ビジネスの多くは「人」対「人」で成り立っています。「対人」はビジネスそのものと言えるでしょう。
このことからも、対人スキルは最強のビジネススキル、もしくはビジネスパフォーマンスの根幹と言うことができるでしょう。
そこで、今回は対人スキルを磨く5つの方法について掘り下げていきたいと思います。
方法1:自分の認知を壊し、相手の認知へ憑依する
認知力とは相手を理解する第一歩
相手のことを手に取るように理解できれば、こちらは自信を持って相手にアプローチできますよね。
相手を理解するということは、相手の認知を把握することに他なりません。
認知とは、相手が世界や物事を捉える認識のクセです。カウンセリングの世界には「認知行動療法」なるものがあります。これは、相手の認知にアプローチすることで、相手の行動に変革を与える手法です。
人は、「自分の認知」によって、何かを発言したり、何かを行動したりします。相手の認知を把握できれば、相手の理解力がぐんと高まります。
自分が相手にして欲しい指示を相手の認知に合わせてカスタマイズすることができます。なので、自分の指示通りに動いてくれやすくなります。
優れた上司やディレクターは、相手の認知を把握する力を持っています。
相手の認知を把握するために重要なのは、自分の認知を完全に破壊し、完全に相手の認知をインストールし直すように相手とコミュニケーションをすることです。
「熱い」「細い」「嫌い」「明るい」「凄い」こうした相手の1つ1つのリアクションに対して、「相手にとって、このラインは『明るい』と認知し、そのラインは『やや暗い』、あそこまでいくと『暗い』と認知するんだな」と一つ一つを捉えていくのです。
相手を捉える際に、自分の認知を使って、相手を捉えようとするから相互理解にズレが生じ、相手とうまくやり合うことに難しさを感じるのです。
方法2:相手が心地よくなるヒアリングに徹する
ヒアリングができれば、コミュニケーションは気持ち良く自動運転していく
皆さんはヒアリングに注力してコミュニケーションをしたことがあるでしょうか?
ヒアリングとは、簡単に言えば「質問」なんですが、特に「相手の自己開示に繋がる質問」をできるようになると、対人スキルは大きく向上します。
質問によって、どんどんあなたに本音を開示して、最終的には、あなたに本音を語ることが、相手にとって心地よいことであり、目的にすらなっていきます。要は、あなたに会いたい、喋りたいと相手が強く思うようになるのです。
ヒアリングのコツを語るとキリがないので、簡単に取り入れられるもので言えば、「本題・本筋とは関係ない話題で相手をぶっちゃけさせる」という方法です。
例えば、ビジネスミーティングで、訪問先の担当者に案件とは関係ない「副業」や「パラレルキャリア」について引き出すといったことです。そして、「ぶっちゃけ副業をやりたいのか?」、「副業をやるとしたら、何が一番やってみたいのか?」といったような話題を入れていくのです。
そうすると、社内では開示しない本音をあなたに開示する可能性が出てきます。要は普段過ごしている人よりも、あなたに明確な自己開示を起こしたことになるため、あなたへの愛着が深まっていくのです。
こうした小さな自己開示を繰り返していくと、お互いが本音を開示し合うことがごくごく自然なことになるので、コミュニケーションは気持ち良く自動運転のように進んでいきます。
無意識レベルで打ち解けることができるようになるでしょう。
方法3:相手の未来創造を促す
自己拡大を促せば、相手はあなたをビジネスパートナーとみなす
皆さんはコーチングという言葉をご存じだと思います。コーチングとは、質問や話題を投げかけることで、相手の可能性をどんどん高めていくスキルです。
コーチングの場合、質問だけで、こちらから提案をしないという原則がありますが、今回オススメする対人スキルは、「もしも、相手に●●があれば、◆◆な未来でもっと素敵になる」といった話を入れていくということです。
そのうえで、自分自身もそんな相手が素晴らしくなっていく姿を想像し、ワクワクするということが大事になります。
相手が新たな自分の可能性を解釈し、新たな自分の自己像や可能性に心地よくなるような感覚は「自己拡大感」と言われます。
相手の自己拡大を自然に促せるようになれば、相手はあなたと話すことでいろんな可能性を見出せるので、一緒に居て自分もワクワクするようになります。
結果、自己拡大感を促す対人スキルを備えると、多くの人が、あなたをビジネスパートナーとみなすようになります。
クリエティブな案件を通じて、クライアントの未来の可能性がぐっと変わることを腑に落としてあげたり、クライアントが新しいプラスの側面を見出せるようにできれば、あなたは「作れる」といっただけの存在ではなくなります。
方法4:ボディランゲージをアクティブにする
表情や体の動きも対人スキルの一つ
ボディランゲージをおろそかにしていませんか?私たちのコミュニケーションの軸は言語ですが、五感をベースに言えば、視覚が情報受容の大きな割合を占めます。
そのため、単に喋りが上手ければ良いわけでなく、表情や体の動きで常時相手に適切なメッセージを投げ掛ける必要があります。
基本的には普段の表情がリラックスしていて、会話の抑揚と同じく表情に抑揚があると、対人スキルも向上します。
手の動きや体の動きは、基本的に開き気味に動かすと良いです。右手なら右方向、左手なら左方向に開くと、オープンなマインドを伝えることに繋がります。
最後に:対人スキルを高めて、ビジネスパーソンとして安定した世界を築こう
対人スキルに真摯に向き合えば、一生仕事に困らない社会人になれる
以上、対人スキルを手軽に磨く4つの方法について解説してきました。
対人というと、普段誰もがやっている当たり前のことなので、そこに深いスキルがあるであろうとリーチする人は意外に多くありません。
しかし、対人スキルの小さな違いや小さな施策で、大きな成功や反応を得られた人は対人スキルの重要性を認識し、日々向上させていっています。
対人スキルを高めれば、ビジネスパーソンとして安定した世界を築き上げることができます。ぜひ、対人スキルに真摯に向き合えば、一生仕事に困らない社会人になっていきましょう。