BIツールとは?役割・機能・メリットを徹底解説!
データ分析という分野は、以前に比べて重要視されるようになりました。顧客ニーズや変化する市場需要などを予測しながら経営をしていくためには、データ分析が欠かせないためです。しかし、手作業でのデータ分析の実施は、相当な手間と時間がかかってしまいます。そうした問題を解決するためのアイテムが、今回ご紹介するBIツールです。この記事ではBIツールについての概要や役割・機能・メリットなどについて徹底解説します。
BIツールとは
BIツールは、問題の発見や改善のヒントなど、業務をより良くするために多くの企業で用いられているツールです。会社内外の多種多様なデータを収集し分析できます。
BIツールのBIとは、「ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)」の略語です。ここでいうインテリジェンスとは、知性という意味ではなく、何らかの目的のもとに出力されまとめられた情報体系を意味します。つまり、BIツールとはさまざまなデータを取り込んで、その情報をビジネスに活用できる状態にするためのツールであるとも言えます。
また、BIツールとよく似たものにBAツールというものがあります。両者の違いについても触れておきましょう。
BAツールのBAとはBusiness Analyticsの略で、ビジネス分析という意味があります。BAツールは、BIなどで得られた分析結果を基に、将来起こるであろう事柄を予測し、次に起こすべき行動や経営戦略の組み立てを補助するツールです。一方でBIツールは、企業が持っている過去のデータを分析して過去から現在までの状況を把握して、経営や事業の意思決定に役立てるためのツールです。
BIツールの市場規模は年々拡大してきており、特に大企業を中心に、BIやアナリティクスツールを利用する企業が増えています。BIツールのようなBDAソフトウェアでは、社内に散らばったデータを1つの場所でまとめて取り扱えます。そして、社内の部署を横断してのデータ分析を行える特徴もあり、多くの部門を抱える大企業を中心にBIツールの需要は高くなっているようです。
BIツールの主な機能
BIツールにはさまざまな製品が提供されており、製品によって色々な機能があります。そのなかでも代表的な4つの機能についてそれぞれ解説します。
レポート作成機能
BIツールの分析モデルを通じて得られた情報を視覚的に表す際に、欠かせない機能がレポート作成機能です。提供されているBIツールは、魅力的なレポート作成機能を備えているものが多くあります。なかには、重要な情報がひと目で分かることに重点をおいたインフォグラフィック機能を備えたBIツールも存在します。レポート作成機能で作られた表やグラフなどは、関係者の間でデータ分析の結果についての議論をする際の欠かせない資料として役立つでしょう。
データマイニング機能
データマイニングとは、「データの採掘」という意味を持つ言葉です。統計学や人工知能といった技術を使って、パターンや予測などのデータ分析からビジネスに活かせる情報を抽出する機能です。企業が持っているデータの中には、ビジネスチャンスに繋がる原石が埋もれているケースが多々あります。しかし、人間の手動による作業ではなかなか有益な情報を見つけ出せません。そこでBIツールのデータマイニング機能を活用すれば、手動の作業よりはるかに効率良く価値のある情報を発見できるでしょう。
多次元分析機能
OLAP(Online Analytics Processing)分析とも呼ばれる機能です。この多次元分析機能は、売上報告や経営報告、予算編成などに利用されています。社内の情報システムに溜まっているデータを、ユーザーが使いやすいように視覚的に表現しています。また、多次元的とは、サイコロのようにあらゆる角度から物事する特徴を表しています。この多次元分析機能を使用することで、事業部門のユーザーが業績や業務プロセス関連のインテリジェンスをリアルタイムで確認でき、細かい調整を加えながらビジネスに取り込めるでしょう。
ダッシュボード機能
ブラウザ上や、BIツールのシステム画面上に、データ分析を通じてまとめられたインテリジェンスをクルマのダッシュボードのように表現し、情報全体を総合的に把握できる機能です。視覚性や柔軟性が高い情報を表示し、経営者や事業部門ユーザーは立場に応じて表示する情報を変化させられます。
インターネットが普及する前は、専用ソフトウェアを使って長時間データのダウンロードを行い、分析担当者が1つの結果を数日かけて取得しその上でレポートを作成し報告を行うのが一般的でした。昨今ではインターネットが普及したため、どこにいてもダッシュボードにログインさえできれば短時間で集計・分析の結果が得られるようになりました。
BIツールを導入するメリット
企業がBIツールを導入するメリットは多岐にわたります。ここではその代表的なものを3つご紹介します。
データ分析効率の向上
さまざまなデータベースから情報を取得し、データ形式の加工や結果の表示画面の作成など、すべて手作業で行うのは労力も時間も大幅にかかるでしょう。また、データや分析方法が異なったり、ミスが起こったりすることで、同様の作業を繰り返し行わなければならないケースも珍しくありません。さらに、データベースからの情報の取得にSQLなどの知識が必要な場合や、データベースへのアクセスが制限されている場合もあります。そうなると、IT部門などの別部署へのデータ作成依頼の発出などの手間も増えてしまい、担当者の工数はさらに増えてしまうでしょう。このような場合にBIツールがあれば、それぞれのシステムのデータベースと連携して必要なデータを効率的に収集できます。分析作業の際も高度なデータ分析を速やかに完了できるため、データ活用の促進にも繋がるでしょう。
経営の可視化
情報の可視化は、ビジネスでの意思決定のスピード向上には欠かせません。Excelなどを使って表やグラフを作ると、最新の状態へとアップデートしたい際にその都度システムからデータを出力し、わざわざ加工しなければなりません。一方で、BIツールを使えば、部署や事業単位、グループ単位で経営を可視化することができ、情報の更新も容易になります。それぞれのシステムから集めてきたデータを効率的に分析して、多角的な情報の見える化が実現できます。ビジネス上の意思決定のためのさまざまな判断材料をBIツールにて用意できれば、より精度の高い決断もしやすいでしょう。
スピーディなアクションの実現
ビジネス上で問題が発生した場合は、対応が求められる場合も少なくありません。問題の発生を未然に防げなければ、企業に大きな打撃を与える可能性もあるでしょう。特に、情報漏えいなどは予防したいトラブルの代表例です。
BIツールが提供するさまざまな分析機能から、目的に応じたツールを選択することで予測分析もできます。社内のデータを分析すれば、セキュリティリスクやその発生確率も予測できるでしょう。そうすれば、問題の早期発見も可能ですし、その後の企業としてのスピーディな対応も実現できます。
まとめ
BIツールを活用すれば、データ分析のために費やしていた多くの手間と時間を大きく減らすことが可能です。多機能でさまざまなメリットのあるBIツールを使いこなせれば、ビジネスの大きな味方となるはずです。現在では優れた特徴を持った色々な製品が提供されているので、ぜひこれからBIツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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