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チームを率いて大きなデザインを完成させる!アートディレクターの仕事とは?
COLUMN 2019.11.06

チームを率いて大きなデザインを完成させる!アートディレクターの仕事とは?

アートディレクターという職種があります。アートといっても芸術的な創造をおこなうのではなく、広告や雑誌、装丁などのデザインを行う際の、制作面での監督を行うのがアートディレクターです。

デザイナーは自らの手を動かしてデザインを制作するというのがわかりますが、アートディレクターがどのように仕事をしているのかは、少しわかりづらいかもしれません。

ここでは、アートディレクターがどのような仕事をしているのか、そして仕事を進める上でどういった工夫をしているかといったことをご紹介します。

アートディレクターとは

デザインの制作を専門家に依頼する場合、名刺1枚程度のデザインであれば、デザイナーがひとりで対応するのが普通です。しかし、デザインの規模が大きくなってくると、デザイナーの他にもイラストレーターやフォトグラファーといった各種クリエイティブ職がチームで作業に当たるのが普通です。この制作チームを率いてデザイン制作を行うのが、アートディレクターです。

アートディレクターが活躍する分野

アートディレクターがデザインを手掛ける対象は多岐にわたります。広告、Web、商品パッケージや本の装丁など、複数のクリエイティブ職が制作に携わる現場には基本的にアートディレクターがいます。ただ、広告制作の場合はクリエイティブディレクターがアートディレクターを兼ねたり、小規模な現場でシニアデザイナーといった立場の人がディレクションを行ったりすることもあります。

アートディレクターの職場としては広告代理店や広告制作会社、編集プロダクション、デザイン事務所などがあります。未経験者がいきなりアートディレクターとして採用されることはまずなく、デザイナーなどのクリエイティブ職として入社後、経験を積みながらアートディレクターを目指すことになります。

アートディレクターの収入

アートディレクターの収入は広告代理店の場合は、所属広告代理店の規模が大きく影響します。表現技術が大切な仕事であるため、本人のそれまでの実績や知名度によっても収入はかわります。若手のアートディレクターで年収400万円程度、大手広告代理店に所属する中堅で年収800万円以上といったところです。

非常に有名になった場合、独立して自分の事務所を持つこともあります。多額の収入が望めますが、成功には営業や経営の感覚も必要とされます。

アートディレクターの仕事


アートディレクターはクライアントによるデザイン依頼を受けるところから、企画、制作に至るまでビジュアルデザインの責任者をつとめます。

クライアントからヒアリング

クライアントから依頼があると、クライアントの意向の聞き取りを行います。クライアントがデザインによって何を実現したいのかといったゴールや、デザインを必要とする背景、スケジュールなどの概要、デザインを見る人に何をいちばん伝えたいのかなど、デザインコンセプトを決めるのに必要な情報を聞き取ります。

制作チームの編成

アートディレクターはデザイン制作に必要なメンバーを集め、デザイン制作のためのチームを編成します。制作物の規模や種類によって社内のクリエイティブ職のみで構成できることもあれば、外部の制作会社やフリーランスに協力を求めることもあります。

企画の決定、ラフ作成

ヒアリングの情報をもとに、デザインの企画を練っていきます。単に斬新な思い付きによるデザインでなく、クライアントがデザインを求める背景を理解したデザインコンセプトを決めます。

企画段階では多くのラフを作成します。最終的に企画が固まった段階ではクライアントへのプレゼンに用いたり制作メンバーと完成イメージを共有するためのカンプと呼ばれる、より完成品に近いイメージ画を作成します。

企画案のプレゼン

クライアントにカンプを見せて、具体的な制作に入る前にOKをもらいます。カンプ自体の魅力が重要となることはもちろんのことですが、カンプに盛り込まれたデザインが、クライアントのビジネスゴールを達成するために適切であることを、言葉で伝えることも欠かしてはなりません。

