食いっぱぐれない武器を持て。自分の手で未来を拓くクリエイターのための生存戦略とは。(後編)

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食いっぱぐれない武器を持て。自分の手で未来を拓くクリエイターのための生存戦略とは。(後編)
INTERVIEW 2020.11.17

食いっぱぐれない武器を持て。自分の手で未来を拓くクリエイターのための生存戦略とは。(後編)

株式会社ミクシィ デザイン本部 制作室 コンテンツデザイングループ マネージャー 越智純平

2020年10月3日(土)4日(日)の2日間にわたって世界中のファンを熱狂させたオンラインイベントXFLAG PARK 2020。「離れていても、ココロはつながる。」のキャッチフレーズ通り、配信の特性を活かしつつライブ感、リアル感を演出し、ファン同士がつながりを感じられるステージを創り上げたのがミクシィの越智純平さんだ。今回はインタビュー後編として、越智さんの仕事観、キャリア観について紹介。これからますます不透明さを増す社会をサバイブする全てのクリエイターにとって、参考となる思考や行動のヒントが詰まっている。キャリアアップを図ろうと考えているクリエイターに、ぜひご一読いただきたい。

絶対に配信の時代が来る、という読み

―クリエイティブの入口が映画( 前編 参照)とのことですが、現在手掛けているWebの世界はスケールがずいぶん異なりますよね

自分の中ではそういった格差というか、違和感を覚えたことはありません。確かに映画の仕事をしたかったのですが、CMはCMでクオリティ高くて面白かったんですよ。そうこうしていると今度はYouTubeに火がつきはじめた。覗いてみるとネット配信も面白そうだと。なのでWebには何の抵抗もなく入っていけましたね。

―いわゆるフォーマットとかインフラの問題ではないと

ミクシィに入る前にはすでに動画編集して公開もしていましたしね。入社して2年くらい経ってから モンストニュース を生配信したいという話がでてきて、僕や他の社員たちと社内で生配信ができる仕組みをつくり始めました。生配信って当時、ニコニコ動画ぐらいでYouTubeはまだ流行ってなかったんですよ。これは絶対に来るなと読んで、いち早く生配信のスキルを身に着けようと動きはじめました。

―その読みが見事に当たることになります

いや、ホント、この読みは当たった(笑)。社内で自分たちで生配信ができるようになった後には、XFLAG STORE SHIBUYAでも生配信できる仕組みができていました。いろんな機材は入ってくるし、環境も整いつつあった。だから生配信の時代が絶対に来る、って言い切ってました。もちろん誰よりも先に勉強して、イチから覚えていきましたしね。

―そう確信できた理由ってなんでしょうか

これはあくまで個人としての考えで、言い方はよくないかもしれないですが、YouTubeの編集だけやっている人って、編集マンとしてはプロとは言えないんじゃないかと思っていたんです。いまや素人だって編集しているので、ハードルは低いと思う。だから、それだけで世の中渡っていけるとは思えなかったんです。やっぱりプロフェッショナルな編集マンというのは映画やテレビ、CMの世界の人たちなんですよ。

―でも越智さんはこっちの道を選んだわけですよね

そう。だから、なんでもできるジェネラリストになったほうがいいと考えはじめたんです。企画もするし編集、配信もできる人間に。あと、今後生配信が主流になれば企業が必ず手を出すと思った。企業がYouTubeでいろんな配信チャンネルを持つようになるだろうと。

―ミクシィがやろうとしていたぐらいですからね

まさしく(笑)。だからこのスキルを身に着けることは、ミクシィのためにもなるし、自分自身の将来のためにもなる。もし会社を去ることになったとしても、企画や編集、配信もできますというのは武器になるじゃないですか。企業が配信部門を立ち上げようとするときには重用されるし、たとえばマーケティングの部署にいるけど配信もできる、とか、プロモーションの部署にいるけど配信もできる、というほうが市場価値が高いわけですよね。

―クリエイターとしての生存戦略ですね

そうですね。これは絶対に考えておくべきことだと思います。いま、僕のメンバーたちにもさしあたって配信は覚えておいたほうがいいよ、と事あるごとに言い続けています。

インハウスでいる意味

―もともとそういう戦略思考だったのですか?

きっかけは、ゲーム会社の契約を切られたことですね。それまでの僕は、ぶっちゃけ世の中甘いな、と思っていた。社会というものを軽く見ていたんです。まさか半年で切られるとは思っていなかったし。だから落ち込みましたし、食いっぱぐれないためには、ということをものすごく考えるようになりました。

―自分自身と向き合ったわけですね

仕事というものは自分で作っていかなければならないし、社会で生き残る術も自分次第。誰かが教えてくれたり身に着けてくれるものじゃないんですよね。自分の力でサバイブする技術を見つけなくちゃ、という意識になりました。それがいまにつながっているんです。

―とはいえ、クリエイターは請負仕事になってしまいがちですよね?

