広報に資格っているの?広報になるために身につけておきたい資格・知識を解説
広報の仕事はプレスリリースや記者会見を通じて企業と一般消費者の間に良好な関係を作り出すことです。広報を志す人のために、必要なスキル、持っていると役に立つ資格、広報になるために身につけておきたい知識について解説します。
広報に必要なスキル
広報に必要なスキル
広報には、企業に関する一般の人々のイメージや、企業のブランドイメージを長期的に高めていくことが求められます。広報が作成したプレスリリースや開催するイベントには一貫性が必要です。また、プレスリリースを取り上げてもらうためには、マスコミの行動特性を理解することも不可欠です。さらに、広報は企業の内外を綿密に分析して戦略的に行動しなければなりません。
文章作成能力
広報は、プレスリリースや資料、報告書やSNS発信など、文章を作る機会が非常に多い仕事です。広報には高いレベルの文章を短時間で書き上げる力が求められます。
コミュニケーション能力
記者会見や記者対応も広報の仕事です。不祥事があったときなどは、記者から厳しい質問を向けられるかもしれません。広報には、そのような緊迫した場面であっても冷静さを保ち、的確に対応する高度なコミュニケーション能力が必要です。
広報で持っていると役立つ資格
広報に必要な資格はありませんが、勉強したことが役に立つ資格はたくさんあります。広報と直接関係がある資格はPRプランナー資格だけですが、広報の隣接分野について勉強すれば、いろいろな分野の人と協力して仕事を進めるのに役立ちます。
企業によっては広報がIRやマーケティングを兼務する場合もあります。そうした企業では、隣接分野の勉強は就職するときにも仕事を進めるときにも直接役立ちます。
PRプランナー資格認定制度
PRプランナー資格は、PRや広報に特化した資格としては唯一のものです。この資格には「PRプランナー補」「准PRプランナー」「PRプランナー」3つのレベルが用意されています。広報の仕事にはさまざまな側面があるので、実務担当者も広報の全体像を把握できていないことがあります。
PRプランナー資格を取得するために勉強することで、広報の仕事について、目的と手段の関係を明確に理解できるようになります。勉強で得た知識は、広報の仕事をこれから始める人にとってガイドの役割を果たすとともに、実務家の視点を一段高いところに押し上げます。
Illustratorクリエイター能力試験
広報にとって画像処理は必須のスキルではありません。とはいえ、画像処理ソフトのスキルを持っていれば、よりインパクトがある資料やプレスリリースを作成できます。Illustratorクリエイター能力試験はデザインや印刷のDTB業界でもっともよく使われているAdobe Illusrotorの資格です。
資格のグレードは、指示に基づいて基本的な制作ができるスタンダードと、創造性の高いコンテンツを制作できるエキスパートの2段階です。Illustrotorに限らず、アプリケーションの使い方を覚えるときには最初の段階でつまづきがちですが、公式テキストと問題集を使って勉強することで、基本的な操作を無理なくマスターできるでしょう。
プロモーショナル・マーケター認証資格
現代の広報には、広告によって販売促進を補う、単独で販売促進の主役となる、などハードルが高い役割も求められています。従って、広報には販売促進の視点も兼ねることが需要です。プロモーショナル・マーケター認証資格を取ることで、販売促進活動に対して俯瞰的な視点を得るとともに、実践的な計画立案の手法を学ぶことができます。
試験は、販売促進の基礎的な理論、手法やツールに関する基礎知識を問うものと、戦略や戦術立案の実技試験で構成されています。試験に向けて勉強するために、公式テキストと直前対策講座を活用すると良いでしょう。
商品プランナー
広報にとって商品企画も重要な隣接分野です。商品企画の知識は新商品のプレスリリースを作るときやSNSで発信するときにも役立ちます。商品プランナーの資格をとることで、新しい商品やサービスのイメージを探り、具体的な商品・サービスを開発し、市場に送り出すまでの過程に関する一連の知識を学ぶことができます。
商品プランナーの資格は研修と試験によって取得するほかに、試験のみで取得することができます。勉強するときは、テキストや問題集、通信講座を活用しましょう。
IRプランナー
