STASEON

企業とクリエイターのマッチングサービス

アートディレクターとして活躍するための必須スキルとは?
COLUMN 2019.11.07

アートディレクターとして活躍するための必須スキルとは?

デザイン関連職のひとつにアートディレクターという職種があります。

デザイン制作の現場で関わることで、その活躍ぶりを目にしたり、著名なアートディレクターについて知ったりすることで、アートディレクターを目指す方も多いのではないでしょうか。

その一方で、アートディレクターという職が、何をしているのかいまひとつはっきりとわからない、どんなスキルを身につければなれるのかわからないということもあるでしょう。

ここでは、アートディレクターという仕事の内容と、アートディレクターになるために必要なスキルをご紹介します。

アートディレクターとは

アートディレクターは一言では「ビジュアルデザインの現場で各クリエイティブ職をまとめ、成果物の完成に責任を持つ人」であると言えます。アートディレクターは広告制作、Web、雑誌、装丁といったチームでのデザインを行う多くの領域で活躍しています。

アートディレクターの仕事

アートディレクターが具体的にはどんなことをしているのか見ていきます。

クライアントから依頼を受けると、アートディレクターはデザインに対する要件のヒアリングを行います。ヒアリングの場ではクライアントの求めるゴールをきちんと把握して、要望通りのデザインを作り上げるために、正確にクライアントの思いを汲む必要があります。

そして、ヒアリングをもとにデザインのコンセプトを決めます。社内では制作チームのメンバーを決定します。グラフィックデザイナー、イラストレーター、カメラマンなど、時には社外スタッフも含めてチームを編成します。ヒアリングの内容とデザインコンセプトをもとに、繰り返し企画会議を行って、どのようなデザインにするのかを練り上げていきます。最終的なデザインが固まったら、クライアントにプレゼンを行います。競合がある場合、デザインそのものだけでなく、プレゼンの出来が採否に影響してしまうこともあります。

クライアントに企画案が了承されたら、制作に入ります。アートディレクターは進捗管理を行い、納期、予算内で成果物を作り上げられるようプロジェクトを管理します。制作中はデザイナーやイラストレーターの仕事をチェックし、カメラマンにはどういった写真が欲しいのかフォトディレクションを行うなど、メンバーの作業に助言をします。アートディレクターがデザインコンセプトに沿って一貫して管理することで、最終成果物を統一したイメージにすることができます。

ビジュアルデザインのみが最終成果物である場合はアートディレクターが制作のトップにたちますが、広告制作の現場では広告表現全体を統括するクリエイティブディレクターがさらに上にいる場合があります。クリエイティブディレクターの意向を正しく反映したデザイン制作もアートディレクターの役目です。大手広告代理店ではクリエイティブディレクターとアートディレクターが独立していますが、中小規模になるとクリエイティブディレクターとアートディレクターのどちらかのみが置かれ、もう一方を兼務しているケースも目立ちます。

アートディレクターの収入

アートディレクターはデザイナーを含むクリエイティブ職を束ねる仕事です。このことから、収入面での待遇はデザイナーより良く、デザイナーの平均年収が330万円程度であるのに対し、400万円~700万円程度と言われます。有名アートディレクターとして独立して成功すれば、1桁違う収入を手にすることも可能です。

アートディレクターになるには

アートディレクターはデザイン制作の立ち上がりから納品までの間、現場の責任者をつとめます。さまざまな作業の中で中心となってはたらくためには、幅広いスキルを必要とします。

アートディレクターに必要なスキル

デザイナーの経験とセンス

アートディレクターには、デザイナーなどのクリエイティブ職として数多くのデザイン制作に関わった経験が必要です。数々のプロジェクトに参加し、経験の幅が広がる中で、徐々に制作プロジェクト全体を俯瞰できる能力が身についてきます。また、デザインを一貫したものとするために、アートディレクターは制作メンバーにデザイン上の指示を与えますが、これはデザインの知識、センスがあってはじめてできることです。メンバーに対するディレクションの際には、言葉だけでなく、実デザインを提示することもしばしばあるため、自らも最低限デザイナーツールを使える能力、デザイン能力を持ち合わせていなければなりません。

コミュニケーション能力

アートディレクターには仕事の中で、非常に多くの人々とのコミュニケーションが要求されます。クライアントからのヒアリングでは、デザインコンセプトを決定するための本質的な情報を得る必要があり、アートディレクターの聞く力が大切です。デザイン案をクライアントにプレゼンする際には、自らのチームのデザインがいかに顧客のゴール達成に活きるものであるかを伝える必要があります。また、クライアントの要求事項やデザインコンセプト、制作上の指示などをメンバーに伝える際も、抽象的な事柄をわかりやすく言語化する力が必要で、アウトプット側のコミュニケーション能力も問われます。

マネジメント能力

アートディレクターの職種名にはアートとついていても、行うのは芸術的な創作活動でなく、商行為の一環であるため、デザイン制作には納期と予算がついて回ります。一番に求められるのは納期内の納品で、作品のクオリティは予算と時間の制約の中で最高を求めていくことになります。クリエイティブ職としては「らしくない」と感じられるかもしれませんが、成果物完成のために予算、人員、時間を割り振り、作業進捗をコントロールするマネジメント能力もアートディレクターには必要です。

アートディレクターになるには

アートディレクターの募集は、アートディレクターかクリエイティブディレクターの経験者を対象とするものが大部分で、未経験の人材がアートディレクターとして募集されることはほとんどありません。アートディレクターには、デザイナーとしてデザイン制作に携わった経験が求められることから、まず、デザイナーとして多くの現場を経験するところからはじめるべきでしょう。デザイナー自体はフリーランスとしてやっていくこともできますが、アートディレクターを目指すのであれば、アートディレクター職のある会社に入って経験を積み、アートディレクターへのステップアップを目指すのが一般的です。

アートディレクターとなってから

キャリアを積み、アートディレクターとなった先にはどのようなキャリアステップが考えられるでしょうか。

アートディレクターはデザイン制作の現場トップを務める立場ですから、ずっとデザインの制作に関わっていたいと、そのままアートディレクターに留まり続ける人も多くいます。比較的大規模な広告制作代理店では、アートディレクターの上にクリエイティブディレクターがいます。

ステップアップ先としてクリエイティブディレクター、さらに先の広告プロデューサーといった道を目指すことも考えられます。また、アートディレクターとして有名になった場合は、独立して自分の事務所を持つことも選択肢のひとつです。所属会社の枠にとらわれず大きく仕事の幅が広がり、成功すれば大幅な収入増も望めます。

まとめ

アートディレクターはその名前から派手なイメージを持たれることもあるかもしれません。しかし、求められるスキルはデザイナーとしての基礎素養だけでなく、デザイン作品をビジネス上の商品として納めるのに必要なものです。アートディレクターを目指すには、デザイン制作の現場で経験を積みながら、制作全体についての知見を深めていく意識が求められます。

▼アートディレクターのインタビュー記事

・ストーリーのあるアートディレクションは、美しく機能する。/株式会社アマナデザイン マネジャー アートディレクター 福永 星
・ロールモデルはひとつじゃない。だからデザイナーとしてのキャリアを描きやすい。/ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケート アートディレクター 細野隆博 デザイナー 平野結唯
・チームを率いて大きなデザインを完成させる!アートディレクターの仕事とは?

▼クリエイティブ業界の求人情報

・アートディレクター・クリエイティブディレクターの求人検索