制作会社はもちろん、インハウスでも依頼ベースの仕事は多いです。ただ、これは経験者はわかると思うんですが、依頼されてモノを作っていると何らかの問題意識を抱えるようになるんですよ。もっとこうしたらいいのに、とか。インハウスのクリエイターならば、それを都度解消していくべきだと思います。いいものを作ることは前提で、こうすればもっとよくなりますよ、と提案していく。

―黙っているとそのままになってしまいますよね

どんどん事業部側に対して発信すべきですね。もっとこうしたほうが効果が上がるとか、たとえばこういうものを作ってみてはどうですか、とか。そのほうが自分の仕事をつくるきっかけにもなりますし、最終的に会社に利益をもたらすことになれば恩返しにもなりますし。インハウスでいることの意味ってそれじゃないでしょうか。

―なるほど…インハウスの意味ですか

制作会社なら発注通りのモノづくりでいいのかもしれない。でもインハウスは自分たちのサービスやプロダクトなんだから、自分たちがいちばん良く知っているはず。最大にして最高の理解者だからこそ、プラスアルファの提案やワンランク上のアイデアを出すべきですよね。そこにインハウスの醍醐味があるんじゃないかと。

―それには事業部側との関係性も大事ですよね

もちろんです。事業部側との関係値がよくないと提案もできません。言われた通りにつくるだけの仕事になってしまいます。事業部が施策や企画を立ち上げるとき、最初から組み込まれるような関係性。そういう環境づくりを事業部側にも協力してもらいたいと思っています。インハウスクリエイターを社内外注にしないってことですね。

―そのほうがクリエイターも仕事を楽しめますもんね

いい意味でインハウスを使いこなしてほしい。そんなふうに意識を変えてもらうためにも、僕が事業部側も兼務するようになったんです。最近、ほんとにいろいろ変化に向けて動きはじめているんですよ。僕のようなポジションを得られるのもミクシィのいいところかもしれません。

―かなり自由度が高そうですね。

きちんとプレゼンしていいね、といってもらえれば何を作っても自由だし、クリエイターにとっては仕事のしやすい環境だと思いますよ。

ゆくゆくはインハウス代理店を立ち上げたい

―越智さんが率いる組織って楽しそうですね

僕はメンバーに好きにやらせてあげたいタイプなんですよね。だから一人ひとりにどういうことをやりたいのかを聞いて、それが実現できそうな事業や部署に話にいきます。で、そことつなげる。いま根本から手を入れているのが、まさにその関係性づくりなんです。

―評価とか難しくないですか?

クリエイターの場合、なかなか定量評価ができませんよね。だからきちんとプロセスを見るようにしています。実際にどういう成長をしたのか。技術面だけでなくマインドの面からもしっかり評価するようにしています。僕、めちゃくちゃメンバーと向き合うタイプの管理職なんですよ(笑)。

―クリエイターのマネジメントとしてはレアなほうでは

だいたい背中を見て盗め、みたいなケースが多いですよね。僕、ポスプロのときにそれがしんどかったんです。ポスプロって定着率あまりよくないイメージがあるかも知れないけど、先が見えないからそう思われてるような気もして。そもそも先なんて自分でつくるもんだ、という世界観。それを否定はしませんが、いまの時代にはあわないんじゃないかと思うんです。

―リモート下ではマネジメントも大変なのでは

そこはもう信頼ですよ。しっかりと期限内にいいものを作って、労働時間も決められた枠内でこなしてくれれば問題ない。あとはリーダーがメンバーを細かく見ていて逐一報告くれますしね。あ、でもなんかあったらいつでも連絡くれ、と言っているので、なんかある人は必ず連絡してくれています(笑)。

―越智さん自身の将来のビジョンはありますか?

今後狙っていきたいのは社内代理店ですね。いま僕のグループにはデザイナーやディレクター、CGデザイナーなどさまざまなクリエイターが揃っている。そこに僕がマーケティングやプロモーションを勉強して身につければ、エージェンシーのような機能が持てるようになるんじゃないか。インハウスの代理店って面白いと思うんですよ。新規事業が立ち上がったときに、あそこに依頼すればいろいろやってくれるみたいな。

―確かにそれは可能性ありそうですね!最後に、若手クリエイターにエールを

将来、自分がどうなりたいか、どうしていきたいかということは絶対に考えて欲しい。それによって学ぶこと、動き方、所属する会社も決まってきます。特に若い頃はどこにいるかで将来が決まっちゃうんですよ。だから自分の未来としっかりと向き合って、考えてほしいなと。これホントに思います。

―越智さんご自身の経験でもありますもんね

入ってからオレ何するんだっけ、ではその会社でもなかなかトップを張ることはできないです。自分の中に一本筋を持って仕事しないと、絶対なにかのきっかけで脱落してしまう。こんなはずじゃなかったとかでてくる。だから、何度もいいますが、どうなりたいか、どうしていきたいかをしっかり考えて、軸を持った上で就職なり転職なり動いてほしいと思います。それが失敗しない秘訣かなと。

―本日は長時間にわたるお話、ありがとうございました!

前編の記事はこちら

取材・編集:早川博通( @hakutsu)
撮影:小野千明

株式会社ミクシィ デザイン本部 制作室 コンテンツデザイングループ マネージャー

越智純平

1985年愛媛県生まれ。大学卒業後、CMのポストプロダクションでキャリアをスタートさせる。その後、ゲーム会社で契約社員として宣伝業務に携わるも半年で契約解除の憂き目に。学生時代の友人の紹介により2015年、ミクシィに入社。現在、デザイン本部のコンテンツデザイングループを率いるマネージャーとして、事業部を跨いで縦横無尽に活躍中。

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