プレゼンを行う前に、カンプ案とビジネスゴールとの関係をもう一度認識しなおした方が良いでしょう。カンプを複数制作してクライアントに選んでもらうこともあります。

制作、納品

クライアントの承認が得られたら具体的なデザインの制作に入ります。制作は複数の人々が同時に動く複雑な工程です。アートディレクターの役割は、各チーム、各メンバーの作業の進捗や、成果物の状態を細かくチェックし、制作スケジュールの面でも、デザインの質の面でも、一貫性を保ち、効率よく作業が行われるように、指示したり、調整したりすることです。

この段階では、スケジュール管理能力、人的調整能力、成果物の整合性を保つためのデザインセンスなど、さまざまな能力が求められます。現場で手を動かすことがメインであるクリエイターと違い、アートディレクターには多くの人々の仕事を管理するための高いコミュニケーション能力が求められます。

アートディレクターが仕事で工夫していること

アートディレクターの主な仕事は、多数のデザイナーに仕事を割り当て、デザインを完成させるまでの工程を管理することです。アートディレクターは、他人の手を借りて、自らイメージするデザインを作り上げる仕事と考えることができます。

アートディレクターは、デザイナーのように現場で直接手を動かすのではなく、自分のイメージをチームの人々に伝え、動いてもらう必要があります。そのためアートディレクターには、デザイナーの個性を見極めてモチベーションを高める工夫や、現場で円滑にコミュニケーションを行う工夫が求められます。

デザイナーを活かす・伸ばす

デザイナーの個性を見極める工夫は、スタッフを集める段階でも、制作を指揮する段階でも、制作物の質を決定する非常に重要な要素です。デザイナーにはいろいろな個性があります。ロジカルな思考能力に恵まれたデザイナーなのか、エモーショナルに表現することに長けたデザイナーなのか、挑戦的なのか、保守的なのかなど、デザイナーの個性を知ったうえで適切な仕事を割り当てます。

デザイナーのモチベーションを高めるためには、個々のキャリアプランを把握することも重要です。デザイナーは独自性が高い仕事なので、一人一人のデザイナーは自分の将来イメージを持っていることでしょう。たとえばマネジメント志向なのか、スペシャリスト志向なのかを見極めて、適した仕事を割り当てることができれば、デザイナーたちは高いモチベーションのもとに制作を行うことができるでしょう。

コミュニケーション面での工夫

アートディレクターの仕事は、クライアントや制作メンバーとの日々のコミュニケーションを通じて達成されます。クライアントとのコミュニケーションについては、クライアントのビジネスゴールだけではなく、クライアントのビジネススタイルを十分に理解することも重要です。たとえばクライアントがビジュアル重視なのか、ロジック重視なのかが分かれば、聞き取りやプレゼンの段階で、より深く、円滑なコミュニケーションが可能となるでしょう。

チームメンバーとのコミュニケーションにおいては、自分がデザイナーだったとき、ディレクターにどのように指示されたときに仕事が進めやすかったかを思い出すことが参考になります。自分とは違う個性のデザイナーとコミュニケーションを行う場合は、彼らの気持ちをできるだけ感じ取るように努めれば、よりよいコミュニケーションを達成できるでしょう。

まとめ

直接手を動かさないアートディレクターの仕事は、デザイナーとして手を動かしてきた人にとってしんどく感じることがあるかも知れません。アートディレクターの仕事もまた、人の手を借りてより大きな制作物を完成する仕事なので、デザイナーと同様に創造的な仕事です。デザインセンスとマネジメントセンスの両方を活用できる、アートディレクターの仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。

▼アートディレクターのインタビュー記事

・ストーリーのあるアートディレクションは、美しく機能する。/株式会社アマナデザイン マネジャー アートディレクター 福永 星
・ロールモデルはひとつじゃない。だからデザイナーとしてのキャリアを描きやすい。/ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケート アートディレクター 細野隆博 デザイナー 平野結唯
・鑑賞者と創作者、2つの視点を持つことでイラストのアートディレクションは磨かれる。/株式会社サーチフィールド アートディレクター 棟久益至

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