資格は必要なくても大丈夫?編集者が持っていると役に立つ資格をご紹介
現在、オンラインのコンテンツマーケティングにおいて欠かせない、編集者に人気が集まっています。編集者になるのに有利な資格はあるのでしょうか?編集者になりたい人や、すでに編集者として働いている人のために、持っていると役に立つ資格をご紹介しましょう。
編集者の時代
従来は、コンテンツ制作でもっとも重要なのはクリエイターでした。編集者は、制作物を集めて並べるだけの仕事で、あまり重要性を認められてきませんでした。しかし、知識社会が深化し、人類が莫大な知識を持つようになった今日、テーマに沿った知識をいかに見つけ、いかに組み合わせるかが、コンテンツの成否を決定づけるようになりました。コンテンツを総合的に管理する編集者の時代が来ています。
編集者の仕事
編集者は、コンテンツのアイデアの立案に始まり、クリエイターを確保し、クリエイターに指示を出してコンテンツを完成させます。編集者はまた、コンテンツを世の中に売り出したり、コンテンツの実績を評価し、改善したり、次にコンテンツを作成するときに活用したりします。編集者は自分の仕事の中で、クリエイターたちだけではなく、クライアントを含めて社内外のさまざまな人々と折衝を重ねるのです。
コンテンツの制作
編集者は、コンテンツの制作を総合的に管理します。編集者の最初の仕事は、企画を立案することです。良い企画を立案するためには、多くのことに興味をもち、人々が関心を持っていることにも敏感であることが求められます。
企画の立案では、アイデアの斬新さも重要ですが、次の工程の人材の確保も視野に入れる必要があります。編集者は、自分ではコンテンツを制作しません。文章や画像、Web技術などのさまざまな専門性をもったクリエイターを確保できなければならず、そのために社内外に豊富な人脈を開拓したり、維持したりする必要があります。
編集者は、集めた人材に仕事を割り振ってコンテンツを完成させます。クリエイターのような専門的スキルは必要ありませんが、文章やデザインの良し悪しを判断する力や、個別のコンテンツがどの制作過程に関する知識は必要です。
コンテンツのマーケティング
編集者の仕事は、コンテンツを作り出すことだけはありません。編集者はコンテンツをいかに世に売り出していくか、発信後のプロモーションにも携わります。編集者は、プロモーション施策の立案、コンテンツの他メディアとの連携、コンテンツ発信後のフォローと分析に関わります。Webコンテンツの場合、マーケティングの数字を見ながらコンテンツの修正を指示するのも編集者です。
編集者が取っておきたい資格
一般的には、編集者として仕事をするために必要な資格はありません。多くの場合、さまざまな分野で仕事をしているうちに、能力や適性が評価されて編集者の仕事を任されることになります。それでも編集者になるうえで有利な資格や、編集者の仕事に役立つ資格はあります。代表的なものをいくつかご紹介します。
大学卒業資格
編集者、とくに紙媒体の編集者になるためには、出版社に就職するのが近道です。大手出版社は、応募要件として、大学や大学院を卒業することを要求しています。大手出版社以外の出版社や、編集プロダクションの中には大卒資格を要求しないところもあります。新卒で編集者にならなくても、ほかの分野で実績を積んでから編集者になることも可能です。
校正技能検定
校正とは、書籍や雑誌の内容を、正しく不備のないものに仕上げる技術です。コンテンツの誤字脱字を修正して内容を正す校正は、読者の信頼を確保するための大切な作業です。大きな出版社には専門の校正セクションがありますが、中小企業やWeb編集者、インハウス編集者は校正作業も担当する場合が多いです。日本エディタースクールの校正技能検定にパスすることで、校正のスキルをアピールしたり、編集者としての日々の業務に役立てたりすることができます。
DTPエキスパート認証試験
DTPとはDesk Top Publishingの略で、パソコンで印刷物を作成することを意味しています。DTPソフトを使えば、印刷物を作成するためのさまざまなコンテンツをレイアウトして、印刷物の要件に合うように調整することができます。JAGAT(日本印刷普及協会)のDTPエキスパート資格は、「DTP」「色」「印刷技術」「情報システム」「コミュニケーション」関連知識を習得した人材を認証します。この資格もまた、校正技能検定と同様に、編集者としての業務やスキルアピールのうえで役に立ちます。
Webライティング能力検定
一つのテーマに対し、まとまりのある文章を書く能力は、編集者にとってもっとも基本的な能力です。編集者は、ライターの文章をチェックして、誤字や脱字を正すだけではなく、コンテンツの目的をよりよく実現するためのブラッシュアップも行います。Webライティング能力検定の資格を取得することで、信頼感を高めるライティング技術、販売や自己表現に役立つ効果的なライティング技術、効果的なWebコミュニケーションの取り方を身につけることができます。さらに、SEOや法律・炎上対策までの知識も身につくので、編集者の仕事の上でも、自己アピールの上でも役立ちます。
ウェブデザイン技能検定
技能検定とは、働くうえで必要、役に立つさまざまな技能の習得レベルを評価する国家検定制度です。その中でも、ウェブデザイン技能検定は、技能検定の中でWebにかかわる技能を評価する唯一の検定制度です。この検定のために勉強することで、HTMLなどの言語や、画像処理など、Webの作成や運営に関するスキルを身につけることができます。ウェブデザイン検定で身につけたスキルは、Web編集者としてデザイナーに指示を出すときに役立ちます。
アドビ認定アソシエイト(ACA)
Webであれ、紙媒体であれ、Photoshop、Illustratorなどのアドビのソフトウェアが多くの制作現場で使われています。アドビ認定アソシエイトの資格を取れば、イラスト、ロゴ、パッケージ、広告、プレゼン資料、写真加工など、あらゆるデザインや画像作成に不可欠なアドビの主力製品を使いこなせる基本的なスキルが身につきます。編集者には画像加工の高い能力は必要ありませんが、デザインに強みがあることをアピールできるでしょう。また、デザインの基本的な知識があることは、画像やデザインを選択し、クリエイターとコミュニケーションするうえでも役に立つでしょう。
編集者になるには
編集者になるステップは実にさまざまです。編集者は総合的な職種なので、非常に多くの能力を必要とします。
編集者になるまでのステップ
編集者になるための入口はさまざまです。新卒入社で出版社に就職することに加えて、ライターやデザイナーなど、編集者に指示を受ける立場で実績を積み、編集者になる方法も一般的です。ほかに、Webサイトを構築するコーダーから編集者になったり、企画・提案型の営業、コンサルタントなど、編集者に近い部分がある仕事から、編集者になることもあります。
編集者に要求される能力
編集者には、雑多な情報の中から企画のアイデアを作り上げるための高いリサーチ能力や、一見異なる分野のことがらを結びつける創造力が求められます。多くのクリエイターに的確な指示を出すためには、クリエイターの仕事を理解するとともに、クリエイターの気持ちを理解する感受性も求められます。編集者には業界の構造を理解したうえでさまざまな人々と交渉し、コンテンツをまとめあげるためのコミュニケーション能力とマネジメントスキルも求められます。
まとめ
編集者の仕事は、コンテンツ制作を取りまとめることと、コンテンツのプロモーションやケア全般に関わることです。編集者の仕事は非常に範囲が広いので、持っていると役に立つ資格もたくさんあります。資格は役には立ちますが、編集者としての評価を決定づけるのは、リサーチ能力やコミュニケーション能力、その他雑多な知識とスキルです。さまざまな資格を、自分の編集スタイルに組み込むことができれば、編集者としての能力を高めることができるでしょう。
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