広報はIRを兼ねることがよくあります。広報が消費者や生活者に対して情報を発信するのに対して、IR(Investor Relation)は投資家に対して情報を発信します。投資家は企業の業績や経営計画について正確な情報を求めています。IRプランナー(CIRP)の資格試験は、資本市場、企業分析、情報開示とIR活動の知識を問う問題と、総合的なレポート問題で構成されます。IRプランナーにはより上級の資格IRプランナーS級の資格(CIRP-S)もあります。
ウェブ解析士
ウェブ解析士とはアクセス解析をはじめとしたウェブ解析データを活用し、成果を出す仕事です。ウェブ解析士の資格を取ることで、ウェブマーケティングについて総合的な知識が得られます。ウェブ解析は多くの場合マーケティングに活用されますが、人々の意思を知ることは広報活動にも役立ちます。ウェブ解析士の試験勉強には、公式テキストや講座を活用しましょう。
ビジネス文書検定
プレスリリースを作成する機会が多い広報には、ビジネス文書の知識が欠かせません。ビジネス文書検定を取得することで、ビジネス文書の基礎を身につけることができます。ビジネス文書検定は、1級から3級まで3つのグレードに分かれています。
各グレードごとに、漢字表記、ビジネス文書や手紙の作成、グラフが入った文章、礼状の作成などの知識が試されます。ビジネス文書検定の勉強には、受験ガイドや過去の問題集を活用しましょう。
広報になるために身につけておくべき知識
広報は多面的な活動なので、身につけておくべき知識もたくさんあります。広報が自社のブランドを高めるためには、自社ブランドがこれまでどのように作られてきたのかを知っておく必要があります。広報は一般消費者にアピールする活動なので、消費者や市場を調べるマーケティングの基礎知識が役立ちます。営業に関する知識があれば、作ったプレスリリースや資料をマスコミに取り上げてもらために、記者と交渉するときに活かすことができます。
ブランドの歴史
広報の役割は企業活動やサービスに関する情報を発信して企業と一般消費者の間に関係を構築することです。ブランドの戦略は、広報活動の中心にあります。ブランドイメージの向上に寄与するためには、そもそも自社のブランドについて良く知っていなければなりません。これまでに作ってきたブランドに人々が求めるものを付け加えることで、ブランドを拡大・更新させていきます。
マーケティングの基礎知識
広報が適切に情報を発信するためには、現在人々が何を求めているのかを知らなければなりません。マーケティングとは、市場を調査して、人々がなにを求めているのか、自社は人々に対してどのように貢献できるのかを考える活動です。単なる販促のための調査としてではなく、人々の考えを知る手段と考えれば、マーケティングの基礎知識が広報に必要なことがわかります。
営業的知識
広報の仕事には営業的な側面もあります。広報は作ったプレスリリースや開催するイベントがマスコミに取り上げてもらえるように、記者たちと電話や対面で交渉をします。相手のメリットを提示して取材してもらったり、メディアに取り上げてもらったりする活動は、営業活動とよく似ています。営業に関する知識を、広報の日々活動の中で活かすことができます。
広報への転職に成功するためには
広報の転職に成功するためには、現在の業務の中で広報に必要なスキルを磨いたり、知識を身につけたりすることが重要です。広報に必要な、戦略立案、文書作成、コミュニケーション、これらの能力は他の多くの業務でも必要なものです。自分の現職の中でスキルを磨き、実績を作ることができれば転職のときにアピールポイントになります。広報の求人は、マーケティングや経営戦略などと兼務する場合が多く、その意味でもスキルと実績を幅広く積み重ねることが重要です。
まとめ
広報は企業のブランドイメージを高める仕事であり、その目標を達成するためには戦略立案、文書作成、コミュニケーションといった広範囲の能力を求められます。広報の仕事に就くのに必要な資格はありませんが、広報に関連する分野の資格を取得すれば、さまざまな場面で役立てることができます。
自社ブランドの歴史、マーケティング、営業の知識があれば、より深いレベルで広報活動を行えるようになります。日々の業務の中で、広報に関連するスキルを磨き、実績を上げれば転職するときの強みになります。
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