広告制作にまつわる海外のデザインアワードとは？受賞作品もあわせてご紹介！
優秀な作品を創出したクリエイターに送られる「デザインアワード」。国内はもちろん、海外でもさまざまなデザインアワードが存在します。この記事では、広告を対象とした海外の賞や、その受賞作品を一挙ご紹介します！
デザインアワードとは
デザインアワードは、優れたデザインを創出したクリエイターに送られます。広告でいえば、ペルソナの心を捉える、大胆かつ印象的な作品が選ばれます。実際の受賞について見ていく前に、デザインアワードの受賞がどのような意味を持つか解説します。
広告賞獲得は広告クリエイターにとって重要なキャリアパス
広告を対象としたデザインアワードは、グラフィックやキャッチコピー、映像作品など、あらゆる作品が対象となります。
大手広告代理店は、特にデザインアワードに重きを置いています。賞獲得のために多額の経費を投じることから、「アワード・ビジネス」と呼ばれるほどです。デザインアワードを受賞すれば宣伝効果が高まり、投じた経費以上の収益を見込めます。
制作に携わるクリエイターにとっても、デザインアワードは大きな目標です。受賞すれば作品の価値が向上し、担当する案件の規模が大きくなるからです。デザインアワードの受賞は、会社・クリエイターともにメリットのあることなのです。
デザインアワードはデザイナー・クリエイターの「力試し」
デザインアワードはクリエイターの「力試しの場」でもあります。世界各国のクリエイターの作品と競い合い、第三者から公正な評価を受けられます。
広告のトレンドは日々変化しています。デザインアワードは、ときに「ブランドのよう」だといわれることもあり、最先端の作品が急に時代遅れになったり、飽きられてしまったりします。
デザインアワードで評価されるには、時代の流れを読みつつ、新たな流行を生み出さなくてはなりません。最先端でありながら、人々にすぐに受け入れられるような広告に仕上げることを求められます。
カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル
カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルは、世界最大のデザインアワードです。最高峰の広告賞として世界中の広告クリエイターが受賞を目指しています。
2015年デザイン部門ゴールド受賞：JR東日本 東北新幹線「行くぜ、東北。」
2011年の東日本大震災の際、「何かできることをしよう」という想いから、「行くぜ、東北」を掛け声としたスタイリッシュな広告作品が誕生し、見事受賞を果たしました。
CLIO Award Interactive クリオ賞
多角的な視点から審査が行われるため、広告賞の「ピューリッツァー賞」とも評されています。作品制作に加え、優れた活動を行った広告代理店も受賞の対象です。
2019年大賞受賞：ニューヨーク・タイムズ「The Truth Is Worth It：Rigor」
全5篇の映像作品です。ロヒンギャ問題、ISなどの危険な取材にも臆することなく真実を取材する記者の姿が写し出されています。
One Show
One Showはカンヌライオン・CLIOと並ぶ国際広告アワードです。学生の作品が受賞することもあるため、近年では日本の学生のエントリーも増加傾向にあります。
2018年Best of Show受賞：ステート・ストリート・アドバイザーズ「Fearless Girl」
「恐れを知らぬ少女」というタイトルの作品で、少女の眼前にはウォール街のシンボル「雄牛蔵」が対峙しています。女性の地位向上のキャンペーンとして設置され、SNS上で大きな話題を呼びました。
D&AD賞
ロンドンのOne Showと呼ばれるD&AD賞は、新世代を担う「尖った」クリエイティブが評価されます。審査は非常に厳しく、最高賞「ブラックペンシル」は受賞作品が出ないこともあります。
2008年ブラックペンシル受賞：ユニクロ「UNIQLOCK」
「UNIQLOCK」はカンヌライオンズグランプリとCLIOアワードを受賞し、さらには「ブラックペンシル」も受賞しました。世界の名だたる広告賞を3つも受賞したことで、大きな注目を集めました。
ニューヨークADC賞
世界最古の広告美術団体であるADC（アート・ディレクターズ・クラブ）が主催しているため、世界中のクリエイターやアートディレクター、広告代理店が受賞を志しています。
2017年GOLD CUBE、BEST OF ADVERTISING受賞：シカゴ美術館「VAN GOGH BNB」
世界各国で民泊マッチングサービスを提供する「Airbnb」のキャンペーン広告です。広告上で「ゴッホの寝室」を再現しただけでなく、実際に宿泊することもできます。
ニューヨークフェスティバル
広告だけでなく、映画やTV番組などの優れたメディア作品に送られるデザインアワードです。世界中から集められた数百名の審査員が審査した後、世界的に著名なクリエイターの手によってさらに5回もの審査を経て受賞作品を選出します。
2017年グランプリ2つを含む5部門受賞：ソニー・インタラクティブエンタテインメント「GRAVITYCAT / 重力的眩暈子猫編」
「無重力」をテーマにしたゲームの続編タイトルのプロモーションムービーです。ワンカットの実写映像を撮影するためだけに、部屋をまるごと回転させるセットを制作して撮影しています。
エピカアワード
フランスで開催される国際広告賞です。世界各国のジャーナリストが審査員を務めています。
2018年フィルム・グランプリほか2部門で金賞受賞：資生堂「The Party Bus 好きだなんて言えない」
ハロウィンを題材に制作された短編映像作品です。特別な日のメイクをテーマしていると思わせながら、最後に隠されたメッセージが明かされるストーリーとなっています。
スパイクスアジア
アジア地域の広告デザインの発展を目的としたデザインアワードです。カンヌライオンズと共同開催しており、今では権威の高い広告賞の一つとして知られています。
2018年デジタルクラフト部門グランプリ受賞：Double A「Obsession for Smoothness」
タイを本拠地とする製紙会社「DoubleA」とコラボレーションした、世界初の「ペーパー・プロジェクションマッピング」の映像作品です。この作品は本賞のみならず、世界各国の広告賞を受賞しています。
釜山国際広告祭 AD STARS
アジアを代表する広告・デザインアワードですが、対象となる作品は全世界から募集しています。すべての作品部門の審査費用が無料のため、応募の門戸が広いことでも知られています。
アジア太平洋広告祭（ADFEST）
タイ・パタヤで開催しており、アジア太平洋地域で開催される広告フェスティバルでは最も大規模です。本広告連盟は、研修や報告会、アジア地域の若手クリエイター向けワークショップ協力事業に参加しています。
ロンドン・インターナショナル・アワーズ
開催当初は3部門のみでしたが、現在では全22部門と幅広くクリエイティブ・デザインの才能を発掘、表彰しています。対象となる作品は広告、デザイン、マルチメディアです。近年広告賞としての価値が高まり、世界各国のクリエイターから注目を集めています。
まとめ
この記事では、海外の広告を対象としたデザインアワードをご紹介しました。広告業界への転職を目指す方は、国内はもちろん、海外のデザインアワードを参考にして、クリエイターに求められる要素について理解を深めてみましょう！
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