者にとって非常に価値のあることだと言えるでしょう。例えば、「ジャケ買い」はまさにそういった感情の流れでの購入と言えます。
また、顧客や潜在顧客だけでなく、企業内で働く社員がワクワクするようなブランディングを目指しましょう。大それたことの場合、社員のモチベーションが高まるには至らないでしょう。本質を上質にするブランディングこそ、働く人間のモチベーションを高めてくれるものとなります。
ノウハウ4:一貫性を大切にする
Webディレクターの場合、CI(コーポレート・アイデンティティ)を作り込む作業ではなく、単にその企業の何かしらのWebを作ることを担うと思います。
また、CI(コーポレート・アイデンティティ)が出来上がっていないクライアントへWebのブランディングを依頼されることもあるでしょう。
そうした場合、会社全体のシステムや販促物などを俯瞰して捉え、ブランディングが一貫性のあるものになるべく収まるように努力する必要があります。
明らかに浮いたものになると、それは作り込まれたもの、本質ではないという認識を強めてしまいます。
ノウハウ5:情報量に注目する
打ち出す情報量を考えましょう。外に伝える情報量が多いほど、反響が得られる可能性はあります。特にSNSなどのブランディングに力を入れている企業は多いはずです。
しかし、あえて情報を削ぎ落して、限られた範囲にコミットするという選択もあります。
情報を削ぎ落すことで、秘めたブランド感を与えることもできます。伝え切らない、伝えることは伝える、そういった情報の出し引きの選択をブランディングに落とし込みましょう。
ノウハウ6:ユーザーが一問一答できるように心掛ける
イメージだけを伝えようとして、イメージを残せない、そんなブランディングサイトはたくさんあります。
また、メッセージになっていないメッセージもたくさんあります。「ポエム」と揶揄され、違った受け取り方をされてしまいます。ベストなのは、ユーザーにイメージに関する一問一答をして、即座に答えられるような制作物を目指すということです。
<イメージに関する一問一答>
「この会社を色に例えると?」
「この会社を動物に例えると?」
「この会社を音楽のジャンルで表すなら?」
「この会社をダンスのジャンルで表すなら?」
「この会社が人だとしたらどんな人?」
このような質問をして、複数の質問に即座に答えられるのであれば、閲覧した人の中で何かしらのイメージが出来上がっている可能性が高いです。より掘り下げてインタビューすれば、どんなイメージを持ったのかが明確になるはずです。その人が持ったイメージが、ブランディングで想定したイメージなら、ブランディングは功を奏したと言えます。
ノウハウ7:ハイブランドには明確な根拠を提示する
個人が多様な情報にアクセスし自らの主張を書き込むことができる時代になりました。
そのため、以前よりも「上から目線」のブランディングは慎重に扱う必要があります。
ブランディングによってブランド性を高めるなら、その明確な根拠を提示しましょう。
逆に言えば、明確な根拠があればあるほど、ブランドを高めて良いことになります。
競合と差別化できるポイントが最もブランドを高めやすい要素と言えます。
最後に:ブランディングに強いWebディレクターになろう
ブランドとは本来「企業の姿勢」から作られるものであり、クリエイティブブランディングは、その企業の姿勢を正しくより繊細かつ鮮明に伝えることを手助けする仕事です。
個人メディアでブランドに対する評価がフィードバックされる時代でもあります。メッキはとても剥がれやすくなっています。
企業の姿勢を正しく深くヒアリングする能力のあるWebディレクターは、経営者など企業のキーパーソンに好まれるでしょう。なぜなら、本質をヒアリングしているから、理解者として好まれるわけです。
本質的なブランディングスキルが高いということは、クライアントを深く理解しているということです。Webディレクターとしても非常に満足してもらえる可能性が高まります。
ぜひ、ブランディングに強いWebディレクターになっていきましょう。
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