クリエイターが知っておきたいニューロマーケティングのイロハ
マーケティングセンスがあるクリエイターは、クリエイティブな分野で「単に創る」だけでなく、成果や結果を狙って出すことができるようになります。
そこで、今回はマーケティングの中でも比較的新しい「ニューロマーケティング」の知識を、クリエイターの方に向けて、分かりやすく解説していきたいと思います。
ニューロマーケティングとは
脳科学を適用させたマーケティングのこと
ニューロマーケティングの「ニューロ」は「Neuro」のことで、直訳すると「神経」を意味します。神経とは脳の神経を指します。
ニューロマーケティングとは、ざっくり言えば、「脳科学」に基づいたマーケティングを意味ます。
脳科学は、時には「神経科学」「消費者神経科学」という呼ばれ方をしています。
ニューロマーケティングの重要性
なぜ、ニューロマーケティングが大切なのか?
例えば、2012年に発表された「A neural predictor of cultural populrity」(Berns, G.S.,& Moore, S.E.)では、「被験者のレビュー」よりも「脳の側坐核の活動領域」のほうが、インディーズバンドの3年後の売り上げ枚数と相関があったことが分かっています。
こうした研究の事実は、「実際、本音でアンケートを聞き出しても、それが答えの本質とは限らない」ということを示しています。
恋愛で本人は相手を好きになった理由を本気で「ある要素」だと思い込んでいたとしても、実態は別の要素だという具合いです。
科学としては、「被験者がこう言ってました」という情報だけでは客観性に欠けます。
より科学的なアプローチをマーケティングに加えるために、潜在的な脳の情報処理を含めることになったのです。
従来のマーケティングは机上の空論!?
マーケティングのメタ分析で分かったこと
1992年の比較的古い研究(Armstrong, J.S & Scultz, R.L. Policies)ですが、1927年以降に出版された9つの主要なマーケティングのテキストを集め、マーケティングの原則566例を集めて、その原則の是非を分析しました。
すると、マーケティング専門教授が数人で評価してエビデンスや有用性がある例はなんと0例、現実とは真逆の原則が9例出てきたようです。
マーケティングとは、時と場合を選ぶ非常に繊細なものであることは言うまでもありません。
そんな繊細な現実のマーケティングの本質をより正確に捉える手法がニューロマーケティングと言えます。
ニューロマーケティングもまだまだ発展途上
ニューロマーケティングへの批判・評価
今まで得られなかった多くの知見を脳科学は与えてくれていますが、ニューロマーケティングは完璧とは言い切れません。
2015年にMIT Techonology Reviewに投稿された記事では、ニューロマーケティングは未だに信頼に足る広告科学ではないと主張されています。
マーケティングの理論や知識というのは、私たちがしっかりと学び、選択していく必要があるでしょう。
ニューロマーケティングの注意点
脳科学を持ち出すべきかを考えよう
ニューロマーケティングで気を付けるべきことは、わざわざ脳を見て分析しなくていいことまで、脳科学を使ってしまう点です。
「そんなの脳科学じゃなくても、分かるよ!」と言ったことに対して、ニューロマーケティングを持ち込むと、事柄が複雑になってしまうでしょう。
私たちは、1つの理論だけでなく、複数の理論や事実に注目し、比較することができます。
マーケティングにおいても需要なのは、情報を活かすスキルです。そのためには、広い視野と深い思慮で物事を見つめていくことが大切なのです。
クリエイターがニューロマーケティングをもっと学ぶなら
クリエイターが知るべきニューロマーケティングの知識
ニューロマーケティングと言っても、脳科学の分野の知識を学ぶ必要があります。
そして、従来のマーケティングについてある程度学んでいれば、ニューロマーケティングは、両者のミックスなので、ある程度内容を読み取るリテラシーは付いているでしょう。
クリエイターがニューロマーケティングを学ぶ際は、以下の3つのワードに関する研究や結果を調べていくと良いでしょう。
・ニューロン
・fMRI
・ドーパミン
脳科学の知見は、マーケティングに関わらず、人へ影響を与えるすべての分野に適用させることができます。
クリエイターは、何かを創り、それを人へ届ける職業ですから、ニューロマーケティングのセンスを磨けば、人へ大きな影響を与えられるクリエイターになるでしょう。
最後に:ニューロマーケティングはクリエイターのツールになる
ますます楽しみなニューロマーケティングの世界
以上、クリエイターが知っておきたいニューロマーケティングの初歩的な知識を解説してきました。
マーケティングの世界ではMAという言葉がありますが、今後MAにも脳計測が導入され、ニューロマーケティングツールは様々に誕生していくでしょう。
手軽にニューロマーケティングツールが使えるようになれば、それはすべてのクリエイターにとって使いこなすべきツールになっていくでしょう。
そのためにも、今のうちからニューロマーケティングの分野に詳しくなっておくのは良いかもしれません。ぜひ、今回の記事も参考にしてみてください。
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