新時代の「ワークライフインテグレーション」という生き方
ワークライフインテグレーションとは?
仕事と私生活の切り離しから統合の時代へ
みなさんは、ワーク・ライフ・バランスという言葉をご存知だと思います。私生活と仕事のバランス、それがワーク・ライフ・バランスです。
ワーク・ライフ・インテグレーションのインテグレーションは「統合」という意味で、端的に言えば、「私生活と仕事を統合的なものとして捉え人生を送ること」、それがワーク・ライフ・インテグレーションになります。
なぜ今、ワークライフインテグレーションなのか?
答え:ワークライフバランスは古いから
本サイトで何度も登場していますが、時代はVUCA(ブーカ)と呼ばれています。VUCA(ブーカ)は、Volality(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性)、Compxity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字を合わせたものです。
私たちは「常に臨機応変し続けなければならない時代」に突入しました。1つの会社で新卒から定年まで確実に働ける保証がある時代ではありません。
さらに、時代は日々、複雑高度化しています。これは私生活を送ること自体もスキルが求められ、高いストレスをもたらすものになっていることを意味します。
つまり、私生活と仕事を一連の流れのように捉えなければ、私たちの心や体は持たなくなっていくことを意味します。
生産性や成長拡大を実現するためには、私生活の質を高め、仕事への充実感と幸福感を得るなどの相乗効果を目指す必要があるのです。
「好きを仕事にする」とワークライフインテグレーション
趣味が仕事へフィードバックされやすい時代へ
複雑高度化する時代は何も悪いことばかりではありません。
様々なツールやシステムやプラットフォームが複雑に高度化し、私たちはそれを利用することが可能です(もちろん、利用にかなり高いスキルが求められるものも少なくありません)。
特に「個人」という単位において、思考経済へ参入することはとても簡単になりました。なぜなら、私たちは自己発信を行うためのあらゆるツールやシステムやプラットフォームを使うことができるからです。
「好きなことで生きていく」というキャチコピーが有名なYouTuberはワークライフインテグレーションの典型と言えます。
例えば、キャンプが大好きで、自分でキャンプのスキルや知識を掘り下げ、自分のキャンプの様子を動画にまとめ、YouTubeにアップ。すると、視聴回数に対するアドセンスの広告報酬、キャンプ雑誌やメディアへのコラム依頼など、趣味が最終的には仕事へ統合されていきます。
思考経済的切り口は趣味や自分の好きなことを仕事へ統合させやすいのです。
ゼネラリストとワークライフインテグレーション
スキルの掛け算が求められる時代へ
AI(人工知能)に取って代わる仕事はどのようなものでしょうか?一言で言えば、個性がない仕事です。
人間としての個性が強ければ強いほど、機械学習でその個性を反映するのが難しくなるからです。
そして、今の時代に求められるのが広範囲の分野を股に掛けるゼネラリストです。システムやツールで自分の力を補完できる時代からこそ、複数の分野に明るくなることで、より仕事人として力を発揮しやすくなります。
1分野では「スキルの陳腐化」が起ることも、分野と分野の専門性を「スキルの掛け算」することで、新たな需要を満たしたり、潜在的にはあったけど実現されていなかったサービスを作ったりと、可能性が大いに広がります。
これはダイバーシティ(多様化)の時代の賜物とも言えます。要は、価値観の多様化により、ニーズも多様化し、スキルの掛け算をすることで満たせるニーズが増えたということです。
私生活で取り入れたものを仕事にフィードバックすることで、スキルの掛け算がスムーズになり、よりよいワークライフインテグレーションが可能になるのです、
ワークライフインテグレーションと複業
視野をパラレルすれば統合が上手くなる
スキルの掛け算という意味で言えば、「複業」「パラレルキャリア」もワークライフインテグレーションに密接に関わっています。
というのも、日本のザ・社会人とされるサラリーマンは、1つの箱での価値観やスタイルに則って活動しています。
起業した人、独立した人、そういった自主性を強いられる社会人からすれば、サラリーマンというのは、「あまりにも考えずに済んでいる」とも言えます。
要は、1つの箱に居続けることは、これからの時代は「殻に閉じこもり続ける」ことを意味するのです。しかも、その殻は長く続かない可能性が高く、殻にい続けた結果、時代に合わずに生きづらさを覚えるようになります。
これは独立したり、起業したりして、今は当たり前のようにフリーランサーとして生活してる人からすれば、いたって自然なことなんですが、「自分で考えて、自分で企画、創出、運用、集客」などを一貫することは、「意外にもなんとかなる」ものなのです。
要は、自分の普段軸とは反れたワークスタイルを経験しながら、自分自身の最適解を作り出すことが、今の時代に求められた生き方です。他の懐へ飛び込みながら、自分自身をカスタイマイズする、これは私生活も仕事もそうですし、両者を突き詰めると、私生活から仕事へのフィードバック、仕事から私生活へのフィードバックはごく自然に起こるものなのです。
最後に:私たちは人生のタレントである
かつて、芸能人が「プライベートがない!」と言っていたように、私たちは仕事もプライベートも統合され、常に「働き人」であり、常に「私人」でもある、そんな時代になったのではないかと思います。
現に会社では何でも声を挙げれば、ハラスメントに認定してもらえますよね。もうワークとライフに明確な境界を引けないような世の中の仕組みになっているのです。
だからこそ、ワークとライフを統合することにストレスを感じずにフィットさせていくことが、自分自身が幸福に生きていくコツでもあります。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。
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