クリエイターが知っておきたい「ブランドエクイティ」の知識集
クリエイティブやマーケティングにおける「ブランド」や「ブランディング」という言葉は既に浸透していますが、「ブランデエクエティ」という言葉にはピンとこないクリエイターもまだまだ多いように感じます。
そこで、今回は、クリエイター向けに、ブランデエクエティの意味を分かりやすく解説したいと思います。
ブランドエクイティとは
ブランドを資産に換算したもの
ブランドエクイティとは、ブランドを資産として見なした際の価値です。
資産と言えば、「土地」「建物」「金銭」といった有形のものを想像すると思います。この資産に「ブランド」を組み込んで価値として捉えたものがブランドエクイティなのです。
なぜ、ブランドエクイティが重要なのか?
ブランドは企業に内在するあらゆる要素の価値を大きく変えるから
わざわざブランドの価値をしっかりと測定する理由は、企業のあらゆる活動は常にブランドの影響を受けるからです。
競合と商品力が同等だったとしても、ブランド力があれば、自社の商品への購買欲を高めてくれるでしょう。競合と同等のサービスを展開しても、ブランド力があれば、顧客満足度を高めることができます。
ともすれば、ブランド力があれば、社員用に作ったノベルティが、社外への価値を大きく持つこともあります。
ブランド力があれば、タイアップやコラボレーションできる企業のブランド力も高まります。ブランドエクエティが高い企業同士が協業すれば、お互いのブランド価値を掛け算することができるのです。
自社も然り、他社へのブランドエクイティを見誤ると、企業活動は期待値を越えられなかったり、最終的には大きなダメージをくらうことになります。
ブランドエクイティの測定方法
ブランドエクイティを掘り下げていくと、「そもそもブランドエクイティはどのように測るの?」という疑問が出てくると思います。
一般的にブランドエクイティを測定する方法は、以下の3つを挙げることができます。
測定方法1:コスト・アプローチ
ブランディングに投じた費用を積算する方法です。一般的にコストを掛ければ掛けるほど、ブランディングの効果は高くなります。
何か新しいブランドを作ることを考えるのか、類似の既存ブランドを購入するのかを検討する際に、コストの側面からブランドエクイティを見極めるのは非常に大切でしょう。
測定方法2:キャッシュフロー・アプローチ
ブランドが将来生み出す余剰キャッシュフローから見るアプローチです。商品やサービスに力を入れて展開する場合は、このキャッシュフローに注目するのは非常に大切です。
SNSで言えば、どれだけ多くのフォロワーに、どれだけ高いエンゲージメントが出せるのかという点がキャッシュフローの視点と言えるでしょう。
測定方法3:マーケット・アプローチ
実際に市場で取引されている類似ブランドの価格をもとにするアプローチ手法です。事業規模などのあらゆるデータ、または既存取引ブランドの価値の由来などを調査し、測定したいブランドの本当の価値を見定めていきます。
ブランドエクイティの構成
構成要素1.ブランド認知度
SNSで言えば、フォロワーの部分が認知度に当たるでしょう。ブランドの認知度は、愛着や安心感に繋がります。何か商品をプロモーションした際のユーザーにフックを掛ける役割をするのが「認知度」です。
いかに「あのブランド」として曖昧に知られているか、それが認知度の本質と言えます。
構成要素2.ブランドロイヤリティ
ブランドへの忠誠心です。SNSで言うところのエンゲージメント率と言えるでしょう。ブランドロイヤリティは、ブランドを通して顧客や情報需要者にどれだけ強い影響を与えられるかという部分の価値になります。
構成要素3.知覚品質
消費者が感じるブランドの品質です。ブランドのテイストの中でも、クオリティにおけるテイストと捉えると良いでしょう。
ブランディングを目指す場合は、自社のサービスや商品とターゲットユーザに合わせた、知覚品質を目指す必要があります。
適切な知覚品質を目指さない場合、ブランドと商品、ブランドとユーザーはミスマッチを起こし、結果的にブランドの「利用価値」は低くなっていくでしょう。
構成要素4.ブランド連想
ブランドから思う意株イメージです。知覚品質はクオリティイメージだとしたら、ブランド連想は、「オシャレ」「女性っぽい」「キラキラしている」といったイメージそのものと言えます。
また、ブランドからどのような類似ブランドや競合ブランドが連想されるのか、全体的な連想されるイメージによって、その価値構成を判断していきます。
構成要素5.その他の知的所有権のある無形資産
ブランドに付随する知的財産や無形の資産のことです。例えば、ブランド名でアプリやWebメディアを展開しているのであれば、それはそのブランドエクエティの一部として見なすことができるでしょう。
何かのブランドを買収したり、何かのブランドとコラボレーションをする場合、1から4で取り上げた構成要素よりも、実際の知的財産などから得られるメリットを重視するようなケースも出てくるでしょう。
最後に:ブランドエクエティ的思考は、クリエイター自身のブランディングにも役に立つ
自身の活動をブランディングエクエティ的観点で捉えていこう
以上、ブランドエクエティについて分かりやすく解説をしてきました。
ブランドという無形で曖昧と言われるものを価値として見直し、その価値を見定め、事業や経営に生かすマインドはクリエイター自身の活動にも参考になりますよね。
特に、個人活動をするクリエイターは、SNSがブランドツールになり、SNSなどの数値がブランドの価値に直結すると思われがちですが、さらに踏み込んだ視点で、自身の活動を捉えることで、違ったブランド価値を発掘したり、SNSとは違う舞台で力を注ぐことがよりよいブランドエクエティに繋がると言えます。
自身の活動をブランディングエクエティ的に捉え、さらなるクリエイターとしての存在価値向上に生かしてみてください。
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